2012年10月30日火曜日

2012.09.15 Utsunomiya Jazz Piano Trio SR 41RP STAFF REPORT

2012.09.15 Utsunomiya Jazz Piano Trio SR 41RP STAFF REPORT

『山下洋輔さんJAZZトリオ』レポートです。

本当に素敵なコンサートでした。温かい音で時に激しくかっこ良く、こんな音楽の身近に居れる事が本当に幸せで、難しいけど音響の仕事って素敵だなあと改めて感じられた。

この現場は外注さんがいらっしゃったのだが、プロの音響さんは本当に仕事が手早く的確です。動きを見ているだけで本当に勉強になった。
現場に着いて機材搬入→設置→電源確保・太い線からひいていく→アウトのチェック→インプットのチェックこの流れは変わらずとっても大事。改めて感じました。この認識が当然でそれに沿って自分が次に何をするべきか考え行動する。

この流れが本当に身に染み付いているんだなと見ていて思った。
・今回マルチを側面の2階席から這わせてステージ袖におろす。→おろす人と受け取る人。声を掛け合って作業。
・スピーカーの位置を決める際、一人が客席へ見に行ったらもう一人が調節出来るよう準備する。
・何本もケーブルをしく時は二人で協力して川をつくる。
・邪魔にならず効率良く準備出来る場所を考えてお店を広げる。
・マイクスタンドを準備する時は全てのネジのゆるみを確認。特にブームの連結部分。
・ドラムなどの楽器のセッティング待ちの場合、本数も沢山あるのでだいたい左右に分けて楽器を置くスペースを十分に空けて置いておく。
・大事な線は必ずバミる。

「音響さーん」と声をかけられた時や、音響に関する事であろう問題があった時にいち早く駆けつけるアンテナを常にはっておくべきだと感じた。
そして常に音に集中する。そこに駆けつけて何がどうなっているのか、何に問題があるのか聞いていなきゃ分からない。
演奏者さんの話す言葉にも様々なヒントが隠されており、聞き逃してはいけない事が沢山あった。
外注さんのその反応の早さに私はただただ驚くばかりでした。私もそうなりたい、とも思った。

また時間に少し余裕があったので個々の楽器の音に(特にピアノ)集中して、様々な意見を聞く事もできた。個人的にはピアノのサウンドホールの音をじっくり聞くのは初めてで、あのような音が出ているとは思いもしなかった。楽器は様々な場所から様々な音が出ており、それが自然にミックスされてその音を聞いている。それをたった1本や2本のマイクでとり、再現するなんて、マイキングとは沢山の事に配慮し求める1点を探す物なんだな、と感じた。

ドラマーさんがピアノにKM184が二本とサウンドホールに57(こちらはモニター用なのだが)が置いてあるセッティングを見て「完璧な」(もしくは効率的な?といったニュアンスで)とおっしゃった事になるほど!と思えた。様々な音が出る楽器だからこそ複数のマイクを用いるという方法には一理あるなと思ったからだ。

他にはベースの方の音作りに関するお話をじっくり聞けて大変勉強になった。音を想像の形で表現するというのも分かりやすく・また人に伝わりやすく素晴らしかった。音を言葉で伝えるのって難しいと常々感じる。

リハーサルの短さには大変驚きました!ジャズという音楽、また熟練されたプロの演奏、本当にかっこ良かった。

今回出演されていたドラマーさんは私が彼のクリニックに行っていた事もあるような方だったので、客席から眺めていた方と音響スタッフとして近くで作業する事に違和感(ポジティブな意味での)があった。チューニングもじっくり大切になさっていて、演奏者の方のそこまで真剣に行う音作りに対して、音響を任されるという事は大変重大な責任を負い、なんとやりがいのある仕事なのだろうと思う。


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