2007年5月31日木曜日

2007.6.3 Surround Live Recording 終了報告工事中



日時:6月3日(日)
場所:東京 赤坂 GRAFFITI 
内容:伊藤銀次様「Baby Blue 2007」のDVDのSurround Live Recording
参加:2名+トランポ
スケジュール:
12:00 現地集合
13:00 搬入
18:00 スタート
22:00 現地解散(予定)
*****これは、M-AQUA + mikimix Projectでした。*****

2007年5月29日火曜日

2007.5.4-5 BRASS BAND LIVERECORDING&SR STAFF REPORT 35SA

2007.5.4-5 BRASS BAND LIVERECORDING&SR STAFF REPORT 35SA

今回初めて、M-AQUAのお仕事に参加させて
いただきました。
打ち合わせの段階で、自分はステージ側について、
お手伝いをさせていただくということになっていました。
ですが、いざ会場に行って自分が動くことが出来るのか、
という不安な気持ちでいっぱいでした。

3日の夜打ち合わせが終わった後、4日の仕込みの時に
使うことになるバミリを作り、それぞれの曲でどの楽器が
どの位置に動くかなどを確認しました。

話は前後しますが、4日の仕込みが終わった後に、前もって
そういった準備をしておくことの大切さを感じました。
実際リハーサルをすれば、楽器の場所など変わるかもしれませ
ん。
それでも、大体の位置などを理解しておかないと、
上手・下手に機材を振り分けたり、そういった動きが
できなかったと思います。


4日:前日仕込み、リハーサル
機材搬入が、一番最初の仕事でした。何をどうやってトラック
から出せばいいのかわからなく、動きが遅かったため途中で富
さんと交代しました。
後から考えれば、あんなゆっくりやってたらリハーサルの時間
に間に合わなくなってしまいます。別の会場・別の仕事だった
らと考えると、他に搬入するものがあるトラックが退くのを待
っているかも知れません・・・。

そういったことを考えると、いかに速やかに搬入を済ませるこ
とができるかそこも考えなければいけないのだと思いました。

搬入が終わったら、卓側・ステージ側に機材を振り分け、ステ
ージ側はMICスタンドを立て、MICを取付け、すぐに結線
をしました。
照明さんの邪魔にならないようにMICをまとめ
、結線が終わったら回線チェックをしていきました。

ステージ側にいたのが、1年生と若山さんだったので、
MICチェックをやらせていただきました。
学校の実習とは違う雰囲気で、音響室さんからのOKを待つのが
とても緊張しました。
WWや3点吊MICのように、L/RがあるMICでは、セン
ターでチェックをするということを覚えました。

北高校の生徒さんたちが入って、リハーサル。
自分はステージ側で、Horn,ハープ,W.Bassなどのマイキング
を見たりしました。

次の日にも言える反省点なのですが、照明さんの動きや、照明
のフィルターでどんな色を使っていてこの色が出せるんだろう
など、自分の興味のある方ある方へ行き過ぎてしまって、音響
室の方へ行って音を聴くと言う事を全体を通して出来なかった
と思います。
折角音を聴き比べたり出来るチャンスだったのに
、と思うと悔しいです。ですが、照明さんのお仕事をしている
姿を見れた事は、自分にとって良い情報を得られる所だったの
で、そっちに気をとられていた事に後悔はしていません。

リハーサルは本番通りの流れというわけではありません。
1部~4部の流れをいくら頭に入れていても、前後する部分に
頭を切り替えるのがとても大変でした。


5日:ゲネプロ・本番
朝会館間に行く途中、富さんに
「今日行ったら一番最所に何をする?」と質問がありました。
「スタンドを立てて、MICをセットして・・・」
しどろもどろな答えをしてしまって、そういったことを
考えてから行動を起こすようにするのが、
大切なんだと思いました。

MICのセット、結線が終わったら回線チェック。
この日は三点吊MICのチェックをさせていただきました。
前日に若山さんがやっていたことを思い出して、
やってみたのですがちゃんとできていた様で安心しました。

本番、自分は下手に待機。デミトスを持たせて頂いて、
Naの方や、司会の方が出るタイミングを知らせるといった事を
をしました。
そこで、「しゃべることは、必要最低限のことを明確に伝える」
ということを学び、何が必要な情報かを見極め、
タイミングよく上手く伝えるということが、
どれだけ大変かと感じました。

それぞれの場面転換、MICをはける・マイキングは、
ハープ以外は自分なりに上手くいったと思います。
本番、ステージ上でハープのマイキングを直していただいたので、
まだハープに対して良い位置が自分の中で掴めていなかったな、
と痛感しました。
楽器に対して良い位置でマイキングができるようになりたいな、
と思いまいした。

本番終了後、すぐに撤収。
このとき自分は、ワイヤレスMICを回収することに気をとられていて、
バトンが動いているのにステージ上をうろちょろしてしまいました。

ステージの中心あたりで気がつきましたが、
周囲に目が向けられないんだなと反省しました。

全体を通して、学んだこと・反省したこと・たくさん思う所が
ありました。

反省点など、是非今後にいかしていきたいと思います。
貴重な体験をさせて頂いてありがとうございました。
また機会がありましたら、よろしくお願いします。


======以下富のコメントです。
バミリは、多くなればなるほど、その場で書けないので、
用意しておく事をお進めします。
ワイヤレスのテプラ等も、現場で作ってる暇が無いので、
予備も含めて作っておきます。

トラックだけに限らず、初めて出会う機材は、
誰でも、迷う物です。
『迷ったら聞く事』これが大事です。
トラックから機材を降ろす先頭に立ったら、
『これは何でしょう』(O)
『アンプです、では下手へ』(富)
『これは何でしょう』(O)
『マイクです、では中央へ』(富)
これが理想です。
ただし、スピーカーや、マルチ、マルチボックス等、
どんな音響さんが見てもわかる物は、
『このマルチはどちらへ?』(O)
『じゃこれは、下手へ』(富)
『この3Uはどちらへ?』(O)
『これはHAなので、音響室行き』(富)
等と、どんなジャンルの音響さんであれ、
そのくらいはわかっていないと話にならないです。

