2007年7月30日月曜日

2007.7.18 BonDonNight Surround2011 Live Recording STAFF REPORT 35RP-1

2007.7.18 Bong Dong Night Live Recording レポート

 7月18日(水)に中野のライブハウスで学生企画のイベントを開催し、それに
伴い当初はライブハウスPAさんからステレオの回線を頂き、それを録音しようとし
ていました。
 しかし、オーディエンスの反応といったライブならではの音が欲しいということ
になり、PAさんからの回線とは別にマイクを立ててみないかとなりました。
 そこで一番最初に浮かんだ案はSM57を2本オーディエンス用に使用し、PAさんか
らのステレオの回線とそれぞれProtoolsに録音するという案でした。そして、ライ
ブレコーディングを企画していく上で、富さんよりM-Aquaさん、Surround2011さん
が所有しておりますライブレコーディングの機材を貸し出してくれるとのお話を頂
き、是非使用させて頂きたいと、今回のライブレコーディングの話へと発展して行
きました。

 まず最初にイベント企画者に機材をレンタルしてのライブレコーディングをする
事に関しての許可を頂きに行った所、こちらに任して頂けるとの話を頂き、続いて
Surround2011の機材を所有しております三木さんに許可を頂き、最後にライブハウ
スさんにライブレコーディングに関しての質問を用意する運びとなりました。
 その前にSurround2011さんからの機材を借用することにあたり、
  一、機材に関する運搬、管理を自分達でしっかり行うこと。
  一、必ずサラウンドで録音をすること。

という二つの条件を提示されました。続いて、ライブハウスさんにライブレコーデ
ィングに関する質問を用意し、現段階で考えられる疑問を解決することにしました。

 ①ライブレコーディングをさせて頂けるのか。
 ②レコーディングの際の回線はどこから頂けるのか。
 ③こちらで会場に新たにオーディエンス(サラウンド)のマイクを立ててよいか。
 ④当日にレコーディングのシステムをどこに組めばよいか。

 それぞれ質問していく中で、①、③に関しては問題ないとの回答を頂き、④に
関しましても、実際に会場を見させて頂き確認することができました。問題にな
ったのが②の「レコーディングの回線をどこから頂けるのか」ということでした。
 質問をした際にライブハウスのPAさんからバンドは全部で13〜14回線をプランニ
ングしており、ステージ側のマルチボックスから頭分けで回線を使用するのがいい
のではないかとのことでしたが、ライブハウスさんには、8chのパラボックス
『8J12N1』が卓側、ステージ側の2個と16chの入力のみのマルチボックス『16B1F2』
と出力のみのマルチボックス『16B2F1』を所有しているという話でした。
 つまり、ライブハウスさんのマルチ全ての入力は最大で24chということです。
ステージ側から回線を頂いて録音すると考える中で、PAさんから提示されました条
件が、ステージ側のマルチパラボックス、さらにレコーディング用の立ち上げケー
ブルを用意いて欲しいとのことでした。M-Aquaさんの所有しております8chパラパラ
ボックスと8ch先バラXLR♂を2セット借用することで
16ch分のパラボックスができ、ステージ上の回線をそれぞれ16ch分のパラボックスに
入力したのち、ライブハウスが所有しております16chの入力のみのボックスに入力す
れば、PAさんのアドバイス通りのシステムを構築することができました。
 しかし、ここで富さんより「16chパラパラボックス『16J12F12』を購入する」との
御連絡を頂きました。よってこれで「レコーディングの回線をどこから頂けるのか」
の問題は解決しました。システムを設営する上でM-Aquaさんより借用することになり
ました。
 16chパラパラボックスのPA卓と反対側のマルチコネクターからマルチケーブルで結
線し、レコーディングシステム足下に16ch出力のみのマルチボックスを置けばシステ
ムがよりスッキリするのではないかと思いましたが、16chパラパラボックスのは片方
からしか出力しないとのことなので、当初より予定しておりました、8chマルチケー
ブル(大蛇)を2本用いて結線することにしました。また、マルチパラボックスに関
しては使わないchには絶対にケーブルをさしてはいけないことも忘れてはいけません。
 
 マルチボックスの問題が解決した時には、さらにライブハウスさんへの質問も増え
て行き、最終確認としまして

 ⑤レコーディングに使用する持ち込み機材の電源はどこから頂けるか。
 ⑥本番当日に16chマルチボックス、8chマルチボックスをステージの下手、上手
  どちらに配置するか。
 ⑦本番当日にシステム設営のために何時に会場入りできますか。

