2009.5.3-4 Brass Band Live Recording&SR STAFF REPORT 38RP
今回、宇都宮での研修に参加させて頂きました。
出演者としてではなく、スタッフ(研修生)としてこういったイベントに参加するのは初めてで、打ち合わせの段階からずっと緊張していました。
入学したばかりで殆んど何も解らない状態だったのですが、お客さんや出演者さんは私が初心者であることを知らずに動くので、「甘えていられないな」と思い、渡された資料や昨年のレポートを読んで本番に備えていました。
今回は楠田さんと共にステージ側に付いて、転換や曲の間に、必要なマイクをステージ上に出してセッティングをする、などといった内容の作業が主でした。
会場に着いてまず始めに、マイクスタンドへのマイクのセッティングと、結線の作業をしました。
学校の授業でよく見たり触ったりするマイクは比較的扱い易かったのですが、あまり触った事のないマイクは手に持つとき少し緊張しました。
ステージ中央にセットする奥パート用マイクは、とても値段が高いということで、マイクスタンドへの取付けはさせてもらえませんでしたが、マイクを手に持って、マイクスタンドの近くまでの数メートルを歩くだけでかなり緊張したことを覚えています。
結線の後はマイクチェックに移りました。
トランシーバーを使って音響室と連絡を取り合いながら、一本一本のマイクの前で声を出して、ケーブルがきちんと繋がっているかの確認をしていきます。
「パッチ盤に番号通り正しく繋いだから何の問題も無く、すぐに終わるんだろうな。」と思っていました。
しかし、2部で使うナレーション用のマイクのチェックで、正しく音が出ませんでした。
原因は音響室のパッチ盤の接続の間違い?でした。
その直後にサウンドチェックをしたエレキピアノも正しく音が出ませんでした。
楠田さんがホットタッチをしたら、DIの接触が悪い状態だった事が判明し、それには違うDIに交換するという方法で対処をしていました。
結線するときに正しく繋いだつもりでも、どこか失敗があったり、途中の機器の調子が悪かったりする事などですぐに音が出なくなるので、マイクチェックなどの確認作業は常にしっかりとしておかなければならないんだな、と思いました。
二部のリハーサル前、天板の電球が切れている、ということが発覚したので、照明さんたちが、平台を移動してから天板を降ろして、それからローラーが付いたハシゴのようなものを使って天板に近づいて、電球を交換していました。
凄くピリピリした雰囲気で、これには手を出してはいけないと思ったので、安全な位置からひたすら作業を見ていました。
天板を支えている鎖はとても大きくて太くて、もしこれが落ちてきたらとんでもない事故になってしまうだろうな、と思いました。
2部のリハーサル中、音響室を見に行った時に、客席の方へ出ている富さんの合図に合わせて奥パートマイクのフェーダを下ろすという作業を任されたのですが、音響室の中が明るく、窓に音響室の中の景色がハッキリ写ってしまっていて、合図の瞬間が見えずに失敗してしまいました。
見えないな、と思った瞬間に「見えづらいのですが、部屋の明かりの強さを変えてもよろしいでしょうか?」などと言っておけば、オロオロしなくても済んだのに、と悔しい思いをしました。
音響室の中が明るすぎると客席の様子が良く見えない、かといって暗すぎると(小さな明かりがあるとはいえ)手元や足元が良く見えなくて困ってしまう事が有るのではないかと思いました。
高校生がアンサンブルのMCに使うワイヤレスマイクを花道の床に直接置いてしまっていた為、マイクスタンド(置き皿)の用意をしたり、予備のワイヤレスマイクにビニールテープで印を付けたり等の作業をしました。
それから、1部でのトランペットソロが下手のカゲで演奏されるので、その音を2部のナレーションで使うマイクで拾うことになりました。
本番近くになってからでも変更になる箇所が多く、戸惑ってしまう事もありましたが、とにかくメモを取ることで覚え直して、乗り切ることが出来ました。
4日(ゲネプロ、本番)
2部ゲネプロ→3部ゲネプロ→1部ゲネプロ→本番、という流れで進んでいきました。
始めは3日の朝と同じように、ケースから出したマイクをマイクスタンドにセットして、確認をしながら結線をして、マイクチェックをする、という流れで進んでいきました。
