2008年4月8日火曜日

2008.2.23 High School New Song Recording STAFF REPORT 36RP-2

2008.2.23 High School New Song Recording STAFF REPORT 36RP-2

1.SETTING

広いホールの真ん中にピアノを置き、ピアノのふたを開けて、
その開けたふたの上の部分が見えるところにVoのマイクを立てました。
ピアノはSTEINWAYで、弦の長さが学校の9階にあるピアノより長いと感じました。

ピアノを狙ったマイクはDPA4006PAIRを使いました。無指向性なので
なるべく音がかぶらないようにカプセルのところを広げて設置しました。
4006の後2メートルのところでBSをT字の模様にして、毛布をかけまして、
跳ね返った音が入らないようにしました。

VoのマイクはC-414を使いましたが、window screenが使えなくて、
最初からHPFを入れました。
単一指向性なのでマイクの後からの音(ピアノがありました。)は
あまり気にしなかったのですが、今考えると、ピアノと414の中に吸音材を入れても
本当に音が変わらないのかを確認したらばよかったな~と思います。

FL,FR,RL,RRでIRTを使いました。
2.5メートルの高さでFL,FRはVoを狙って、RL,RRはピアノの残響を録ろうとしました。

ホールの隣の部屋で機材をセッティングしました。
414が2つ、4006がペアで、あとIRTが4chでしたので全部8chでした。
外部ワードクロックから信号を出して、
ミキサ、ヘッドアンプ、D002、Allesis multi track recorderにそれぞれ送って、
ヘッドアンプのファンタムを入れて録音の準備をしました。
モニタはヤマハのポータブル(?)スピーカとヘッドフォンでいきました。
録音はメインにマルチレコーダ、バックアップ用でプロツールズという事にしました。



2.録音

楽譜を見ながらレコーディングするのは初めての経験でした。
演奏や、歌を一緒に録っていたのですが、何回のテイクを録っても、
あるテイクのすべてが気に入るということは無く、
例えば、
今のテイクは2箇所の演奏の間違いがあったけど全体的に見るとこれよりましは無い。
でも、先のテイクには演奏の間違いは無かった。
という風にテイク丸ごとが全部気に入ったりはしませんでした。
やはり人間だから、失敗は当然あると思います。
録音する時間もあまり足りなかったし、私の勉強や満足度の為に
気に入るまで録っちゃいましょうとも言えないので、
そこからまたエンジニアの腕が必要であるのではないかと思いました。
お客さんが演奏や歌のプロかアマチュアーかは関係なく、
私がプロだから、どんな客でも満足させるべきだと思うようになって、
プロの立場を少しわかる気もしました。


3.疑問

プロになる前、たくさんの練習がしたいのですが、
ピアノを含めた楽器の音を録ろうとしても、学校以外には
なかなかその機会が無いですね。
練習ができなかったら、アシスタントの生活で身につけるしか
他に方法はなさそうなのですが、
アシスタントのとき、現場でメモを撮りながら、仕事できないし、
どうすれば、後悔なしのアシスタントの生活ができますか?

以下富のコメントです。=================
以前のレポートで、C君が書いていましたが、
『経験』でしかえられない、身につけられない事は沢山あります。
http://m-aquastaff.blogspot.com/2007/11/20071123-kamata-gospel-live-sr-staff_27.html
皆さんも、このレポートの冒頭を読み直してみて下さい。

もし、仕事としてお金をもらっている時には、メモをするなら隠れてメモする。
チーフミキサーが、ちょっとはなれている時に、メモ。
ミュージシャンが、休憩する時に、なにげなくメモ。
マイクを直す振りをしたり、『何かやりにくい所は無いですか?』などと、
聞くふりをして、マイクアレンジを、盗み見る。
デジカメで撮影することができなければ、頭で覚える。体で覚える。

1年の最初に、今までの自分と変わってくださいといったのは、こういった意味があります。
もちろん、生音や、録音、音響に触れる機会の限界はあります。

音の世界は幅広く、様々な芸術に通じる所もありますが、
一般的な社会常識も重要です。
いまなぜ、日銀総裁人事についてもめているのでしょうか?
詳しく説明できなくても良い、しかし、ちょっとでも興味を持ってほしい。
チベットの問題もしかり、地球温暖化もしかり。
他人に興味をもって、自分の中に閉じ困らずに、自信を持ってください。


では、私が会社にいる時に先輩から言われたことを教えます。
SRであれば、ステージとハウスのミキサー席を何往復したか?
録音であれば、ブースと、コントロールルームを何往復したか?
生の音と、収音された音をどれだけ聞き比べるために、足をつかったか?
聞き方を意識して変えなければ、呆然と聞くだけで、セッションは終わってしまう。
多くの音を意識して聞くことの大切さを常に心に留めよう。

先輩や友人・先生の真似をすること、真似から全てが生まれる。
自分だけで、何かを生み出せると思うな。
一人では何もできない。

『後悔しないためにどうすれば良いか?』
私は、後悔しても良いと思います。
あなたにとって、この仕事が
『好きか』『嫌いか』
『やるか』『やらないか』
やらない理由、できない理由を考えるより、多くの音に触れ、音を考えてください。
失敗したら、後悔したらやり直せばいい、より勉強すればいい。

どんな行動をしても、マイナスになること等、一つもないと私は思います。
最後に、回り道・近道には、必ず落とし穴があります。

また、参加をお待ちしています。
このコメントを読んだ人にも、人よりちょっとでも多く、経験をされた方が良いと思います。
皆さんの応募をお待ちしています。
tomi

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