の3点です。⑤の電源に関してはシステム設営が楽屋に近いということもあり、
そこから容量15Aまで頂き、⑥のマルチボックスの配置場所に関しては、レコーディ
ングへの多大な配慮を頂き、最も近い下手側に配置して頂けるとのことでした。⑦の
当日の入り時間については、リハーサル、マルチの結線のことも考えて頂き、15時入
りとなりました。

 そして、この頃には借用します機材も明確に見えてきました。というのも以前に
M-Aquaさん、Surround2011さんのライブレコーディングの現場に同行させて頂いたこ
ともあり、同行しました現場の資料を見返し、機材に関してもインターネットで調べ
ることにより、ある程度まで自分達なりに考えた中で作成してみました。最初に作成
しました機材リストです。

M-AQUAさんより・・・ HD24×1
           16chマルチBOX×2(ステージ側+録音側)
           (Millenia HV3D-8×1)
           マイククランプ
           TRS-TRS×16(Millenia→HD24・SaffirePRO)
           16chマルチケーブル(20m以上)
           8ch大蛇×3
           ADATオプティカル×4
           IEEE1394(6pin)×1
           XLRーXLR 10mx8

Surround2011さんより・・・ ONYX800R×2
              SaffirePRO
              Cubase4(PCごと借用した方が?)
             (Word Clock Generator)
              BEHRINGER B-5x5
              マイククランプ

 機材につきましては、レコーディングの本線としまして、DAWのCubase4を使用し、
予備としてD2424で録音を行います。この時、最初はHD24を候補にあげていたので
すが、HD24はアナログとADATを混在して録音することができないため、最終的に
D2424を予備としました。H.Aはステージのマルチ回線はONYXを2台使用し、サラ
ウンドマイクとDJ(バンド転換時の繋ぎ、バンドごとの出ばやしに使用。)には最初、
SaffireのH.Aを使用してはどうかと思いましたが、その場合、予備に送った際に、
SaffireのOUTはCubaseを通過しているという事からも、レイテンシーの問題が発生す
るのではないかという疑問が浮かび上がりました。最終的に予備を含め確実に録音を
行いたいと思い、Millenia HV3D-8を使い、サラウンドのマイクはBEHRINGER B-5を
会場のバトンにマイククランプで固定させ収音を行おうと計画しました。
 サラウンドマイクに使用するケーブルについてですが、XLRーXLRの2Pを使用した方
が良いとのアドバイスを頂きました。やはり、撤収作業が早くなりますし、トラブル
を未然に防ぐことができるということからであると思います。
 そして、最終的な借用機材は以下のようになりました。(カッコ内は結線の流れです)

自分達で用意・・・モニター用ヘッドフォン MDR-CD900ST

M-AQUAさんより・・・ D2424×1
           16chマルチBOX×1
           ONYX800R×2
           Millenia HV3D-8×1
           SaffirePRO(電源含めてお願いします)
           Word Clock Generator
           マイククランプ
           ブーム×5
           電源タップ(最低8口分必要)
           XLRメス-TRSパラ×8 (Millenia→SaffirePRO・D2424)
           8ch大蛇×3 (ステージマルチボックス→それぞれのH.A)
           ADATオプティカル×4 (ONYX×2→SaffirePRO・D2424)
           IEEE1394(6pin)×1 (MacBook黒→SaffirePRO)
           BNC-BNC×4 (WC Generator→ONYX×2・SaffirePRO・D2424)
           XLR-XLR 2ペアケーブル×2(BEHRINGER B-5→Millenia)

Surround2011さんより・・・MacBook黒(Cubase4)×1
              LACIE 外付けHDD×2
              BEHRINGER B-5x5
              XLRーXLR 10mx8(BEHRINGER B-5→Millenia)
              マイククランプ