照明等他のセクションに興味を持つ事は良い事です。
余裕があって、仲良しな業者さんであれば、
いろいろな事を、教えてくれたりします。

しかし、そこまでの信頼関係を築くには、
照明さんが困っている時、音響が困っている時、
それぞれの立場を考え、尊重すべきだと思います。

なにより、照明も、舞台も、音響も、そのステージを演出を
手助けする一手段でしかないのです。

『演奏はどうでしたか・・・?』
そのあたりにも、バランスよく見渡す事が重要だと思います。

楽器のマイキングは、一朝一夕ではいきません。
その、エンジニアによって、考え方も何通りもあります。
ただ、楽器の基本的な機構については、知っておく必要があります。

最近思うのですが、ミキシングのいくら細かい点やテクニック、
イコライジング、編集を見せても&教えても、
学ぶ人自身が自分で、納得してそのテクニックややり方を、
踏襲しなければ意味が無いと思います。

踏襲という言葉を違う言葉で表現すると、
自分で先輩のやり方を、ただ真似するだけでは、
うまく行かない方が多いと思います。

ジョージが言っていました。
『つまみをまわして音を聞きながら、調節するんだよ』
『良くなるまでまわすんだよ』・・・と。

そう、自分の耳で聞いて、直して、聞いて、直して、
何度も積み重ねて、自分のマイキングができていきます。

最初は真似でも良いと思います。
ただし、それを自分なりに、長い時間をかけて判断して、
より良い物を目指していかなければならない。

だから、マイキングやミキシングの、ごく基本的な
お手本はあっても、その先はそれぞれ、エンジニアによって
違うという事です。

音や映像、照明、どの世界でも同じだと思います。
最初は真似して下さい。
そして自分の耳と目、感覚で判断することをおすすめします。
『ジョージ』がいっていましたから。

2007年5月28日月曜日

2007.5.19 GOSPEL WORKSHOP SR STAFF REPORT 35RP-1

2007.5.19 GOSPEL WORKSHOP SR STAFF REPORT 35RP-1

・ライブハウスやホールの等、実際にコンサートが行われるような場所で、
 覗き見やチラ見をして少しでもして、どんな機材が使用されているかを、
 把握しようと試みる。
 機材を知ってるか知らないかでチャンスが巡ってくることもある。

・結線済みのマルチボックスを移動させる時は、ボックスとケーブルの
 両方を持って移動する。
 いい加減マルチケーブル、マルチボックスの扱いを身につけなくては
 いけないと思いました。

・テーブルタップから電源を取る際には必ず極性チェックを行い、
 極性を合わせる。
 『W』表記してある物は当然ながら合わせ、表記の無い物は極性を測る。

・電源準備、最低限の回線チェックの際のケーブルの這わせ方。
 ミュージシャンの立ち位置が決まっていない場合の電源の引き回し方や、
 立ち位置が決まるまでのモニターの待機場所に注意し、
 予想してケーブルを選択する。

・今回、ハウスとモニターの一つを会館のものを借用しました。
 その中で、モニターのアンプのアッテネーターやコネクター、
 ハウスがモノラルであること、
 会館のスタッフさんとのコミュニケーションに気をつけなくてはならない。

・本番中に増えた回線として、
 プロジェクターに映すDVDの音声をハウスから出すための回線、
 さらにドラマーの方の持ち込み機材であるPADの回線でした。
 ステージ上のマルチボックスが全回線埋まっていたため、
 直接コンソールに結線することになり、
 その際に搬入した全ケーブルの中でどの長さのケーブルを使うかで、
 少し戸惑ってしまいました。
 長さをある程度は目測できる能力が必要であると感じました。

・Vo さんが MC をしている時と、実際に歌っている時のレベルの違いを
 自分で判断し、細かいフェーダー操作を行う。
 また曲の中で「ウー」というような発声の時には、
 ハウリングしているかのように聴こえることがあるので、
 そういった場合にも自分で判断し、フェーダーを操作する。

・本番中、ステージ袖に待機する時には、チーフの目となり、
 今何が行われているかをしっかりと把握する。
 『スペシャル・ゲストが客席後方から飛び入りで参加する』
 という演出があり、ゲストが客席後方から入ってきた際に、
 今現在、ホール内の何処にいるかを、正確に伝えなくてはならないと
 思いました。

 本番中にステージに出てケーブルを介錯するようなことがある場合にも、
 十分状況を把握し迅速な行動を心がける。

・ワイヤレス受信周波数の合わせ方。
 今回使用しましたワイヤレスはPGX4はB型で、
 4チャンネルのうちの任意の1チャンネルを選択し、
 受信機側に周波数自動検索機能を搭載しているので、
 合わせる際には一度受信機側にハンドマイクを、
 近づけなくてはならないという仕様でした。
 スペシャル・ゲストが客席後方から入場するということもあり、
 4カ所ある入り口付近の電波を入念にチェックし、
 本番を迎えることになりました。
 ワイヤレスの危険性や注意点を再確認することができたと思います。

 今回撤収時間が30分という事もあり、少ない回線でのコンサートでした。
 その中で、キーボードのD.Iのようなステレオの回線に、
 ペアケーブルを使用するといった、些細な工夫が、
 撤収をより迅速に行えたことに、つながっていると気づきました。

 機材撤収の際にも、ミキシングコンソールのような精密機器は、
 地面がガタついているような所では、
 キャスターを使わずに手で持ちあげて、
 搬入出しなくてはならないと再確認しました。

 前回参加したこともあり、前回以上に動く事ができた所もありましたし、
 まだまだ反省・修正すべき点もあると気づきました。
 また機会があればよろしくお願いします。

2007年5月21日月曜日

2007.5.4-5 BRASS BAND LIVERECORDING&SR STAFF REPORT 36RP-2

2007.5.4-5 BRASS BAND LIVERECORDING&SR STAFF REPORT 36RP-2

宇都宮北高校の定期演奏会のレポートです。

入学して間もなく、何も知識のない状態で応募、参加させていただきました。
資料を見ても何がわからないのかよりも、
何がわかっているのかというレベルでした。
不安で不安でしょうがなくて、結果やっぱり失敗ばかりしてしまいましたが、
参加して本当に良かったと思います。

「とりあえず8字巻きは出来るようにしろ」と言われ、
家のコードなどを巻いたりして、とりあえず巻けるようになったつもりでした。

実際リハ・本番とケーブルを巻いたり解いたりしてみて、
自分はケーブルが巻けていないと思いました。

輪の大きさもメチャクチャで、始めと終わりが自分でわからなくなって絡まって、
余計に時間がかかってしまったりと悪循環でした。

もっと絡まることも考えてもっと練習してくれば良かったと反省です。


リハ前日の夜に先輩達に色々教えていただいて、
マイクの種類やマイクスタンドの画像を見せてもらいました。
が、いざ会場に行ったらいっぱいいっぱいになってしまい、
マイクの型番を言われても反応できなくて悔しい思いをしました。

