2008.11.22 Nagauta Kouta Happyoukai SR STAFF REPORT 37RP
11月22日 川崎邦楽SR
邦楽のSRということで、とても貴重な体験をさせて頂きました。また、今回は外注スタッフの方も一緒の現場であったため、その動き方や考え方等とても勉強になりました。
(搬入~セッティング)
富さんが卓周りの設置とパッチングを行っている間に2人でステージ側のセッティングをした。舞台下にスピーカーとモニタースピーカーを設置。マルチケーブルとケーブルをひく。花道の下に5本つくった松が並んでいたため、触れないように注意する。丸座のマイクスタンドを舞台下で組み立てる。その後、足袋に履き替えて舞台に上がる事になったが、もう一人のスタッフの方に、舞台にしろ階段にしろ非常に高価な木で造られていたり、もう替わりの木がなかったりするから物を直に置いたりぶつけたり絶対にしないようにとアドバイスを受ける。しかし、油断するとすぐにケーブル等下に置きたくなってしまう。特に舞台前方ぎりぎりの部分は絶対にものを置いてはいけない。舞台上に座布団が置かれて、丸座のマイクを紺布の上に置き、舞台上手のマルチboxからケーブルをひいた。丸座のマイクを扱ったのが初めてであったので、ケーブルをどのように処理したらいいのか迷ったが、Yさんが丸座にそってきれいにはわせていたのを見て、やはり邦楽なので他の現場以上にマイクやケーブルはかなり舞台上異質な物に見えてしまうから、その処理等もなるべく世界観を邪魔しないように気をつけないといけないのだと思った。
(マイクチェック&チューニング、他)
スピーカーのチェックが終わり、富さんが、WLマイクを使用して舞台上、客席を歩き回ってデットポイント無いか確認していた。どの場所でもきちんと送受信されていた。その後、サウンドチェックが行われた。富さん自らWLマイクを師匠の方に付けて演奏してもらう。スピーカーから出た音を聴いて、客席で聴いていた社中の方々が、「音が硬い」とおっしゃっていた。ピシピシとした音のように感じた。富さんがチューニングしていくと音がどんどん変わっていったが、あまり三味線の生音を聞いた事がない私は、途中、どんな音がする楽器だったっけ?と分からなくなってしまった。普段から意識して色々な楽器に触れる事は大切だと思った。
(本番)
一人一人、少しだけでもリハーサルを行うのかと思っていたが、位置を確認しただけで本番になった。舞台裏で出演者にWLマイクを順番に付けては外すという事を2人で行った。Yさんがやっているのをみて、つけてみたが意外に大変だった。かなり着物の生地と着方に左右されてしまう。柔らかい生地の襟元だとマイクが下に向きそうになってしまう。生地が硬くても少し余裕を持たせて着ていたりするとやはり安定しない。送信機を挟む帯なども厚さがかなり違うので帯に付けたり帯ひもに付けたり・・・何よりとても高価な物なので傷つけないようにだけは注意した。
最後の方に舞台転換があり、5本のマイクをセンターの1本を残して撤収するという指示が出ていた。合奏が終わってからというタイミングも分かっていたはずだったのだが、「次、下手2本お願いします。」と言われた時に特に不思議に思わず、本来撤収するタイミングの一つ前で撤収してしまった。マイクのケーブルを外した時に、フェーダーが上がったままになっている事に気づいて、おかしいと思い一瞬手を止めたが、既に5、6番マイクの撤収が終わっていて、急がないとと思いそのまま続けた。その時点でも、まだ間違いに気づかずその後出演者が舞台に入っていくのを見た時点で初めてミスに気づいた。かなりのケアレスミスだ。特に舞台転換がたくさんあった訳でも、焦っていた訳でもない、タイミングも分かっていた、でも間違う。そういう時は必ず「あれ?」と思う瞬間があって、その時にもう一度自分がやろうとしている事が正しいのかどうか考えなくてはいけない、その瞬間を逃すと事故につながってしまう。今、考えるとなぜ間違えたのか不思議だが、プログラムへの書き込みの仕方等も良くなかったと思う、そして常に自分がこれからやろうとしている事が正しいのかどうかを考えて動かないといけないと思った。それはどんな仕事でも学校でも同じ。RECをしていた事も考えると絶対にやってはいけないミスだったと思います。
そして、最後、師匠の方が演奏している時に既にYさんは丸座のマイクを外して撤収の準備を始めていた。本番中でも手があいていて、問題ないものならどんどん片付けていくことで少しでも撤収にかかる時間を減らす事ができる。常に先の事を考えて動くという事ををたくさん学べた。
師匠の方の演奏が終わり、WLマイクをすぐに外した。研修後に富さんに、アンコールがある場合もある事を言われて、ピンマイクを使用している時はそのような事も考慮に入れて、何でもすぐに外せば良い訳ではなく状況をみながら行わないといけないと思った。
長くまとまりの無い文章になりましたが、能楽堂という環境、三味線という楽器、どれもがとても繊細で奥深い物である事が分かり、大変貴重な体験をする事ができました。今回の発見や教訓を次回に生かせるようにしていきたいと思います。
ありがとうございました。また、よろしくお願いします。
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