 借用機材リストも完成したので、M-Aquaさん、Surround2011さんの元へ機材を
受け取りに伺うことになりました。事前に双方と連絡を取り合い、1日で全ての
機材を受け取ろうと計画しました。奇しくも受け取り当日は学校があり、全授業
終了後に向かうこととなりました。最初に向かいましたのが、M-Aquaさんです。
 事前に高速の湾岸線に出て真っ直ぐ向かった方が早いとのアドバイスを受けて
いましたが、実際は、首都高速の6号向島線から銀座方面を抜けて向かってしま
しました。案の定6号向島線は渋滞しており、時間がかかってしましましたが、
無事到着することはできました。到着した際には小雨が降っており受け渡しは
高架橋の下で行いました。この際、自分達の車に毛布を敷き詰め、車での移動中
に機材が動いてしまわないようにといったの配慮を怠らないように注意しなくては
ならないと実感しました。また機材の受け取る際に、ラックにマウントされている
ケース等は、一度ケースを空け付属されているケーブルの確認を行いました。
 当然ながらこの確認は一度自分達の車内に機材を積んでから行いました。
M-Aquaさんでの機材の受け取り終了後、続いてSurround2011さんの機材を受け取り
に向かいました。Surround2011さんからも事前に教えていたた場所まで向かうこと
となりました。Surround2011さんとの待ち合わせより早く到着してしまい、
近くの駅まで向かうことにしました。当然M-Aquaさんより受け取りました機材を
積んでいたため慎重に運転をしていましたが、移動の途中で信号無視をしてしまう
という前代未聞のことをしてしまいました。集中力が切れてしまっていたのかも
しれませんが、自分としましても非常に反省することになりました。
時間はかかってしまいましたが、Surround2011さんから借用します機材を受け取る
こともできました。
 Surround2011さんからの機材の中にMacBook黒(Cubase4)があり、先に受け取りま
したSaffirePROとの設定もあり、近くのファミレスでセットアップの方法を教えて
頂きました。自宅に帰宅し、借用機材リスト通りの全ての機材があるかの確認と機
材のシステムのチェックを行いました。
 また、特に重要な機材に関しては車に積んだままにせず、自宅の中まで持って行
きました。その後は受け渡し時に教えて頂いたレコーダー、Cubase4、SaffirePROの
操作方法を再確認しました。Cubase4に関しては、本番当日にファイルを開けばすぐ
に録音できる状態になるように事前にファイルを作成しておくことにしました。

D2424・・・赤(REC)を一度押して全chインプットモニターに。
      停止+F.F で、記録時の最後にリサーチできる。
      ADAT(ONYX)を1〜16chに。
      ファイルは「Bong Dong」が既にできているのでそこに記録する。

Saffire・・・S/Rate 44.1 Sync:W/CLK(SYNC LOCKを確認)
      調子の悪い時は、本体電源 or 一度 Saffire を落として再起動。

Cubase・・・ File → New Porject → Empty(外付けHDを選択)
Project Setup・・・Length:3:00:00:00
         Sample rate:44.1
         Record format:24 bit
         Stereo Pan Low:-3dB
         Display format:Time code
         project → Add Audio Track ※Count:26 Mono に設定する。
       
Input のアサイン方法:Device → VST Connections → Input
           Device Port が Mono In 1 → Pro 26 IO 11
※Cubase Bus Nameの1〜8ch → Saffire
           9,10ch → Saffire S/P DIF
           11〜18ch → Saffire ADAT①
           19〜26ch → Saffire ADAT②

H.A から組上げて、ONYX1台目が1ch〜、ONYX2台目が9ch〜、3台目(Millenia)が
17ch〜、になるようにCubase上で設定を行う。
       
グループを組まないこと。→ピークしてしまうので、最初にグループを組んでしまい、
フェーダーを予め下げておく。
Shift を押しながら、複数のトラックを選択。選択後、Control + click →
「Channel Va〜」。解除も Control + click で

その他の設定として・・・Preference → Editing → Project & Mixer →
『Enable Record on Selected Track』のチェックを解除。
            Preference → Auto Monitoring →Tapemachine style
・・・Rec したモノが Input の状態。

Mix Windowに関して・・・Input、Output、Audio・・・ミックスウィンドウで見れる
トラック。→】:Input Channel を隠す。▷◁:トラックの拡大/縮小
 ※共にミックスウィンドウ。
             Audio トラックの 上部の Bus に入力を各々割り当てる。

Buffer の設定
Device → Setup → VST Audio system 。Audio Buffer size 512 samples。
ミックスの際にも常時チェックしてみる。

Device → VST Performance・・・CPU と DISK の状態を常時チェック可能。
                Disk に問題が生じた場合、HD 自体をはずし
                、熱を逃がす or 振動を防ぐこと。
                エラー:メーターが振れっぱなしの状態になり、
エラーメッセージが出て来る。