ここで初めてマイクチェックをさせて頂きました。
マイクの前に立ったとき、「何か特別な言葉(フレーズ)を言わなければいけないのだろうか?」と思い、少し焦ったのですが、とりあえず「マイクの位置・番号」と「いかがでしょうか」を連呼していれば大丈夫、という事だったので、その通りにしました。
ゲネプロでの転換作業中、 ソロマイクのうちの一本をステージに運んでいるとき、「ケーブル同士が絡まないように」という事を意識しすぎていて、気付いたら、マイクの先端が幕に引っかかりそうになっていて、ヒヤリとしました。
もし壁や出演者や楽器にぶつかっていたら、大変な事になっていたと思います。
舞台の上は危険が多いので、目の前にある事だけに気を取られないようにして、自分の周りを歩いている人、自分の上下左右に有るもの、自分の持っているもの、そういったものに万遍なく気を遣いながら行動する事が大切なんだと思いました。
本番直前にはカゲアナのチェックを、カゲアナ担当の方を呼んでやりました。
楽器のサウンドチェックのように、担当の方の声を使ってチェックをしておかないと、本番で「少し違う?」となってしまうことが有るからかな、と思いました。
私の本番での仕事は、VibeとHrのマイクを出す、というものでした。
そして、アンコール2とアンコール3の間に「満員のお客さんが居る前でマイクを運ぶ」という作業をする事になっていたので凄く緊張していましたが、
転換の度に移動するエレキピアノの動きを、資料を見ながら頭の中で何度も確認して心を落ち着けていました。
そして本番。1部から2部への転換は、迅速に落ち着いて行うことが出来ました。
しかし、2部から3部への転換中、まだ完全に転換が終わっていない内に照明が付き、一気にステージ上が慌しくなりました。
その雰囲気にのまれて焦ってしまい、散らばったケーブルを綺麗にまとめられないまま、3部が始まってしまいました。
アンコールでのマイク出しは、落ち着いて出来たと思います。
撤収中は、忘れ物をしないように!機材をぶつけて壊さないように!と声を掛けられていたので、それを意識しながら作業をすることが出来ました。
今回の研修では、「解らない事が有ったらすぐに訊く」という事を意識して挑んだはずなのに、こうして終わってから思い出してみると、慌しい場面などで疑問点を見つけた時に、「場が落ち着いたら訊こう」とメモも取らずそのままにしてしまい、結局質問の内容を忘れてしまった箇所がいくつか有った事に気付きました。
それに、音響室へあまり行く事が出来ず、客席や袖側で聴く音と、音響室に入ってくる音との違いを感じて、勉強する事も今回殆んど出来ませんでした。
今回のような大きなホールでの研修はもう無いかもしれないのに、かなり惜しい事をしたな、と後悔しています。
忘れ物が多かったのも反省するべき点のひとつだと思いました。
搬入や搬出のときに使う皮手袋を忘れてきてしまい、しかも、先輩が貸して下さるまでその事に気付いていませんでした。
素手だと機材をしっかり持ちづらいし、ひょっとしたら怪我をしてしまうかも知れない、それに何より忘れ物は信頼を失くすのに、すっかり忘れて素手で重い機材を持ち運んでいました。
事前に「持ってきて」と言われたものは最低限忘れずに持って行かなければならない事を実感しました。
また、今回の会場の間口はとても広かったので、学校の授業ではあまり使われないような長さのケーブルを、転換の度に巻いていたおかげで、8の字巻きのスピードが研修に参加する前より倍くらい速くなっていたりなど、今まで出来なかった事が出来るようになっていたり、3点吊りマイクのような、何度も上げ下ろしが出来ないマイクのセッティングを近くで見るという経験する事も出来て、本当に為になったと思っています。
それと、作業中に楠田さんから、「ガムテープに切れ込みを入れておいて、コンセントを上下から挟み込むように貼ると取れにくくなる」という事などの、実習などですぐに使える知識を教えて頂きました。楠田さんには本当にお世話になりっぱなしでした。 本当にありがとうございました。
あっという間の2日間でした。
この研修に参加して学んだ事は本当に大きいと思います。
本当にありがとうございました。
来年も機会があれば是非参加したいです。
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