2012年7月27日金曜日

2012.07.14 Junpei KATARIBAKO SR M-AQUA+ 41RP STAFF REPORT

2012.07.14 Junpei KATARIBAKO SR M-AQUA+ 41RP STAFF REPORT
音響の勉強を始めて3ヶ月、生まれて初めてのメインミキサーを務めさせて頂きました。
一生忘れられないであろう経験です。

・機材について
今回使用した機材は
マイク     SM58(Vo1/Vo2/cho)
卓             MX-1604A
リバーブ MU-R201
グライコ DEQ803・Roland2/3GEQ
パワーアンプ P3500
スピーカ A200(F.O.H)
MS101(Mon)

ここで、富から===========当日の図面とは若干違いますが参考まで



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当日使用する機材は6/24の政策学院大学でのSRお手伝いで初めて触れました。
そしてInput~卓までを7/1のリハーサル、7/2のDUCさんのリハでGEQ~A200までを使用させて頂きました。

このシンプルなアナログ卓を改めてじっくり触り、中身を理解する事。
卓のGAIN調整ができるINPUTが少なかった為、出演者の方には使用楽器の制限をしてしまった。
またAUXも2系統しかなかった為当日お持ち頂いたモニターをMS101のパラで使用して頂く事になってしまった。

やらせて頂きたい事と出来る事のバランス。

特に今回思わずはっとした事は、HA(Head Amp)とCH FADERの概念についてです。
今まで単純に音を大きくする小さくする、そんな思い込みがあったように感じます。
そもそもHAは前置増幅器。ラインレベルに満たないレベルのものを増幅する。レベルを合わせる。

プリアンプへの入力レベルをトリムで調整し操作しやすいレベルまで増幅。
フェーダーは抵抗。
*フェーダーは絞ったら音が出ない。HAは絞ってもレベルによっては音が出る!

また次に学んだ事は、全体の機材のレベル調整のやり方です。
私の勘違いしていた部分は音を出す以前にコンソールの出力レベルをある程度(今回はコンソールのピークメーターで平均的に+4dBをさす値)に決めて、パワーアンプのアッテネーターを上げて行くものだと思っていました。
しかし卓、パワーアンプと少しづつ操作をしていくのは大変。
まずはパワーアンプのアッテネーターを上げる、コンソールのマスターフェーダーを規定まで上げる、ヘッドアンプをレベルメーターを見ながら上げる、そしてCHフェーダーを上げていったときに初めて音が出るという流れを教えて頂きました。
音を出す出さない、上げる下げるを一つの手で操作出来る。

チューニング時フェーダーを規定まで上げる理由は単純に操作しやすいという事とロスが少ない・微調整の精度が高いなど。
またEQを使用する事によって全体の出力レベルが変わってしまうという事も身を以て感じました。

*前日セッティング時に音を出したときあまりにも小さかった。
MAINのOUTPUTレベルを+4と-60と切り変えるスイッチが付いていて、MICレベルになっていた。注意。

今回、当日使用する機材を用いてリハーサルに参加する事が出来てあらかじめデータをとれた事が凄く良かった。
そこで基準となるバランスを自分の耳にとどめておく事が出来き、ある程度のツマミの位置のデータも当日とても参考になった。

曲によって編成や曲想も変わる。すなわちミキシングも変わる。
私には経験がない分一つづつ丁寧に確認していく作業が重要でした。
また初めて自らプランニングし(使用機材などは決めて頂いてしまいましたが)、配置図・回線表・系統図を作るにあたって自分の理解が深まった。

ケーブルの方向性や長さまでも細かく決める事によって当日のイメージがしやすくなった。
前日セットから当日セットの移動の為に8ch先バラケーブルを使ったのだが、スムーズに移動が出来とても便利だった。
今回はステージ・卓位置が屋外という事もあって、もし雨が降ってきた場合などもすばやく移動が出来たと思う。
しかしわざわざ途中にケーブルを挟むという事はリスクも伴う。よく考える事。