 本番当日、持ち込み機材のこともありましたので車での移動となりました。
授業終了後、直ちにライブハウスに向かい、第一に持ち込み機材を降ろし、
車は近くの駐車場へ移動させました。機材の搬入は演奏者の方々の手を借りること
もでき速やかに行えました。続いて、システムの設営へと向かいました。
 事前に考えていた順番でラックを組み上げていき、電源に関しては、テスター
を使用し極性を測ったのち、極性を合わせ電源を取りました。ケーブルに関しま
しては、最初に8chマルチケーブル(大蛇)を、持ち込みました16chパラパラボックス、
ライブハウスにあります8chパラボックスから結線し、その後レコーディングシステム
の結線を行いました。同時進行でアラウンドマイクをバトンに取り付けていく作業を
行いました。
 サラウンドマイクのマイクアレンジに関しましては、当初ワンポイントマイクアレイ
(WMMA)を使用し、マイクを中央から外側へ向けるのと、5本のマイクをそれぞれを
5カ所それぞれに立て中央に向けるとの2種類で大いに悩みました。ワンポイントで
収録する場合には客席中央に立てたいと思いましたが、ライブハウスさんの会場中央に
は設置することもできず、今回は5本のマイクをそれぞれ立て、中央を向けるという方
法にしました。客席にマイクスタンドを使用して立てるわけにもいかず、バトンに吊ろ
うと考えマイククランプを借用しました。天井のバトンは鉄のパイプであり円形であっ
たため、借用しましたマイククランプではしっかりと固定できませんでした。後方のLs、
Rschに関しましては、客席後方ということもありましてクランプで固定後、ビニテで
クランプ部を固定することで対応しました。前方にありますL、C、Rchに関しては、
機材を受け取った際にステージL、C、Rchはミニブームを使用した方がいいのではとアド
バイスを受けミニブームを3本借りましたが、今回のステージはマイクスタンドを立て
るスペースを確保できないと思い、特にCに関しては、演奏者、観客に当たってしまう
のではないかという不安もありました。また当日はライブハウスさんより鉄パイプにも
しっかりと固定できるよう3点で固定する形のマイククランプを用意して頂いており、
用意して頂いたマイククランプを使用し前方のL、C、Rchはステージ最前線のバトンに
吊ることにしました。ステージ最前線のバトンは照明機器も多数吊ってあり、ケーブル
をバトンに這わす際にも、照明機器等によってケーブルが焼けてしまわないように十分
注意しなくてはなりません。また、マイククランプはマイクをつけた際にマイクの重みで
マイククランプ部分から抜け落ちてしまうことがあるかもしれないので、十分注意しなく
てはならないです。
 本番時の回線に関しましては
 
 01. Bass     09. Gt(下手)     17. DJ-L
 02. Kick      10. Bass.Cho    18. DJ-R
 03. SN      11. Vox       19. Surround-L
 04. H.H      12. Gt.Cho      20. Surround-C
 05. F.Tom     13. Dr.Cho      21. Surround-R
 06. M.Tom    14.          22. Surround-Ls
 07. H.Tom 15.          23. Surround-Rs
 08. Gt(上手)    16.          24.

 システム構築後、各回線の回線チェック、サラウンドマイクの回線チェックを行い、
バンドのリハーサルが始まり、リハーサル段階での音をそれぞれ録音し、プレイバックを
行い録音を確認しました。確認の際にSaffireのヘッドフォンアウトが出ないというトラ
ブルがありましたが、パソコン内のSaffireの設定を変えることで確認することができま
した。予備であるD2424に関してはレベルメーターによる確認に終わりました。
 イベント本番が始まりますと、客席内にシステムを組んでいたことからもモニタリ
ングに苦戦をしましたが、レベルメーターが振れていることで録音を確認しました。
 予備のD2424は常に録音状態にして回しておき、本線でありますCubase4に関しまして
はMCが入る時に一度止め、止めることでファイルが確実にできるようにしました。
 録音を続けていく中で、Cubase4の録音が止まってしまうというトラブルに遭遇しました。
おそらくバッファーが問題であったからではないかと思い、バッファー数値を変更し、
録音を再開してみました。しかし、この現象が消えることはありませんでした。
本番終了後にファイルの保存先がLacieの外付けHDではなく、内蔵のHDだったからでは
ないかと思い後日検証してみましたが、明確な原因はみつかりませんでした。
本番中は何回も録音が止まってしまう中で、録音を続けていました。今になって思えば
システムを再起動するべきではなかったのではないかと思います。
 本番終了後は、演奏者、イベント参加者さんからも手を貸して頂き、速やかに撤収
することができました。撤収の際は、こちらの持ち込み機材が全てあるか、ライブ
ハウスさんの用意して頂いたマイククランプを確認し、迅速に行うことができたと思います。
借用しました機材に関しましては、本番終了時にライブハウスの近くにM-Aquaさんに来て
頂いており、その場で返却することができました。よって借用機材に関しましては
Surround2011さんの機材を自宅へ持ち帰ることとなりました。