もっと自分に余裕をもって動けたら反応できたのかな、と思います。

メインマイクの三点吊りはすごく高い位置にセットしました。
こんなに高い位置でちゃんと音は収音できるのかと思いましたが、
今回は照明もあったのでやむを得ないのかなと思いました。

マイクの位置は勘や経験で決めると知りました。

一度決めた位置を動かせないのは、その場所で調整をしてしまっているから、
動かしたらまた変わってしまうため、また安全上の問題と教えてもらいました。

マイクスタンドを立てる時などでも、何度か安全の確保のためにケーブルに
余裕を持たせたり、ガムテープで固定したりしました。
このような現場では何が起こるかわからないから安全第一だなぁと思いました。


マイクチェックはマイクを出すたびにやります。
さっき音が出たからといって、次につなぎ直した時に、
音が出なくなってしまう可能性は十分にあるからです。

シビアだなぁと思っていましたが、音を録る者の責任なんだなぁと思いました。
もし自分が演奏者で自分の音が録音されていなかったら嫌だと思うでしょう。
ガリと声での確認の両方をやることで音質の調整もしてると知りました。
転換中は時間がないのだからガリだけでも良いのでは、と思っていたけど、
このような理由があるから、ガリだけではいけないんだと納得できました。


リハ中に何度か自由に聞いて良いと言う指示を出されて、
客席を何席か移動したり、音響室で聞いたりしました。
音響室で聞いたときは、客席で生の音を聞く時より、
全然速く音が届いてきて不思議な感じでした。

音声が電気に変わるとこんなにも違うんですね。
今までは演奏者の中にいたのですごく違和感を感じました。


客席でも位置によって聞こえ方は全然違いました。
普段は演奏会に行っても移動は出来ないから、何も考えずに聞いていましたが、
聞こえ方を意識しながら聞くと全然違うなぁとびっくりです。

特に2階席の下に行くと音がこもって聞こえるのが気になりました。
はっきりと音の輪郭が見えなくてなんとなく音色が暗く感じました。

ハープが前の方に行ってもあまり聞こえないのに、
マイクを通さないのは何故だろうと思っていましたが、
そんな大きく聞かせなければならない楽器ではないからなんですね。

ハープにマイクを当てる際、右側( 客席側) から当てるのは、
左からだと音の響きをとめてしまうから、と言われてなるほど!と思いました。
こういうのは楽器の特性をしっかり理解していないとわかりません。
もっと色々な楽器の特徴を知ろうと思います。


逆に上手側に座るとコントラバスの音がすごく聞こえてきていました。
低音楽器で全体を支えなくてはならないから、
それぐらいで調度良いのかなと思って聞いていましたが、
どうなんでしょうか。


ソロを聞く時に何を聞くか、と富さんに聞かれてソロはソロを聞くのではないのか、
と思っていたので答えられませんでした。
ソロの時は他の楽器がかぶっていないか、などソロ以外を聞くそうです。
すぐに気づかないと終わってしまうからすごく大変だと思いました。


「バミり」というのを初めてやりました。
転換をしてマイクを掃けてしまうと位置がわからなくなってしまうからバミります。
小さい事だけどすごく大切なことだと思いました。


『マルチケーブルはケーブルを持たなくてはいけない』
と、何度か言われてどうしてだろうと、ずっと考えていました。
マルチケーブルは重いから、コネクタを持った方が安全ではないか?と思っていました。
若山さんに聞いたところ
「マルチケーブルのコネクタ部分は複雑です。
 コネクタより単純なケーブルの部分を持った方が安全」
と教えて頂きました。

何も知らなすぎて聞くのが恥ずかしいと思っていましたが、
聞かないで後で困るほうが恥ずかしい。
教えてくれる人がたくさんいたのだから、
もっともっと質問できれば良かったなぁと後悔です。


撤収では、コネクタを奈落に落としてしまいました。
奈落に落とさないためにガムテープで固定していたのに、
何も考えないでガムテープをはがしてしまいました。
何のためにやっているのかを理解していないことが多かったと反省です。
一つ一つの行為に意味があるのだから、もっと考えて行動できれば良かったです。



トラックに詰め込む時も、名前がわからないものが多すぎて、
ただ突っ立っているだけになってしまい邪魔になってしまいました。
2日間で余裕な時間はあったのだから、
もっと機材などをよく見て確認しておけばよかったです。


今回参加して自分のことでいっぱいいっぱいになってしまい、
周りが見えなくなってしまったことが何度もありました。

富さんにあれだけ「空気を読め」と教えていただいていたのに、
それさえもできませんでした。


もっと落ち着いて行動できればもっと周りを見ることもできただろうし、
もっと動けただろうし、もっと学べることがあったのではないか、と思います。
いかに空気を読む事が大事か思い知らされました。


2日間のリハと本番の中で、たくさんの事を見て聞いて経験できました。
教わった事は忘れないでいてこれからに活かしたいです。
参加して本当に良かったです。
また機会があれば参加したいと思います。

===========================
以下富のコメントです。
『空気読む』
『怪我しない』
『機材を壊さない』
この辺りが,大原則でもあると思います。

本文中のソロですが、
演奏のソロと、ミキシングコンソールのソロを混同しているようなので、
解説します。
ミキサーには、入力された各チャンネルを、個別にヘッドフォンや、別の出力で、
聞く事ができる『SOLO』ソロという回路があります。

この回路は、準備の段階、リハの段階、本番の段階、様々な場面で使います。
この、『ソロのボタンを押す時に、何を聞くか?』
という質問でした。

演奏のソロではなく、
ミキサーの、機能である、ソロボタンは、
むろん、例えば、
1にMC
2にVO
を入力した時に、
MCのマイクが、きちんと1につながっているか?
その、音量・音質を聞く事が第一の目的です。

しかし、音は様々な場面でまざり合っており、
『かぶって』います。

そう、MCのマイクに、VOの生声が入ってくるかもしれません。
MCのマイクに、バンドの生音が、下手のスタッフの声がはいってしまうかも、
しれません。

ですから、ソロボタンを押した時に、
もちろん、目的の『この場合はMC』の音が、
きちんと収音されている事はもちろんの事、
そのマイクに、意図していない音が収音されてしまう場合、
隣接する音源からの、ノイズ等、
いろいろな状況を踏まえて判断という事なのです。

