2009年10月20日火曜日

2009.10.12 Urayasu Gospel Live SR 終了報告

2009.10.12 Urayasu Gospel Live SR 終了報告

会場全景



浦安のホテルで行われた、ゴスペルコンサートのSR終了報告です。
日時:10月12日(祝)
場所:浦安Dィズニーランドホテル 宴会場
内容:保育園10周年記念パーティー内のゴスペルコンサートSR
出演:Dreamer's Union Choir

<実施スケジュール>
10月12日(祝)
08:00 浦安現場集合
08:30 ホテル搬入
10:00 リハーサル
11:00 オープン
12:00 開演
13:00 終演予定
14:30 撤収完了〜解散

<Over View>
ホテルの仕事ということで、服装、入退官のID、飲食を伴う中での音響セッティング、等、通常のホール業務よりも、気にかけることが多かった。
特にDホテルと名前がついている通り、『お客様に夢をみていただく』というコンセプトを、我々外部業者(今回は出演者扱いの音響業者であるが)も、きちんと認識して仕事をしなければならないなと思った。

<音響実施図面>



<搬入搬出について>
さすがに連休最終日でも、朝からランドへ行く車の車列ができてました。
葛西で降りて下道側道をいき、橋の所で10分ほど混雑しましたが、くるっと回っていったらすぐついちゃいました。

画像が載せられないのがもったいないのですが、とにかくきちっとしていた。
食品関係の搬入口ということで、期待をしてませんでしたが、期待を大きく裏切る使いやすい搬入口でした。
各搬入ブースごとに、ビニール製のシャッターが設けられており、排気の混入や、空調の流出等にも気を使った搬入口だった。
プラットフォームの高さも、食品関係ということで、高さぴったりでした。
ラック用キャスター×2と、台車は必須でした。

<セッティングについて>

ハウスはQRx×2対向を初めてスタンド使用で行いました。
QRxは35kgあるのですが、昨年の夏に突風でぶっ倒れてからは、Stand使用を控えてました。
一応スタンドの対荷重は40kgとなっていますが、倒れた時の精神的ダメージも大きかったので、いままでやめておきました。
今回サブローの使用も検討しましたが、やはり時間の関係や、床がカーペットという柔らかい素材のため、難しいと判断しやめました。
かわりに、QRx15インチをスタンド使用で、スピーカーの底面が170cmと、かなり高さを稼いで上げてみました。

Ampは新規購入のEV Q1212です。
中国製ですが、カタログ上は2ΩドライブOKとのことで、今後M-AQUAの主力F.O.H用Ampとして使用します。先日2台目も到着しました。

一応、ハウスのアウトプットのデータを記しておきます。
ハウスのマスターOutは-10dB付近でした。QRx Recommend EQを挿入。
950hz=-2dB 2Khz=-6dB 4Khz=-2dB

Drive Rackの入力X-OVERで-11dB -75hz
GEQで125hzを4dBほど切り Power Amp Q1212はフルテンでした。

SystemのTotal Attanuationは-21dBでした。

モニターは6系統AuxのMaster Outは-12dB付近でした。QRx Recommend EQを挿入。
GEQはHPF入れずにチューニング


Power Amp P3500Sで-6dB
SystemのTotal Attanuationは-18dBでした。
この辺りを数字にすると、バランスもとれてくるのは面白い所です。
FMXをFront Footで4Ωパラ、Choir Footで4Ωパラ、BOSE502AがChoir Sideで4Ωパラ、KEYが二人でEliminatorで4Ωパラ、運用しましたが、問題ないようです。
アンプに負荷はかかりますが、予備アンプがあれば、これも良いかな?という判断です。

<以下はインプット系>
TB/CHECK MICのHAです。


Ch12がSolo/Ch3が Taro Hs MICのHAです。




V-DrumsのHAです。


V-Dr KICK Ch Stripです。

EB EG SAX HA


Choir HA 上段1〜4 SOP 下段1〜4 ALTO

Choir HA 上段5〜8 TENOR


Choir Ch Strip


Choir Ch Over View


<本番画像>


<コンソール周辺>




<シンデレラドリーム>


<参加者からの疑問があったので答えておきます>
Q.スピーカーが二対向だったのは何故か?
A.ステージの幅が広いとスピーカーのエリアが対応できない。
当初会場に対して、ステージを横に配置する案もあったため、その場合も横方向のサービスエリアの拡大のため。
A.片側一台では、必要な音圧が得られない。
A.お客様向けのSPはとても大事なので予備という考え。
A.今回初使用のアンプ→片側SP×2の、実力をテストのため。