 後日、本番時に使用したCubase4のこともあったので、予備にしましたD2424のデータ
のバックアップを取って頂いたものを頂くことになりましたが、すぐに外付けHDを用意
することができず、時間がかかってしまったことが非常に反省すべき点であったと思います。
データのバックアップを受け取った後、自宅でサラウンドマイクで収録したものを試聴しました。
マイクアレンジが悪かったのかもしれませんし、会場の広さの問題があったからかも
しれませんが、今後のミックスによると思います。
『録音はミックスが終わるまでが録音である』という言葉がとても印象に残っています。

 最後になりましたが、機材を貸し出しして頂き、多くのアドバイスを教えて下さい
ましたM-Aquaさん、Surround2011さん。ライブハウスのClub Heavy Sickさん、
PA担当の金子さん、イベント企画者である山本氏、森岡氏、出演者の皆さん、ずっと
同行して頂いた平澤氏、本当にお世話になりました。ありがとうございました。

2007年7月22日日曜日

2007.7.28 29 Jazz Live SR in Kashiwa Matsuri 終了報告














2007.7.28 29 Jazz Live SR in Kashiwa Matsuri 終了報告


日時:7月28日(土)
   7月29日(日)
場所:千葉県柏市西口商店街
内容:米澤清カルテット ジャズ野外ライブSR

スケジュール:
12:45 現場集合
14:00 セットアップ完了目標
14:30 リハーサル
17:00 柏祭り内での、ジャズライブ演奏、合計3回
      途中、ねぷた通過時中断、別プログラムでの中断あり。
21:00 終演予定 毎日完全撤収
22:10 解散予定

スタッフ
土 森田、矢野、塩谷、平澤(Rec)
日 森田、矢野、チェ、石井

以下終了報告です。

1日目はサラウンド収録を実施しました。
気温はそれほど上がらず、機材の冷却用扇風機も使用しませんでした。
来週のなつこいでは、アンプ側で2台、卓側で2台扇風機を使用します。
気温の上昇で、機材が壊れる事を予想して、機器の内部で保護のための、
サーモが働き、電源がOFFになることを、防ぐ為です。
小雨が、ぱらぱらとありましたが、イベントそのものには影響はありませんでした。
WBのマイクを変更しました。
Beta57→SM57→DI→AMPLine出力+AMP背面ATM25
奏者の好みもあるのでしょう、あまり巨大な『ぶいーん』みたいな音質よりは、
細かいクールな、サイズが好みだったようです。
ピックアップの高域のホワイトノイズや、カリカリした所はざっくりLPFで切りました。
下も、山台の影響があるのでしょう、150くらいまで、HPFで切っています。
この会場で使用している山台は、多少の見栄えと、作りが雑な感じがありますが、
常にこの低域には悩まされます。
それは、山台の下が直接、アスファルト等の固い材質だからだと思います。
ステージ等で、山台を使用して、もわもわになる感じとは、また違いました。

2日目 雨が降りました。
これについては、現在工事中です。

2007年7月17日火曜日

2007.7.7 Classic Outside Recording STAFF REPORT 36RP

2007.7.7 Classic Outside Recording STAFF REPORT 36RP

この間は、あまり役に立てなかったかもしれませんが、
とにかく手伝わせていただいて、ありがとうございました。
とりあえず、気づいた事、思った事を、箇条書きで書いておきます。

・打ち合わせをしていても、当日いきなり変更になる事もある。
 (臨機応変さが必要)

・マイクアレンジが決まった後に、ブザーを鳴らしてほしいと言われたり、
 直前に変更しなければいけなくなることも。

・クライアントの無理なお願いを、全部聞いているだけでは駄目。
 時には牽制する事も必要。

・皆急いでいるので、少ない言葉でコミュニケーションをとる。
 ついていくためには、指示される前に、自分である程度考えておく。

・パッチ盤はとても不安定、不用意に近づかない。

・当たり前かもしれないけど、マイクで狙う位置を変えたら、音がかわり
 変わって驚いた。

・マイクの種類が違えばもちろん、同じマイクでも個体差が有るので、
 目的に有った正しいマイクの選択が重要。
 そしてそれぞれの特徴をきちんと覚えておく事も重要。
(その日そのマイクがきちんと動作しているかを判断するのも重要byTomi)