まとめれば、
ソロを(押して)個別の音を聞く時、
・そのマイクの担当する音を聞く
・そのマイクの担当する音以外を聞く
この2点を、よく考えて作業する事。

しかも、ソロを押すと、それ以外のミキサーに入力された、
チャンネルの音は、一時的に聞こえなくなるのです。
これは、速やかにやらないと、音楽を見失います。

2007年5月18日金曜日

2007.4.21 GOSPEL CONCERT SR STAFF REPORT 34RP

2007.4.21 GOSPEL CONCERT SR STAFF REPORT 34RP

・○○さんへのモニターを煽ってと指示させた際、
 誤った角度にモニターを煽ってしまった。
 使用していたモニターは主に1人の方用に設置されていたため、
 その方へのモニターエリアが曖昧という事や、
 その方が「もうちょっとアレコレ返してと言ってるな」などといった、
 現場の流れを分かっていなかったしても、
 現場をよく見てどちらに煽るかもっと考えるべきでした。

・電源のアースの取り方を復習しておく。

・回線の変更はチーフに伝える。
 ものすごく当たり前の事ですが、テンパって伝言を忘れてしまいました。
 今回アコギにこちら側で用意したDIではなく、
 ミュージシャン持参のDIを使用しました。
 ミュージシャン持参のものはアコギ用プリアンプだったため、
 ファンタムはいらなかったのですが、こちらで用意したDIから変更した事を
 富さんに伝えていなかったため、ファンタムはかけっぱなしでした。
 混乱した現場だからこそ、周囲の変化に耳を傾ける→変化した状況をスタッフ間に伝え、
 共有する事が大事ですね。

・最低限の物をはかる間隔を身につける、知っておく。

・もっとチーフの立場になって物を考える、行動する。
 言われたから「とりあえず」「なんとなく」やっていたのでは意味がない。
 なぜそういう指示をさせたのか、チーフがどうしたいかを考えながら行動する。
 最悪分からなかったらなぜそうだったか後で聞く。
 考えなければ自分が成長しませんし、クライアント、ミュージシャンに見られ
 「何やってんだあのアホは?」となってしまいますね。

・その日の仕事の感想・反省はなるべくその日の内にまとめる。
 2,3日たつと細かい事を忘れてしまうので、
 その日の作業終了後どんなに眠くても辛くても、
 まとめるべき事は記憶が鮮明なうちに記録しておく。
 僕の場合とにかく書かないと記憶の彼方へ行きがちなので、
 現場でメモる時間の無い時は真剣に聞き、時間が空いたら書く。
 すみません、日々気を付けます。。。

 以上です。
また機会がありましたら是非参加させてください。
今度は上記の通り、きっちり早めにレポートも送らせて頂きます。。。
よろしくお願い致します。

================
以下富のコメントです。

@『後で聞く』
 これ重要です。
 何かに参加したり、何か創作を目の前にして、
 何も反応できなければ、木や草と一緒です。
 いや、木や草だって、いい音楽聞けば、よく育つでしょう。
 だから、何でもいいから聞いた方がいい。
 うまくなってくるとこの辺りが、聞くタイミングがわかってきます。
 いい質問をすると『おお!、この人はこんなアイデアがあるんだ!』
 等と思い、共に何かしようと思う訳です。

 後で聞くためには、その場を良く見てよく聞いて、
 反応することです。

@電源のマーキングは、どうも統一されていないようですね。
 私の場合は、設置されているアース側をWの表示にしています。
 これは、実際のアースではなく、中性線=N(ニュートラル)の意味の線が、
 電気の世界では、白の線を使う事が多く、そのため、Wと表示するそうです。

 これは、かなり調べましたが、ナショナルのコンセント等には、
 コンセントの太い方に、Wと書いてあるものがあります。
 これも参考にしてあります。

 本当は、全世界的に共通してれば良いのですが、2極コンセントの場合のみ、
 この表示が必要なので、あまり決まっていないのでしょう。

 ほんとは全て3極で、できればいいのですがね。

2007年5月16日水曜日

2007.5.4-5 BRASS BAND LIVERECORDING&SR STAFF REPORT 35RP

2007.5.4-5 BRASS BAND LIVERECORDING&SR STAFF REPORT 35RP

前回の研修では「2424取って」と言われても、
どれがその機器かわからなかったし
それが何につかわれるのかも知らなかった。

今回は事前に、M-AQUAのホームページやインターネットで
回線表に書かれていた機材やケーブル、マイクスタンドの姿や、
何の為に使われる物なのかを調べた。

しかし、富さんに「このマイクは何を録るのにむいてる」と訊かれて、
答えることが出来なかった。

自分は姿を見ただけで、ホントにちゃんと機材を調べれていなかった

何の為に機材を使うのか???
『たまたまあったから使う』ではだめなわけで、
今回なら3点吊りの位置が高く、ステージの上にあるマイクと比べて、
音が入って来るのが遅い。
3点吊りのメインマイクと、各パートの補助マイクのバランス(音色・音量・時間)を取るために、
音をしっかり聴くには、(聴かせるには)マイクの入力の時間軸を、
合わせないといけない、だから時間遅延のためにディレイを使う。

ステージ上のマイクは数が多く、その全てにディレイを掛けなければならない
だからデジタルの卓を使う。

機材についてしっかり調べていれば、なんかしらの問題を解決するために
その問題に見合った機材をちゃんと使うことが出来る。

わからないことや、曖昧なことは質問した方がいい
撤収のとき富さんにトラックを前に動かしてと言われた
MT車でサイドブレーキが教習所で、一度しか乗ったことがないタイプのやつだった。
曖昧な記憶をもとにサイドブレーキを解除したと思ったが
実際はかかったままで走ってしまい、富さんもういいと言われてしまった。
わからないこと、曖昧なことは危険だと思った。

また今回のように、ホールの音響室をお借りすると、初めて触れる機材もある。
富さんもわからないことをホールの音響さんに訊いていた。

このときの訊き方や訊く姿勢が大切で、何回も訊いたり
考えればわかるようなことを訊いたりしない。
考えた上で訊く時は、いきなり「???ですか」より「ですよね」と、
ある程度までは自分で考えたことを伝える。

