2007.12.3 Classic Hall SR終了報告
12月3日に、山手元町の山の上で行われた、
大学の音楽学部クリスマスコンサートの終了報告です。
33RPの卒業生が、SRを担当、私は録音に専念しました。
まず、33RPの卒業生SRエンジニアの方からのお手紙です。
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まだ二年目の僕が気になったことをいくつか…
・リハーサルの時、もう少しステージを気にしてほしかった。
途中で参加したのでシステムうんぬん確認したいことがあるとは思いますが、
やはりステージ上の進行が一番大事なのではないかと思います。
・MC用のマイクについて。今回は基本ハンドで使って、使わないときは下手
(あるいは上手)にスタンド置きでした。
その際スムーズにマイクを出演者が取ってステージまで持っていけるように、
ケーブルのたまり、マイクホルダーの向きなどなどを学生自身気付いていなかった。
すごい細かいことですが、こういった事に気にかけておくと、出演者はもちろん、
ステージマン自身がスムーズにケーブルを介錯できるような気がします。
・いろんな人と積極的にコミュニケーションを取ってほしい。
システムや何故って思ったことを富さんや僕にもっと聞いてきてもいいじゃないかなと。
授業では習わないことや、学校ではNGのことも現場ではOKなことあるはず。
なぜいいのかとか些細なことでも聞ける勇気を今から持ってほしいです。
俺はもっと話をしたかったってのが正直なとこです。それが音響にかかわらないことでも。
まだまだ実習もやってない一年生には細か過ぎますかね…
PAも録音でもいろんなもの(現場)に興味を持ってほしいです!
富さんはどう感じましたか?
あと、PAをやるにおいてアタマってどう決めてますか?
僕の場合フェダーを規定にしてトータルバランスを聞いて決めてます。
そうすれば、フェダーがほぼ規定にそろってミックスがしやすいと思うからなんですが…、
富さんはどうですかね?
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以下富の返信です。
(富)メールありがとうございます、今回頼んで本当に良かったと思っています。。
> ・リハーサルの時、もう少しステージを気にしてほしかった。
(富)もちろん、音響スタッフに信頼される事と同じ位、スタッフや、出演者からの信頼を得る
チャンスはどこにでもある。今回だって、Tosさんにスカウトされるチャンスだったかも??。
> ・MC用のマイクはスムーズにマイクを出演者が取ってステージまで持っていけるようにケーブルのたまり、マイクホルダーの向きなどをセッティングしておく。
(富)想像、イメージが大事です、この後どうなる可能性があるか???
> ・いろんな人と積極的にコミュニケーションを取ってほしい。
些細なことでも聞ける勇気を今から持ってほしいです。
(富)みすみす聞けるチャンスの逃している事に気づいた方が、良い。
何かきっかけがあればそれでよし。
『へー、君こんな質問するんだ!見所あるね!』みたいなね。
> まだまだ実習もやってない一年生には細か過ぎますかね…
(富)ぜんぜん、細かくないです。
みんなで、フロア周りを分担したのが良くなかったね。
前半後半でわけて、ミックス室に来る事も出来たし、
みんなで手伝いに行くと、誰かをたよる。
頼っていてはいつまでたっても、ステップアップしない。
> 富さんはどう感じましたか?
(富)点数無しです。
> あと、PAをやるにおいてアタマってどう決めてますか?
> 僕の場合フェダーを規定にしてトータルバランスを聞いて決めてます。
そうすれば、フェダーがほぼ規定にそろってミックスがしやすいと思うからなんですが…
富さんはどうですかね?
(富)これ重要ですね。
どうしても人間はフェーダーの規定よりも下で使おうとします。
(大きい音が出過ぎてはいけないという心理)録音でもSRでもこう考えます。
頭(ヘッドアンプのゲイン)は、非常に難しいです。
インプットが増えれば増える程、規定より下で使う楽器が増えますが、同時にどれだけ
そのマイクに、音が入力されるか、収音されているか、にもよりますね。
ドタバタものであればある程、1本の58のトークがやっぱり基本で、規定にしてオモテの
音量が得られるようにします。デジタクならピークメーターで、-15から-20かな。
Vuなら、-7位ふれるようにします。
フェーダー規定であれば、ドタバタもので、プリ→ポストの切り替えがらくだから、
なるべくそうしてます。
歪みやすい楽器は、規定の0dBより、フェーダーを上で使う。
S/Nの悪くなりそうな、小音量の楽器は、規定の0dBより、フェーダーを下で使います。
今日だと、ピアノとバイオリンは、だんだんフェーダーが上がって、頭1時間位しぼりました。
(音量が上がると、卓の内部の頭で歪む可能性があるからです)
ヴォーカルとギターはノイズの問題はおいとけば、フェーダーは規定より下です。
また、川口のゴスペルの様なものは、全部のクワイヤマイクを規定で使うと、頭がかなり小さく
なって、S/Nやダイナミクスが損なわれます。
同じ楽器にマイクが5本以上のときは注意です。
そんなときは、フェーダーを-5から-15位で使うときもあります。
-20以下は使わないです。
あとは、DM1000のときは、あえて、Group to Stereoで送って、Groupフェーダーで-5から-10
下げる場合もあります。
今日リハで見てたら、Houseのマスター-10で使っていたでしょ。
私もデジタル卓なら、マスターは、-10~-5で使います。
まあ、普通のアナログ卓って、SSLとかでない限り、突き上げが規定って卓ってほとんど無いから、
そこでヘッドルームもかせいで、システムのトータルレベルダイヤを揃えているって感じかな。
ちなみに、今日のアンプは最終的に、HouseのATTは-10dBでした。
いつも、-10~-6くらいです。
放送屋さん出身は、トークと歌で、±15dBくらい軽くフォローしなければ、聞こえないとき
があります。
やっぱり放送が一番ダイナミックレンジを狭く作るので、しょうがない面もあります。
SRでは、±15dBもフォローしなくても、±7~8dBのフォローで足りる事もありますよね。
このあたりも、chのフェーダーの位置って難しい。
あと、モニターに重要でない楽器は、(おかず程度の楽器)は、規定でない事が多いです。
ただし、-20以下にならないようには気をつけています。
逆に聞きたいんだけど、アンプって絞るの好きですか??。
アンプについているアッテネーターって、なるべく絞らない方向で使うようにしています。
あのヤマハのアンプ、-10dB以下で、卓アウトから『ぼんっ!』と突っ込むと、良く歪みます。
アッテネーターで絞るよりも、GEQでしぼるよりも、卓のマスターで-5dB程度なら
しぼります。
また、こんな情報交換をもっと出来ればと思っております。
ありがとうございました。
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