・学校で習った事はできてあたりまえ。その上でどうするかを発展させて考える。

・マイクは壁、天井に対して垂直に向けない、上か下の45度がセオリーだが、
 最終的にはエンジニアが(耳で聞いてbyTomi)決める

・必要に応じてモニターボリュームを変える事も。
 VU計の触れに対しての体感の音量は自分の経験と感覚でつかむもの。

・演奏終了後も、アンコールや失敗の取り直し等色々な可能性があるので、
 すぐにばらしを始めない。

・ケーブルを引く時に、マイクスタンドの下を通していた。
 小さい事だけど、大事だと思った。
 踏まれない位置にという事はもちろんだが、
 見栄えをすごく気にしているように感じた。

・今回の接続
マイク(舞台奥のパッチ盤行きの差し込み口へ)

パッチ盤 1.Solist 2.Cembaro 3.4 Str LR

HA(MilleniaHV3D-8)→MixingConsole(STUDER961)→M-box Mini
↓            ↓ ↑
↓ AUX OUT REVERB (MU-R201)

HDR(FOSTEXD2424)

MixingConsole(YAMAHA MG16)

DAT


・Mixerへの(STUDER)接続
*マイクからの信号は全てHV-3D8を通っているのでライン入力になっている。
 (HL INPUT)

1.2点吊りマイクL DPA4006
2.2点吊りマイクR DPA4006
3.Solist KM185
4.Cembaro U-47fet
5.Strings L KM184
6.Strings R KM184
9.Reverb Ret L
10.Reverb Ret R

感想
体験してみてまず思ったのは、全然役に立てなかったという事です。
普段授業の内容は理解しているつもりで、自信というか、少しくらいは
自分で考えて、力になれる部分が有ると思っていました。

しかし、いざ始まってみると、自分で動くどころか、指示されたことすら、
きちんとできない状況で、はっきり言ってショックでした。
知識が無い、というのは動けなかった理由の一つとは思いますが、それよりも、
現場の空気が読めていないというのが一番大きな原因だと思います。
これからも色々お手伝いさせていただいて、現場に少しづつ慣れていきたいと思います。

あと、注意力が欠けているとも思いました。
パッチ盤の近くを歩き回ったり、楽器の近くで走ったり。
少し考えればわかる事なのに、そんな事にも頭が回らなくて悔しかったです。

『チェロの低音がうまく拾えていない』と言って、KM184の角度を少し下げたときも、
言われるまでそんな事にきづきませんでした。
『音を聴く』ということができていなかったのと、『生の音』を知らないというのを、
すごく感じました。
ですが、マイクの音の聴き比べをさせてもらったときは、はっきりと違いが
わかって嬉しかったです。(87と414を聴き比べしました。)

ホールで、富さん鳥居さんが喋っている(話している)時に、
他の音だしをしている人たちの邪魔にならないように、
すごい小さい声で喋っていたのがとても印象的でした。

とにかく全体を通して、未熟さを痛感しました。
それはやっぱり何回も経験して慣れていくしか無いと思うので、
これからも色々なお手伝いをさせていただく事も有るともいますが、
その時はよろしくお願いいたします。


以下富のコメントです。
『慣れる』というのが、難しい表現だと思います。
『慣れ』=『怠惰』にならないよう、常に気を配るべきです。
どんな授業でも、どんな現場でも、どんなメディアからでも、
参考になる事は有ると思います。

2007年7月10日火曜日

2007.7.8 Utsunomiya Brass Society Live Recording 終了報告

2007.7.8 Utsunomiya Brass Society Live Recording 終了報告
















日時:7月8日(日)
場所:栃木県教育会館大ホール
内容:金管バンド演奏会の録音です。
スタッフ:鳥居香英

http://www5b.biglobe.ne.jp/%7Eubs/

移動は7月7日(土)前日移動し、音響室への搬入と、仮のパッチをおこなった。

マイクはAB方式、DPA(B&K)4006の幅が1000mm程度で行った。
ヘッドアンプはMilleniaHV3D−8です。
レコーダーはダイレクトミックスがM−boxMini
バックアップとして、D2424で行います。

床の回線は、クリカムとコモンの回線があったり、
ポケットに1回線しかなかったりとうまくいきませんでした。
クリカムに、間違ってコンデンサーマイクをさした所、
CALLランプがつきっぱなしになる現象が出た。