何かする時はよく考えないと危ない。
今回、自分はSRの卓をさせていただきましたが、4日のリハーサルの日
もうすぐ撤収だからということで卓のフェーダーを下げたが、
その中にほかのスタッフさんのところや、楽屋にホールの音を出すためのフェーダーがあって
富さんにすぐそのことを言われて慌てて戻した。

もしそのまま下げていたら何か事故が起きたかもしれない
フェーダーやミュートスイッチ一つ押すときに、
そうしたらどんなことが起こるのかしっかり考えて行動する。

今回は吹奏楽のSRということで、いくつかの楽器にマイクが立てられていたけど
実際にその全てのフェーダーを上げたりはしなかった
客席で演奏を聴いてハープの音が聞こえなかった
けれど別にそのときのハープのメロディがそんなに重要でなければ
フェーダーを上げる必要はない。

今回の場合マイクはあくまで補助で、何が何でも上げなきゃいけないということではない
こういうこともしっかり考えないといけない。

今回よかったと思ったことは音響室から、ステージ側のスタッフの人たちの、
転換のときの動きなどを見ることができた。

自分がやっていると気がつかないことも、離れてみるとよくわかる。
また音響室に自分が一人だったときにステージの上からディレクターの人が何か言っていて
でも音響に言っているの照明さんに言っているのかがわからなくて
とっさにPFLでディレクターの方の近くにあるマイクで音を聴き、
音響に言っていたので、デミトスでステージにいるスタッフに伝えることが出来た

今回初めて後輩の子達と研修が出来て、彼らが出来なくて自分も出来ない、
多くのことを確認できた

今回の研修は多くのことを考えることが出来て、本当によかったと思います。

若山さんから一度や二度研修に出て、いきなり何でも出来たりはしないと言われました。
今回の反省点を次の研修で出来るようにしていこうと思います

今回も貴重な経験をさせて頂きありがとうございました
次の研修のときもお願いします。


================
以下富のコメントです。

機器の名前を覚える事、重要ですね。
現場で目にするものについて、常に興味を持っていた方が良いと思います。

トラックの運転についても、こう考えて下さい。
今まで何回か、私の助手席にのったことがあれば、
『あの、トラックのサイドブレーキはどうなっているのだろう?』
『自分が操作するとしたらどうすれば良いのだろう?』
音響に似ていると思いませんか?
ある日突然、チャンスはくる。
しかも、卓に座って、フェーダー操作しろ・・・。
そこまで何回も、見る機会、聞く機会もあったのに、
自分には廻ってこないだろうとか、その時に順番が来たらやれば良い・・・。
とか、考えていませんか?

常に、自分だったらどうするか?
自分だったら、どの部分を、理解していないか?

常に、アシスタントでも、自分がミックスする前提で、
物事に参加しないと、いつまでたっても、アシスタントです。

有能なアシスタントは、フェーダーを触っていなくても、
マイク1本立てながらも、ミクシングに参加しているのです。
そういった、心持ちで、望んで下さい。

そうすると、ちょっとした現場の見学でも、
なんでも、見方が変わってきます。

2007年5月12日土曜日

2007.5.11 GOSPEL CONCERT SR 終了報告



2007.5.11 GOSPEL CONCERT SR終了報告
日時:5月11日(金)
   19:15本番
   20:45撤収
   22:00完全退館
場所:ハーモニーホール座間小ホール
内容:Chris Verdell Gospel Concert←本物です。
ミシシッピー出身のボーカリストクリスバーデルの、
ゴスペルライブでした。。
http://www.chrisverdell.com/japanese/


搬入は、角材使用で、レベルOK。
角材があれば、後部ゲートは、位置が決まってからでも、
あけられる事が解った。
搬入口



現場は、中規模ホールと言った所。
会館の音響の方から、何度か指摘されたのは、
音響専用の電源がないとのこと。

下手上手のアンプは、C型がでるものの、
照明の調光卓を通り、(DIM)が、かかった物しか無い。
実際何の問題も出なかったが、やはり、照明と同じ床回路から、
音響電源をとるのは、ちと怖かった。

卓電はいつものとおり、客席からとった。
写真の盤からとったが、今回、2.0スケアの平行電源ケーブル15mを作成した。
今後は楽器電源と、卓電源はこれで行こうと思う。

やはりいままでの平行1.25スケアでは、細すぎる。
どうしても、という時は、1.25も使うが、
テスターの電圧には現れない、音の太さを実感できたかも???




マルチは3本、主に16Pはバンド&Choirで収まった。
8P-A B共に、アンプの出力と、フロントの2本。
このくらいのマイクの本数が扱いやすかった。
いずれも、ボックスと先バラを併用して使用した。
立ち上げのパッチケーブルは、短くてやりやすそうだが、
結局まとめて縛るのに、時間がかかる。
マルチー先バラでいけるところは、先バラの方が、撤収が容易。
テッポー玉をしまったりするよりも、マルチで両方でていた方が、
便利であった。


アウトボードはいつもの通り。
今回はDX38推奨の、ご指定EQをデフォルトにしてみた。
もちろん、GEQで調整もするが、
X-Overの出口はHi-5 Lo-5
で、アンプは0dBでした。
今後、ホールではハウスは0dB基本にしようと思います。



ステージはこんな感じです。

2007年5月9日水曜日

2007.5.4-5 BRASS BAND LIVERECORDING&SR STAFF REPORT 36RP-1

2007.5.4-5 BRASS BAND LIVERECORDING&SR STAFF REPORT 36RP-1

募集を見て、音響に関する知識がほとんどないまま参加希望を出しました。
打ち合わせの段階では何をするのか、何が分からないかも分からない状況で、
非常に不安でしたが、リハ・本番の2日間を終えた今、無茶と思いながらも
積極的に参加して本当に良かったなと思います。


打ち合わせの段階で富さんに言われていたのは、
「8の字巻きは必ずできるようにしておくこと」。
先輩方に放課後教えていただいたり、授業でも練習し、とりあえず習得し、
現場へ挑みました。

この2日間で実感したのが、巻けても解くことが出来なくては、
意味がないということです。
解くというのは引っ張れば良いように思っていましたが経験してみると、
間違った方向に引っ張ってしまったり、ケーブル同士が変なところを通っていると
引っ張ったときに絡まって結ばれ、とんでもないことになるのです。
これは人にやり方を聞くよりも自分で失敗・研究して習得するべきだと思い、
あえて質問しませんでした。
ケーブルを巻く、解く機会は2日間で何度もありましたが、
ちゃんとしたやり方を身に付けられなかったので要練習です。