Q.クワイヤにだけ両サイドにスタンドで立てたモニターがあったのは 何故か?フットモニ ターではダメなのか?
A.録音などで、コーラスの収音というのは、本来ならば空間で混ざりあったものを少ないマイクで収音することが望ましいのです。いわゆる3点吊り等でのクラシック収音の考えです。

しかし、ゴスペルというのはブラックミュージックの源流であるため、伴奏にドラムやベースを使い、ある程度の音圧が必要とされるのです。

そこでマイクをコーラスで複数本使うのだが、本来は混ざりあって、一つの和音を形成するコーラスを、複数のマイクで収音する時には、全てのマイクが基本的に同一の条件の方が望ましいのです。

今回クワイヤのマイクは二人に一本ですが、人数が多ければ、四人に一本、六人で一本なんて時もあります。

これだと、ハウスはいいんですが、モニターが問題です。
特にこのグループは、普段はライブハウスに出て自分のバンドでメインボーカルを張ってる人ばかりなんです。だから、全員がソロを歌える。
普段のソロボーカルの時のモニターに比べて、クワイヤのモニターは音が遠くなってしまうのです。

一般的に、スタンド立ては音が聞こえるサービスエリアを広くとれ、フットモニターは、サービスエリアを狭くできます。

クワイヤの人数が多く、基本はスタンド立てなのですが、クワイヤの真ん中辺りは、やはりスタンド立てのモニターから距離が遠く、左右に別パート(ソプラノとアルト)がいてより安定した音が欲しい、なにより普段は足下から自分の声が聞こえてくる環境に慣れている。

様々な理由で、かなりの時間を費やした結果あのようなスタイルになったのですが、全く持って私自身は満足していません。
どなたか一緒にやりましょう。

エムアクアを作ろうと思った理由はここです。
『困難SRではあるが、自分はゴスペルがとても音楽として魅力のあるジャンルであり、なによりみんなが困っている』

それが、Jazz Gospel Acoustic Recordingに特化した音響を自分でやろうと思った1つのきっかけでした。

余談ですが、ラストのimagine上手のVoの女の子のハウリング5k位は、モニターではなく、ハウスでした。ケッコー上手に寄って歌っていたのと、比較的デッドな会場だったので、上の方は、ノーコンでした。


<下見の様子です>



<エントランス>

































STAFF
大坪(戸田音響)、荻根沢(M-AQUA)、今井(ISA)

2009年10月16日金曜日

2009.10.11-13 BRASS BAND LIVE REC&GOSPEL LIVE SR STAFF REPORT

2009.10.11-13 BRASS BAND LIVE REC&GOSPEL LIVE SR STAFF REPORT 38RP

10月10~11日 英国式スタイル金管バンド Live Recording(栃木県宇都宮市)

今回使った主な機材

01V、HD24、R-44、YAMAHAのSP、ONYX800R、DI(VTR用)、CondencerMic(DPA4006、KM184、C-391(C-414から変更))


今回が自分にとって初のプロの現場への参加で、最初に結論を言ってしまうと分からない事が分からないという痛々しい結果に終わりましたが、これを経験するかしないかでは明らかに違ってくるのでは、と思える程いい経験になりました。

初日は池袋から合流し、途中次回の現場の下見をしつつ現場に到着。アーティストの方々の到着と共に館内に搬入開始。まずは音響室で使うものを音響室に移動させてから、ステージ上のセッティングでした。何からしていけばいいのかわからず完全に支持待ち状態でした。しかもケーブルをひっぱって来てDIにつながずなどの2度出間をしたりして迷惑ばかりかけてしまいました。事前にアーティストの楽器の上をまたぐような状況は無いだろうけど高価なものだから気をつけてね、といわれていたので楽器が近くにあるときはとても緊張しました。

ステージのセッティングが終了して今度は音響室のセッティング。ステージ上にセッティングしたマイクからHAに接続し、01VとHD24にADATで接続し、更にHD24から01Vに接続。陰アナとWLの信号だけパラって01Vと音響室のミキサーに送りました。また、01Vからダイレクトミックスしたものを音響室のミキサーに運営系としてモノで送るものと、バックアップ用にR-44を使用。

ここら辺のセッティングが終了してからは完全に見学状態で何をしていいかも分からず、01Vを操作しているところを見ても正直何をしているのか分からず、ただただ時間が過ぎていくだけでした。たびたび何か質問無いといわれたのにも関わらずほぼ答えられませんでした。リハーサルが終わって3点吊りのマイク以外を回収しホテルへ向かい、ホテルで次の日の打ち合わせをして就寝。