また、ステージ上のマイクについては、
上手のマルチ回線を使用する事が、コネクタの方向的にのぞましい。
3点つりは、人工衛星がオス受けですので、メスメスが必要。

中通路送りは、やはり、L字のメスコネクタが必須と感じました。
マイクのアサインは
Main DPA4006×2 特製Bar Width=800mm
Front Neumann KM184×2 ステージ下
Cond前 Neumann KM184×2 K&M Bar Width=300mm
Per L Drums Xylophone Neumann KM184
Per R Timpani GC Neumann KM184

MCはEQ必要で、VTR収録、ダイレクトミックスのみ収録した。

2007.7.7 Yokohama Classic Recording 終了報告

2007.7.7 Yokohama Classic Recording 終了報告











日時:7月7日(土)9時〜18時
場所:横浜市石川町某大学音楽学部ホール
内容:Classic Live Recording
   通常研究科で行っている、F女学院の録音を行った。
スタッフ:鳥居香英 山上耕平

内容は声楽専攻の方の発表会、
並びはステージ前から奥に向かって、
Solist
Vl Vl Vla Vc
Cembaro
でした。

室内楽等だと、舞台後方の反響板をうまく使いたい為か、
通常の位置より、舞台奥に演奏者全体を配置する事が多いようだ。
しかし、2点吊りの位置がかなり、手前になってしまい、
バランスが難しくなった。
響き成分が多く、直接音が少ないように見受けられた。
同行したスタッフは、覚えているでしょうが、
Solistマイクの位置について、要望が出た。

ここで、マイクのアサインを記しておく。
Main DPA4006×2
Solist Neumann KM185(SuperCardioid)
Strings Section Neumann KM184×2(Cardioid) With ST Bar
Cembaro Neumann U-47fet

今後の為に、もっと足下から狙えて、見栄えの良いスタンドを整備する予定。
ショップスのコレットまではいかなくても、
K&Mの丸スタンド等を1個購入の予定。

全てマイクは、会館の回線〜パッチを通って、
Millenia HV3-D8に入力、出力をHDR D2424と、STUDERに入力。
DirectMixはM-box Miniに入力。
M-box Miniは
最大入力レベルが+21dbu
最大出力レベルが+6dbu
と違うので、リターンの調整が出来ず、うまくPBできなかった。

D2424のリターンは、MG16に入力し、ミックス研修を行った。
これについては、DAT Walkmanに収録した。

2007.3.24 DANCE PERFORMANCE LIVE SR REPORT

2007.3.24 DANCE PERFORMANCE LIVE SR REPORT

2007.3月10日.23日.24日
『ダンスユニット アンドゥ』ダンスコンサートレポート

 今回、栃木市文化会館小ホールにてダンスコンサートスタッフとして、
事前の稽古とホールリハーサルに立ち会わせてもらいました。
 出演者のホール練習日には、オーディオインターフェースdigidsignの
Digi002とPro Toolsを使い、SEの選択やMEが出演者の演技に合う
ようその場で曲の長さや雰囲気の編集を行い、主催の方と打ち合わせを
行いました。
 現場ですぐに主催者側と編集作業にうつれることが、また後日編集後
のMEを聞いてもらうこともなく、主催者側の意図と違うため再度編集の
必要もなく、主催者とコミュニケーションを図りながら行えるため、時
間的ロスも減らすことができると感じました。
 本日はホールでの実際のME等を使用しての練習という事で、スピーカ
ーは設置せずに、会館のプロセスピーカーにつなぎ込んで行った。
会館の方の対応がとても良く、スムーズにリハができた。

ホールつきの音響さんとは、よくコミュニケーションをとり、ホール特性
や設備などを教えて戴く。
 ホールリハーサルの時にいた、舞台監督さんが、ホールリハの後、突然
変わってしまい前日の通し稽古、本番当日と新しい舞台監督さんとなりま
したが、新しい舞監さんはもともと主催者さんの関係者で演目についても
よく理解している方でしたが、それでも音響側・照明側へのきっかけのcue
出し、舞台袖での出演者へのきっかけなどとても大変そうにみえました。