会場で機材搬入が終わると音響はまず、
とりあえずマイク・スタンド・ケーブルを結線しての、
回線チェックから始まりました。

マイクを叩いたりするのは絶対にタブーなことだと思っていたので、
はじめに回線チェックの光景を見たときは「え!?」と思いました。
爪を使ってガリガリ引っかいていたのです。この工程を「ガリ」と呼ぶそうです。

この行為の意味は・・・
声だけだと、近くにあるマイクに入ってしまった音で、
メーターが触れている可能性がある

マイクに直接触れてガリガリすること(かぶりが発生しない)で、
対象のマイクが生きていることを確認。

ガリOKの合図が出ると続いて声によるチェックです。

アンコールボーカル用、SM58の場合の例
「アンコールボーカルマイク、SM58です。
 いかがでしょうか、いかがでしょうか。」

またマイクからおよそ何センチ離れているかを伝えるのも重要。
「アンコールボーカルマイク、約30センチ地点で話しています。
 いかがでしょうか。」
このような言葉を音響室での調整が終わるまで連呼します。

マイクチェックは、ただ回線が生きているかを確認するだけだと
思っていましたが、同時音質まで調整しているのですね。

またクラシック録音等で使う3点吊マイクのマイクチェック法は…
ステージセンターで同じように連呼


音像チェックのために(通常)下手から手を叩きながら徐々に上手へ移動。
ちなみに3点吊の位置は「勘だ!」とのこと。
音響のことを考えてベストポジションに配置すると、
照明に不都合が出てしまうことも。
そこで「ここじゃなきゃ駄目だ!」とムキにならずに、
回りの仕事に配慮することも円滑に進める重要な心がけのようです。

今回、照明との兼ね合いで3点吊はとても高い位置にありました。
音響的には良くない、しかし照明のためには仕方がないという理由で、
マイクの位置をずらすならば、スポット等を使わず、
照明に影響がない1部だけでも、
音響的に良い位置にマイクを持っていけばいいのに…と疑問に思いました。

若山さんに投げかけてみると、

・それも有りだけどあの位置ですでにEQ等の調整を済ませている
・よっぽど精度の良い3点吊でないと動かした時に、
 左右上下だけでなくマイクの角度まで予期できない方向に曲がってしまう。

と、いくつか問題があるそうです。

音響室でそのメインマイクで集音した音は聞きましたが、
違う位置での音と比較できなかったのが残念でした。
いつか様々な位置での音を聴くチャンスがあればいいなと思いました。

ステージ上でいくつものマイクを使用すると
ケーブルの配線がごちゃごちゃします。
そのためにマルチボックスという機材を使用していました。
片側は長方形の箱でそれぞれの回線オスメスどちらでもさせるようになっています。
今回は8chのマルチボックス。
その箱にステージ上の各マイクケーブルがキャノンでつながれます。

箱から舞台袖へと伸びるケーブルは8ch分なので、
ペットボトルのキャップ程の太さ、
壁にさすコネクタは3Pキャノンの3倍はあろうかという直径で、
それだけピンの数も多いです。
ピン自体の太さは3Pよりも細いらしく接続の際、慎重にやらないと
すぐ折れてしまうそうです。
同じ8chでも先バラを使うとステージ上での見栄えが悪い、かつ結線しにくいです。

またマルチボックスからの配線も、
ペアケーブルという2対の先バラを利用していました。
これは演奏者に出来るだけ邪魔にならないように、
という配慮が含まれているのでしょうか。

学生の吹奏楽の演奏会では約2時間の内に、
いろいろな内容をお客さんに見せるために
ステージの配置も少なからず変化します。

また予定していた配置図通りにゲネプロを行った結果、
サウンド作りの問題で「30センチ上手側に移動!」
なんていうことも多々あります。

舞台監督が「ユーフォ移動して!」という指示を出した際、
私は客席で音を聞いていたのですが、
「自分は関係ない」とスルーしてしまったのです。
当たり前に考えると
配置が変わる→マイク位置も変わる

のは分かることです。

たとえマイク位置が変わらなくても、
移動に際して邪魔になる可能性もあります。
気を抜いてボケッと音楽鑑賞していた自分が悔しいです。
ユーフォが数十センチ動いた結果ケーブル長が少し足りなくなり、
間に延長ケーブルを挟みました。
家庭用コンセントで延長だったらつないで「はいOK!」と終わってしまいますが、
音響では回線上に少しでも変化があれば何度でも回線チェックを行うのです。

一旦舞台袖にはけ、再びステージ上で結線、そして回線チェック。
この作業は何度もありました。
それだけ「音を出す」ということに本気になっている証拠です。

現場では事前の図面通りには行きません。
変更が何度あってもすぐに対応できる柔軟性が必要だと思いました。
柔軟性といってもそれは経験なので、
とりあえず気をつけなければいけないのは
「絶えず周囲にアンテナを張る」ことでしょうか。


また今回はホルン6本に対してマイク2本、となるとどうしても
2人のみの音が中心に集音されてしまいます。

マイクが自分のベルに向けてあるとどうしても不安になるし、
よりによって1年であるとなお吹きづらくなります。

録音とはいえステージ上にマイクが乱立し目立つのは見栄え的にも、
奏者の精神的にもいいものではありません。

スタンドをセッティングしていたとき、
ホルンの1年生が不安そうにしていたので
気にしなくて大丈夫だよ的に声をかけたことが、
果たして彼女の精神面にどう影響したのかずっと気になっています。

下手に声をかけないほうがよかったのでしょうか…。

舞台裏には私たち音響だけでなく、照明もいれば手伝いのOB・OG、
会館職員やら舞台監督などなど様々な役割のスタッフがいます。

しかし高校生から見ればみんな似たような服装をしていて、
特に音響=照明=会館職員に思われていたようです。

そのためか何度も高校生から「椅子どこですか?」など、
音響スタッフには分からないことを聞かれました。
そこで分からないからといって自分まで戸惑っていればダメなのですね。

分からないなら分からないなりにちゃんとその旨を伝える、
分かる人に聞く等の処置を取らないと悪循環…。

3部ミュージカルのリハ時に舞台裏で待機していると、
1年生に「花売りはどこからでるんですか!?」
と焦った様子で尋ねられました。

客席への入り口ならともかく、
脚本を見たこともない私が分かるはずがありません。
結局そのシーンが終わるまで彼女は舞台裏で待機することになりました。

「音響」としては何もしてやれませんでしたが、
歳が近い&演奏会を出演側として経験していたことを活かして、
彼女目線に立って励ましてあげられたことはとても嬉しかったです。