次の日は朝8時にホテルをチェックアウトし朝ごはんを食べて、現場へ。ここでもアーティストの到着と共に中へ入り、マイクのセッティングをして音響室へ。リハーサルが始まる前にワイヤレスとカゲアナのマイクチェック。リハーサルが終わってからワイヤレスとカゲアナのマイクで司会の方に話してもらいチェック。これが終わって本番まで休憩。本番前にホールの音響担当の人と富さんが会話をしていたが、話に全然ついていけなかった。本番が始まり、前日のように01Vなどを操作しているところを見てもよく分からずといった感じであっという間に本番は終わってしまった。撤収作業に取り掛かるも、何が重要化を理解しておらず、マイクをとりあえず安全な場所に移動させたり、重い台車が通るところのケーブルを先に片付けることができず等、やはり迷惑ばかりかけてしまった。撤収が完了し、そのまま帰路へ。帰りの車の中で色々と今回の振り返り。しかしやはり何がなんだかわからないという状態で、結局富さんに気づかされてばかりでした。

音への意識が全然できていなかったり、ただ指示通りに動くだけでその支持はなぜだろうと考えられなかったり、一つ一つのことには意味があるということを認識できていない。また説明のときにわからないことがあるのにそのままにしてしまった。本当に分からないことが分かってないといった感じでした。

片付けのときにマイクをすぐに安全な場所に逃がしたり、踏まれちゃいやな場所は先に片したり、効率的に動いたりなど音響への気遣い。また機材の名前等分からないものを一つずつでもなくすこと。マイクスタンドやケーブル巻きを体に馴染ませる。言うタイミング、聞くタイミングの計り方。これはしてるけどこれはしてないをなくす。その日の色々なやり方をまねする。その他にも沢山教えてもらったり気づかせてもらったりと本当にお世話になりました。これからも色々と迷惑をかけると思いますが、よろしくお願いします。

10月12日 Urayasu Gospel Live SR

使用した主な機材

DM1000、ONYX800R、マイク(SM58、SM57、Beta57、WH20XLR)、DI(ベース、キーボード用)、スピーカー(Eliminator、502A、FMX1202、QRX115)



今回の現場もまた自分にとって初のSRの現場でした。セッティングの時間や撤収の時間が短かったため、あっという間に終わり前回以上に分からないこと分からないといった感じでした。

朝8時前に集合し現場のホテルの近くで打ち合わせをし、8時半頃搬入開始。アーティストの方々が搬入の手伝いをしてくれた。セッティングが始まってやはり支持待ちといった状態になった。なんとか自分に出来ることはないか動こうとするも、ただあたふたするだけだった。本番が始まりステージ上をずっと見ていたが、本当にステージは危険がいっぱいだと思った。特に子供がステージ付近を走り回ることもあったので、とても緊張しました。前からステージは危険がいっぱいと聞いていたが、本当に改めて認識しました。また、演奏の合間にステージ上にイベントの司会者が上がってきたりすることがあったときにうまくスタンドを移動させたりいけないのにできなかった。どのタイミングで動くのかとても難しかった。

あっという間に本番が終わり、撤収作業へ。とりあえず前日にあったレコーディングでの撤収を踏まえて、やってみたこともあったが結局は指示待ちになっているという状態。また、ケーブル巻き等の基本的なことが本当に体に馴染んでいない。迷惑をかけてばかりだった。終わってから気づいたが、また音を意識することなく終わってしまった。もっと心に余裕を持てるようになりたい。それにはやはり普段からどれだけ意識が出来ているかということだなと感じた。アーティストの方々が撤収作業を手伝ってくれたこともあり、二時半には撤収完了。最初の打ち合わせのときに何か質問ある?と聞かれたときに気づくべきだったが、今になっていろいろと疑問が出てきた。

・スピーカーが二対向だったのは何故か?
・クワイヤにだけ両サイドにスタンドで立てたモニターがあったのは何故か?フットモニターではダメなのか?
・クワイヤのマイクのケーブルが下にまかれてなかったのは何故か?(最初に後ろの部分にばらしてしまった自分のせいかも。)
・ソプラノ、ソロのマイクだけSM58なのは何故か?
・マイクスタンドがソプラノだけST+Miniだったのは何故か?
・ドラムがギターとベースより前なのは何故か?

