2014.02.06 Monma Rui NishiTokyo Hall Rehersal Test Recording Project終了報告
3月に行われる、Singer門馬瑠衣さんのRecording Project、なんと会場を使用してのリハが可能だったので、Test Recordingも兼ねて行ってきました。
楽器はBassとGtr Amp以外は全て生、Voのみを簡易PA set Roland BA-330で行った。
今回システムの構築でリハ時間のお邪魔にならないよう、マイクは4本と決めていたのが、とても良い結果を得られた。
『マイクの本数は少ない方がやっぱり解決が早い』
そして、演奏者の皆さんのご協力で、幾つかの配置の実験なども行い、とてもとても良いリハーサルとなった。
事前の配置案はこんな感じ。
当日A案から始まり、いろいろ試した結果、こうなった。
Voは、冒頭の図面のとおりパラって、簡易SPで拡声。
これが良かった点は、どうしてもSide Sp的に立てると、あちらこちらからMicの音が出る。
『本来音は一点から放射されるべき』
小さく、範囲を限定すれば、PAしていても音はうまくControl出来る。
そういえば、最近の流行りは、Control RoomでSPから音を出しながらVoを録音したりしてるらしい。当日もVoのSP拡声は検討しておこう。
そして、肝心のVoマイクについて。
いつも使用しているMicを持って来ていただいたところ ゼンハイザーのe965、好きなマイクでした。
門馬さんの『ご自身の聞きどころ』を、こちらで持参した、Neumann KMS104 Plusと聞き比べ、リハーサルはほとんどe965で行った。
Hand使用で全く問題なく、そもそもいつもStudio RecでつけてるPop Guardに『?』が浮かんでしまう。もちろん、使うときもあるし、Vo用に設計されたコンデンサーマイクなので、吹かれも少ないのだが、特徴は5-7kと近接のLoにありました。
そしてそして、VoのみHead Phoneモニターをチェックしてもらった。
これが、すごい結果に。
はっきりいって、別の音楽になってしまうくらいだと言っても大げさではないと思う。
もちろん、Live Soundでは、よくチューニングされ、親密なMonitor Orderに基づいて、演奏するわけだが、Micまでの距離、Spから耳までの距離、要は自身が演奏する時に、自分の音をどのような環境で聞くかがいかに大切か痛感した。
そして、当たり前のようにHead Phoneを強要しなければならない今のRecording手法を、今一度見直し、どちらのTechnichもその時々で使っていこうと思う。
・SP拡声=リラックス・自然・ただし、空間を通ってくるので、各演奏者に届くまでに、いろいろな時間差距離差がある。Monitor Spを使っていても同じ。
・HPモニター=とにかく早い・前傾姿勢・特にOn MicになってるPf Bassとの絡み合い感がしっくりくる。
Mic Select Monitor環境
Bassはこんな発見があった。
Mark Tさんのライブレコーディングくらいから、Live Recであっても楽器にCondencer Micを立てるようにしている。
楽器の立ち位置を図で書いてみる。
あと、リハーサル中KM184→Beta57に切り替えてみたのだが、こういった状況だと、かぶりが醜かった。なんだか、騒がしい音になってしまうのだ。
そして、もう一個こちら。『床の影響ってだいじ』
これは修正後のマイクポジションだが、いつもどおり、指もとを30度くらいで少し上からねらっていたのだが、コマ上あたりに10cmほど動かしただけで、ものすごくかぶりと音の締まりが変わる。
あーー、たしかに。
レコスタで、絨毯だったりすると、すっきりはするが、なんか物足りない。
この画像だと床までの距離がわかると思います。
いや、『指向性が楽器にほぼ真正面だから、関係無いのでは?』と思うけれど、そんなことなくて、響いている感じはやっぱり変わるのだ。
そして、後方のBass Ampからの豊かさも何かあるのかもしれない。
Pianoはこんな発見があった。
『1本でとる』こと。
いつもPianoの収音方法を説明する時、左手が低域で、右手が高域で、なんて教えていることが、『ほんとにいいの????』って思ったくらいに強烈だった。
今回の楽器の中ではBassとPianoのDrからのかぶりが一番の問題。
そして、『かぶり』の出口の原因を多くしてるのは、『多数のマイク』『多数のMonitor からのPA』
最近のセッティングはOnにHi-Loで2本、Offで1本(1本てとこがミソ)だったのだが、明日から逆にしてみようかと思ったくらい強烈だった。
そして、この上記画像が最終セッティングなのだが、こうすると、ピアニスト向かって左側でリズムセクションの音、右側で自分のPianoの音って聞き分けられていいね。
この画像でもわかるけれども、ステージ奥が幕に近くてデッドな傾向なのです。
『自分の背後がデッドなだけで落ち着く』
Pianoのマイクというのは、どうしてもかぶりを気にすると、近くなってしまう。
要は、音量の小さな楽器は、マイキングが近くなる分そのダイナミクスが失われるということ。近すぎるのだ。
本来のダイナミクスより、かぶりが優先されるし、ピアニストの生耳に届く前の『近い音』を拾わざるを得なくなる。
これも問題。
Drumsには、他のGt Saxと共用の部分があり、Onで立てることはなかったが、これまた発見が。
ステージの床はしっかりしていて、KickのLowとかTomのLowがしっかり響いている。
反面、金物は直接音が多く、かぶりが大きい。
ここでも思うのだが、録音でもPAでも『Drums類のマイクは近すぎないか?』
確かに、On-Micで近接効果を利用して使うことは良いことだが、早いのだ。
太鼓に耳をつけて聞いている人などいないのだ。
ホールでのJazz Recordingの普及のため(Studioもいいけれど)まとめてみると。
・減衰が自然
・都内のどのスタジオよりも、容積が広い。・床がしっかりしている。
そして、実は今回チャレンジしたことがもう一つ。
思えば、入局以来12年間48khz16bitで慣れ親しんだがために、なかなか24bitにすることをためらっていました。
2003年くらいまで、録音物は全て48khz16bitでした、DATやら、テープ式のADAT、HDRの関係で、ずっと48/16でやっていたのだが。
ある日ふと48/24にしたところ、ものすごい強烈に音の深さを感じた。
そう、『自分で納得したこと』しかできないのだ。
多チャンネルもハイレゾも否定はしませんが、自身の選択肢としてはどうかと?
今回チャレンジしたのは、48khz/32bit 浮動小数点ってやつ。
これは劇的によかった。ただ、すぐには変えない。
なぜかというと、サンプルレートとビット数って、いわば自分の耳のフィルターというか、その決まったフィルターでいつも音質の判断をしているはず。
すぐには変えられないし、変えない。
もちろん、mp3に落とした時でも、その最初のA/D サンプルレートとビット数がどれだけ大事か?
録音は3月、すごいCDになりますよ。
乞うご期待!
長文ご拝読ありがとうございました。
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