「音響だけやってればいい」といったようではいけないと思います。


舞台袖から引き伸ばす回線の他に、
ステージ床に設置してある回線も使用しました。
ステージ床の回線は普段は邪魔にならないように蓋に覆われており、
つなぐ時だけ蓋を開け、
ケーブルだけ小窓のようなところから出しておく仕組みになっていました。

マイクをセットし使用する時は何の問題もなく完了。
しかし片付ける際、回線を外し蓋を閉め、その後にケーブル用の小窓を
閉めることを忘れてしまったのです。

その小窓はせいぜい幅3センチ程度の小さなものです。

それでも万が一、本番中に出演者が穴につまづいて転んだら…と考えると、
自分の小さなミスが小さなミスで無かったんだなとつくづく思います。

研修中、富さんは2~3回「マイクは片耳と同じ」
という言葉をおっしゃっていました。
確かにステージ上の演奏を片耳を押さえて聴くと、
1本のマイクで単純に録った音に近い…と率直に思いました。

=2本のマイクで録れば人間に聴こえる音をそっくりそのまま録音できる!
というようにならないのはなぜなのでしょう…。

「舞台裏は静かにする」
これは誰もが知っている常識です。
自分も知らないわけではありません。
本番中に舞台配置図をチェックしようと資料をポケットから取り出したとき、
紙の刷れる音が出てしまいました。

その瞬間に若山さんに注意されました。
音がでるかもしれない…という先を読んだ予測が出来なかった自分が
またまた悔しいです。

アンコール時、1人がステージ中央で歌うというシーンがありました。
演奏時の彼女のポジションから立ち上がり、上手でマイクを受け取って
ケーブルを引っ張りながら中央まで歩いていくという流れです。

また疑問です。司会や校長の挨拶はワイヤレスマイクを使用しているのに、
なぜ見栄えが悪いにも関わらず、
上手から中央まで長いケーブルをわざわざ引っ張る必要があったのでしょうか。

ものすごく謎で若山さんにも富さんにも同じ質問を投げかけました。

・信頼性の問題
・有線に比べると無線は例え数十万するものでも音質がとても悪い、
 喋りなら良いが歌等の音楽には向かない。

とのことでした。
質問の答えを聞いたときは「あーそうなんだ」と思いましたが、
今考えるとなぜ無線はそんなに音質が落ちるのだろう?とまた新しい謎が…。


音響室に入ってモニタースピーカーから出る音を聴いていました。
明らかに違います。生音に携わってきた立場からすれば本当にショックでした。
音の速度と電気の速度を比べると 音<電気
なので音響室に先に聴こえてくるのはスピーカーからの音です。

その数十msec後に生音が聴こえてくるので電気音と生音が混じり余計混乱します。
数値的に見るとわずかな時間ですが実際に聞くと意外と大きな時間差がありました。

そのため本番中のミックスは、
生音を聴き比較しながら…ということが出来ないそうです。
リハの内に演奏のバランスや音を記憶しておき、本番に臨む流れです。

プロならばリハも本番も極端に演奏は変わらないはずなので、
記憶できるなら問題ないと思います。
しかし今回のように学生はどうでしょう。
リハと本番ではメンタル面での意気込みが全く違うため、その差は天地ほどあります。

もちろんバランスも違えば音質も違います。
コンサート会場で客席の後方に卓をセッティングしているのを見る時がありますが、
それはこの問題を解決するためなのでしょうか。

「養生」という言葉を何度か耳にしましたがこの言葉を知りませんでした。
恥ずかしながら業界用語なのか一般的な言葉なのかさえも…。

聴いているうちにケーブルの保護、安全、外見の向上の目的で、
ケーブルをマット等で覆い隠すことのようでした。
その他に「ばめる」も現場で使われていた言葉です。

リハ時に決めたマイクスタンドの位置を示すためにビニテに[WW L]などと記し張ることです。
よってビニテとマジックは必需品!

それから持っていたとしてもいざ使う!
というときにパッと出ないと意味がないのですね。
どのポケットに入れたっけ?などとキョロキョロしている暇はありません。
自己管理能力が問われます・・・!!

走り回って作業していると腰バックやポケットから知らぬ間に、
道具や資料を落としていることがありました。

小学校から「自分の物には名前をつけましょう」と言われ続けているのが、
まさかここで役に立つのとは…。
落としてしまうのは良いことではありませんが、
しょうがないと言えばしょうがないと思います。
しかし名前が書いてあると誰かが届けてくれる可能性もあるし、
自分のらしき物を拾った時に確認ができます。

書類がホチキスで留めてあっても、
1枚1枚に名前を書くべきだとつくづく思いました。
これで数回痛い目にあいました…。

2日間をすべて文章にすることは不可能ですが、大事なことや、
特に印象に残っていることを自分の考えを交えながら作成しました。

現場の雰囲気が参加しなかった方々に100%のうち少しでも多く伝わればいいなと思います。

==================
以下、富のコメントです。
@ケーブル巻き→体で覚える
@マイクチェックの仕方→なぜ、ここまで詳しくチェックするのか?
@ペアケーブル使う→楽だから、奇麗に設置できるから。

@3点吊りの位置→ヨーロッパのフィリップス方式や、オノスコルツェ方式等、
マイクの種類、マイクの幅、角度、距離等すべて、決まっている録音方式もあります。
しかし、これは数字では決められません。
全てのマイクロフォンのアレンジに関して、絶対これで100%というのは無いし、
エンジニアの考え方、ミュージシャンによっても違います。
しかし何より、3点吊りはその設置位置の特異性により、長距離を伝送しなければならないし、
ノイズの問題等も、とても危ういのです。
ですから、なるべくホールにいる間に、3点の音を長くいろんな角度から聞いて、
平均点を上げるのです。
しかしながら『勘と経験』が大きく作用します。
あとは、開場している、お客さんの頭の上で、そんな危ない事しません。
バトン等もそうですが、動いている間が、一番モノが落ちる可能性があるのです。

@全てのマイクは、もう一度つなぎ直した時に、
きちんと働くかなんて、わからないのです。
いろんな、作用が働き、一度のマイクの抜き差しで、
マイクが死んでしまうもよくあります。
ですから、抜き差ししたら、必ずマイクチェックは原則です。
マイク自身が本気で収音に向き合ってくれればいいのですがね、
以外とマイクはドライな性格です。