もっと速く気づけるようにいつも何事にも意味があり、それは何か考えられるように意識したい。

また、今回は自分意外にもスタッフの方が二人いて、それぞれ違う動きをしていたが本当に効率的に動くし、知識や慣れが自分とは段違いでした。そしてとても参考になりました。真似は大事という言葉が本当に身に染みました。やはり今回もリハーサルや本番になると見学状態になってしまったが、どんどんそれをなくしていきたいと思う。

今回この三日間を通して感じたことは自分の知識のなさ、慣れてない、疑問を感じ取れてない、ただ作業をするだけ、落ち着いて判断が出来てないなど本当に山ほどの課題を改めて実感した。一つずつ一つずつ解消していきたいと思います。

そしてこの仕事はとても楽しいと感じ取ることができました。とにかく大変ですが、とてもやりがいがあるなと思います。そして上に行けば行くほど、また楽しくなるようなきがしました。このような機会を与えていただき本当にありがとうございました。またお世話になることが多々あると思いますが、よろしくお願いします。

2009年10月14日水曜日

2009.10.11 BRASS BAND LIVE RECORDING 終了報告

2009.10.11 BRASS BAND LIVE RECORDING 終了報告

日時:10月11日(日)
場所:宇都宮市 栃木教育会館大ホール
内容:ブリティッシュスタイルの金管バンドライブレコーディング
出演:宇都宮ブラスソサエティ
ここ数年、担当している金管バンドの演奏会録音です。

スケジュール
10月10日(土)
13:00 都内出発
16:00 宇都宮到着、別現場下見
18:00 ホール搬入開始
21:30 ホール退館
10月11日(日)
09:00 ホール入り
11:00 リハーサル
14:00 開演
16:00 終演予定
17:30 宇都宮出発
21:00 都内到着

仕込み図


コンソールインプット


結線系統図


往路はお約束通り雨がざーっと降ってました。

11月1日の下見に来てみました。

搬入口はいつも通り、会館下手客席側より。


階段狭く滑るので気をつけて下さい。
あと、山台9×9の置き場所になってるので、山台を出すのとぶつからないようにすること。


前日のうちに、ほぼ全てのセッティングが完了。
音響室はこんな感じです。
モニターを少し内向きにさせてもらってます。


バンドはリハをしていたのでバタバタせず、細かいマイクアレンジは本番日の朝にすることにしました。


本番日も秋晴れでした。
ここで、来年度への引き継ぎ事項です。
トラックの駐車は黄色い枠外にすること。


メインの3点吊りは例年通り、専用のバーW=1000mmです。
DPA4006×2のA-B方式です。角度は0度の水平です。



ステージ上全般のセッティングは例年と変わらずです。
パーカッションのマイク位置に関して、もう少し左右対称にセッティングできればと思いましたが、主に下手はドラムセットと、ヴァイブ、シロフォン類ねらい。上手はティンパニー周辺ねらい。


今回もPCでの仕込みをしておいたのでスムーズでした。

MAINとFront Stage下のHAです。

指揮者前(Cond)とPerのHAです。

それぞれのDigital機器のクロックを合わせる為の、ワードクロックです。


会館のWLとカゲアナは頭分けで分配です。

頭分けをする時には、会館パッチ盤のパラジャックとトランスをお借りします。

このあたり、説明の図面を作成します。

SR Mixerには、頭分けのWL、カゲアナの他に、録音卓でミックスした運営系を立ち上げます。

上段のマトリクスは主に、ステージ上のアウト系です。

下段のマトリクスは主に、楽屋運営のアウト系です。
楽屋運営系にコンプが入ってないので、要注意です。
chの19と20には、DN504がインサートされている様なので、今後はそちらにいれても良いかも。

会館常設のGEQです、カラムLRとプロセをハウスでは使ってます。


今回大きく変わったのが、VTR関係です。
VTRはアンバラ入力なので、ジャンセンのパッシブトランスを使用して、直前までバランスで送るのには変わりないのですが、位置が客席最後方になったので、回線を変えました。
映写室からの引き下ろしになりました。回線はシネスコという回線で通常はクリカムぶら下がってるので、抜いたら必ず戻します。
あと、危険を伴うケーブル引き下ろしなので、必ず私がやります。
セッティング後はカギをしてもらいました。



上手奥の養生です。
ケーブルマットを止めたり、ケーブルをピンと張る為に、養生テープいろいろ使います。


録音はHD24のマルチがメイン、R-44がバックアップでした。
今回ステージ上、ステージ下等でのパフォーマンスが多かったですが、3点のA-B方式がメインでうまくいきました。
なるべく、補助マイクを絞る方向、絞る方向にもっていくことによって、音に落ち着きが出てくる様な気がします。
どうしても『聞きたい』という欲求を満たす様なフェーダーフォローをしてしまうのですが、トータルで見ると、やはり3点位置からの冷静さの方が重要であったりするかなと思います。

コンプやダイナミクス系は、MCのWLのみでしたので、伸びやかな音色のままダイレクトミックスができているので、R-44のダイレクトミックスのみのマスタリングで行ければ行きたいと思っています。

お昼は天気が良かったので、下手搬入入り口周辺で食べました。

来年はサイゼリアに行けるといいっすね。