 新しい舞監さんに変わってまず、音響側でのきっかけのタイミングにつ
いて、公演の始まりから終わりまで確認をおこないました。
 ホール練習日には搬入口をつかわずに、正面の通常入り口から搬入をし
ましたが、
搬入した機材は少なかったのですが、意外にも、路面が石畳だったり、
ホール入り口が二階であったりなど段差も多く大変でした。
 卓側の電源確保について今回のホール客席には電源がなくステージから
約30mもの引き回しとなりましたが、通常のコードであると電圧が落ちて
しまうのでテスターにて電圧を確認しました。
 電圧が途中落ちてしまい使用できない場合は、平行からC型に変換し、
また平行に変換する場合もある。

仕込み当日(本番前日)
 今回の演目はダンスコンサートであり、また40名でのボディパーカッシ
ョンなどもあり出演者がステージを動き回るため、ステージにSPを設置し
てしまい客席からステージを遮ってしまわないよう、ハウススピーカーを
ステージに置かず、左右の本来花道が有るようなあたりにおきました。
 また、TOPとSub-Lowとを別の場所に設置し、ステージのスペースを広く
取りました。

 音響のコンソールを客席に設置しましたが、本来ダンスや芝居等であれ
ば、音響室に黒子のように隠れてやるべきでは有るが、本番が1回切りで
あり、演出者からもこちら側音響側からもキッカケが多くあったので、よ
り確実に舞台を成功させるためにも、ハウスSPの音が聞きづらい音響室よ
りも客席でのオペレートとなりました。
(音響室では、ハウスの音がかぶらない分、インカムはよく使えるように
なり、連絡は容易になる)

 会館のクリカムの設備が陳腐であった。
音響から舞台監督には持ち込みのクリアカムを使用しました。
連絡設備が乏しい現場では、舞台監督は本番当日は舞台袖で待機している
ことが多く舞監からのcueでは音響側に直に走ってきてもらうことは困難
であると感じました。
 公演失敗の要因になってしまう。

 下手袖ににAMPを設置したためホール外の客席通路に仕込んだ出演者の
登場キッカケ用のスピーカーは、ケーブルが下手が20メートル、上手が
50メートル程ととなりましたが、上手側の音質、音量が比べて劣化して
いました。
 ワイヤレスのレシーバーのポジショニングを上手Sub-Lowの上に置き電
波を少しでも確実にひろえる場所に設置しました。

 搬入・搬出にはセリを使用して舞台上手袖にあげましたが、セリ稼動中
には動いてはならない!!また、セリの上と下で連絡を取り合いセリを稼
動していました。
 マルチケーブルについて、FK27←8chマルチは個別(単独)アースとなっ
ており、FK37←16chマルチ(アース共通)よりもノイズがのらず音質も劣
化しない利点がある。
(注意!!『富』ご指定結線のものだけです、通常カナレ製品は16chも8ch
も、アース共通です)

 作品中の演技者の出入りが多い演劇は、舞台袖のAMPの位置やケーブルの
引き回しなどに怪我や邪魔にならないようより、注意を払う。
 上・下のステージ袖以外に客席ドア4ヶ所からのMEでのキッカケ登場があ
りましたが、うち2箇所から本番当日キッカケをみる担当のおしだし(ドア
マン)がつきました。
 とても難しいキッカケでの登場は見て・聞いてのほかにも、専用モニタ
SP・インカム・おしだし(ドアマン)などの方法がありました。
 舞台最後に行うステージ上でのメンバー紹介では、ステージがみえない
袖からのカゲアナで行うのではなく、失敗する可能性が少ないワイアレス
などを1回きりの舞台なので、舞台がよく見える所で、読んでもらうように、
ワイヤレスを使用した。

 プロセニアムSPはやはり音の出所がステージと違い高い位置にあるため、
聞いている観客は違和感を感じてしまう。それは、後ろの客席ほど違和感を
感じてしまう。ハウスSPはこれを補うよう設置、フリをきめる。
 使用SE・MEはMDプレーヤーを2台用意し、使用順に2ロールに振り分け使用
しました。
このプレーヤーにはオート・ポーズ機能として曲終了後、次の曲の頭で止ま
ってくれる機能がありました。
 また、TIME表示の切り替えがついており、残り時間や経過時間の確認がで
きます。
またトラブル時ようにCDプレーヤー(SONY CDP-L3)に全SE・MEを入れて待機
させていました。

 リハーサルに参加している場合、音響として、自分がなにを今チェックし
なくてはいけないのかを考える。(モニタに返しているパートのバランス等)

今回、研修レポートにおいて提出が遅くなり大変失礼しました。他のスタッ
フとも共有しなくてはならないのに、迷惑をかけてしまい申し訳ありません
でした。

もし、機会がありましたら今後もよろしくお願いいたします。