当日まで一番不安だった事はチューニングについて。
SRの仕事をする上ですごく重要な部分だと思う。
当日は客席が室内、ステージが屋外という事で会場内に音がこもってしまう環境ではなかったので幾分やりやすかったのだが、メインスピーカーの客席奥の跳ね返りの音がが無限空間のため、客席で音を聞いた時に室内のコンサートとは違った抜け感を感じた。ある意味音圧感が少ないような。
チューニングは私の大きな課題になりました。自分の声で・使用楽器(声)で・CDなどの音源を用いて、また自分の耳を鍛えて練習します。

前日に機材のセッティング・回線チェック・ある程度のチューニングをさせて頂けたので、当日思っていたよりも落ち着いて会場入りする事が出来た。
個々のINPUTの理想の音の形・混ざった全体のバランス。音場との兼ね合い。
またお客様・演奏者の皆様が求める音、自分の良いと思う音。
色々な事を考えました。

しかし私にはどうしていいのか分からなかった。こうしたい!こうするべき!という思いはあるのに今の知識だけではそれに限りなく近づける事は難しかったです。
凄く悔しかった。
男性ボーカルと女性ボーカルの形の違い。ボーカルとコーラスのバランス。AGの奏法による音色・音圧の違い。バンドの中に入ったKEYの音色。リバーブの送り・返しのレベル調整。沢山の発見があった。

自分に余裕がなく演奏者の方とよくコミュニケーションがとれなかった事は反省点です。

2年生の方にサポートに入って頂いたのだが、順序をよく理解し冷静な判断をして頂いて大変助けられました。
リバーブの接続不良がおきた時もケーブルを変える・またそのケーブルに不備がないかのチェック、整備不良のフォローや出演者の方への配慮など落ち着いた迅速な対応に多くの事を学ばせて頂きました。
また卓を離れて客席に音を聞きに行く事ができたのもその場に居てくださったからです。

SRを担当するにあたって、客入れなどに使う音源を用意する事も必要不可欠。
コンサートの演目・内容・雰囲気などを考えて様々なパターンの曲を用意しておく。

演奏会が始まってからは千葉さんをはじめ出演者の方々やお客様は音楽を心から楽しんでらっしゃいました。お客様の中には涙を流しながら聞き入っている方々もいらっしゃった。皆様にとっていかに大切なコンサートだったのかという事をひしひしと感じる時間でした。

私もその時間を共有出来た事がとても嬉しかったし、幸せでした。

しかし今回のコンサートに携わった方々の気持ちを考えると、私のような勉強を始めて間もない人間に音響を担当させるという事は不安だったと思います。
私自身不安でいっぱいでした。逃げ出したくなるような緊張だった。
でもやってみなければ分からない事を沢山学ばせて頂きました。また自分の出来ない事・分からない事も分かった。

ある意味何も分かっていない事、分かっているつもりだった事、沢山あった。
大切なコンサートで音響という重大なポジションを任せてくださった喜びと、自分の勉強・経験不足に対する悔しさ、色々な気持ちが交錯しました。

それに凄く楽しい時間でした。複雑です。

ただ言える事は仕事を依頼された私はプロの仕事としてお返しできなかったという事。
しかし「ありがとう」と言って頂けた時にはに涙が出そうになりました。
これがこの仕事の醍醐味でしょうか。

こんな貴重な機会をくださった皆様には本当に感謝しています。
私にとってこのコンサートで感じた気持ち・音は一生忘れられないものになると思います。今回自分の課題が多く見つかったのでしっかり勉強に励みたい。

色々な思いが溢れてきた為うまくまとめられず申し訳ありません。
ただ楽しかったという事は確かです。この仕事に巡り会えて本当に良かった。
素直にもっと知りたいっと当初感じた気持ちを再確認出来ました。

今回はこんなチャンスを頂き本当にありがとうございました。

tomi:追記
Stage/Sound Staff/Assist 日下 南
Mixing Engineer 嶽下 あい

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