@ワイヤレスを使わない理由→自分の耳で確かめるのが良いと思います。
エンジニアを目指す者ならば、耳で聞いて判断するべし。
チーフがこうだから・・・、といっても、
その場はその通りにやる。

しかし、全ての事象に疑問をもち、先人たちのノウハウに敬意をはらい、
新しいモノづくりにチャレンジしなければ何も生まれません。
よって、ワイヤレスを使わない理由だけでなく、多くの音響の事に関して、
必ず、自分の耳を信じる事が大切だと思います。
『自分が聞いて、それがよければ、一番いいじゃん』
ただし、人がどうしてそうやってるのかを、そういった手法を取り入れてるのかを、
徹底的に、研究する事。

@=2本のマイクで録れば人間に聴こえる音をそっくりそのまま録音できる!
というようにならないのはなぜなのでしょう…。
人間の脳はとても精巧にできています、耳もまたしかり、
耳より高性能なマイクは沢山あると思いますが、
人間は高度な解析をしているのです。
これは、興味があれば調べてみて下さい、これだけを学問にしている先生が、
世の中には沢山います。

@レコーディングは、その場でいくら良い音をしていても、
良い音でした・・・、でも録音には残っていない・・・。
ではすまされません。
もちろん、生の方が良いに決まっている。

では、何故録音するのか?
何故記録するのか?

僕らの仕事は・・・
SRでも録音でも、その場そのものをただ記録や操作するのではない。
だから、僕はオペレーターという言葉が嫌いなのです。

SRならば、ライブが終わって、3時間後の帰り道、
3日後、3年後、心に残る音を、その場に提供する為に、行っているのです。
ジャズのスタンダードで、
『There Will Never Be Another You』
という曲があります。
もちろん、恋愛の歌ですが、日本語にすると『あなたなしでは・・・』です。
そんなエンジニアリングを私は目指してます。

録音は、録音機が回っていなければ、『あの時の演奏はこーーんなに素晴らしかった!!』
だけで終わってしまう。
使っている機器は、音波を電気信号に変えて記録する為の機器ですが、
こんな考え方もあります。

あの日、その北高の部員達ひとりひとりが、朝どんな顔をして、朝食を食べ、
この演奏会に向かったか?、そこまでどんな練習や、生活をしてたどりついたか?
そして、この録音を聞き返し、DVDを見直して、どう思うか?

もちろん、ステージではいつでもマジックがおこる可能性がある。
録音は、録音を録る前から、録った後も続いていて、人と人が関わるツールにすぎない。
だから、録音する時に、ミックスする時に、編集する時に、
その、ディスクの先の誰かを思い出して録音するのです。

会場の客席にコンソールや録音機をおいて録音しているエンジニアや、
ビデオ屋さんもいると思います。
ただし、同時に2つの音は聞き分けられません。
本来ならば、ステージから遠く離れた、音声中継車や、
ミックス室を作るべきです。

また、高度な事を言えば、どうしても、会場と録音する場所が離れていても、
収音したマイクのひとつひとつから、その様子を、汲み取らなければならないのです。
そういった耳で聞かないと、ホールそのものは、
もっといろいろな情報が飛び交って(良い情報&悪い情報)おり、録音とは別物です。
ここでも、聞き方を自分の意志で整理しないといけないのです。
たとえば、本番、演奏がどう変わったか?を判断するのは、
実際に収録しているマイクしか無いという事です。
他の視覚的な情報や、生音の情報も必要ですが、いちばん大事なのは、
そのマイクに入ってくる音なのです。

しかも以外と、冷静に客観視(客観聴?)するのは、
訓練が必要です、だいたい最初は手が震えます。

長くなりましたが、また応募してみてください。
ここまで、富のコメントでした。
=============================

2007.5.19 GOSPEL WORKSHOP SR 終了報告

2007.5.19 GOSPEL WORKSHOP SR 終了報告
日時:5月19日(土)9時〜17時
場所:蕨市市民会館大ホール
内容:ゴスペルワークショップSR
   クワイヤ300人
   編成Dr、EB、EG、Key、GuestWL
スタッフ:鳥居香英、塩谷高弘、富 正和

今回画像がありません。
風邪のため、デジカメ忘れ物を多々してしまいました。
この1週間、久々に強烈な風邪をひいて、
正直、音が全然解らなかったです。
この、蕨のホールに入った時には、体調はだいぶ落ち着いてましたが、
なにより、健康第一だと実感しました。

今回コンソールを、袖に設置しました。
今回、ホールの退館が、16:30、終演は16時と、
撤収時間が大幅に短いため、ハウスとサイドを借用しました。

参加の2名に、かなり長時間(本番も)コンソールを操作してもらいました。
そのあたりは、レポートを読んでいただけると解ると思います。

2007年5月6日日曜日

2007.5.4-5 BRASS BAND LIVERECORDING&SR 終了報告

2007.5.4-5 BRASS BAND LIVERECORDING&SR 終了報告
日時:5月4日(金)
   5月5日(土)
   5月3日 夕刻都内出発、前泊
   ビジネスホテル2泊
場所:栃木県宇都宮市文化会館大ホール
内容:栃木県立宇都宮北高等学校吹奏楽部定期演奏会
   ライブレコーディング&SR
スタッフ:
鳥居香英
岡部めぐみ
齋藤健太
杉浦綾
若山岳雄

今回、会館音響室内に録音ミックスも兼用してセッティングした。
楽屋等に、別のミックス室も検討したが、モニターITVの問題、
用意された、舞台要員室の響きの問題から、
音響室内に、録音&SRと同居する形になった。

搬入には、角材を利用した。
搬入口が広く、2〜3台が同時に搬入でき、非常にやりやすい。
ただし、10トンクラスが横付けすると、搬入は順番になってしまう。

会館の回線は、
下手は約16回線
上手は約8回線
上手の増設用に16回線ほどあったが、
音響室との連絡回線は圧倒的に少ない。
しかも、上下の袖を経由していないので、ここの場合は
音響室が、回線的には有利な感じがした。
床の回線も、WW等で使用して有効であった。

音響ローカルのクリカムは無く、デミトスで対応した。
壊れたイヤフォンを整備しておきます。

メインの3点吊りには、KM184を吊ったが、前回同様、
ピンルームからの競り合いにより、かなり跳んだ状態で、
3点を使用、実際には響きメインの感じである。

frontに5本これは、ストレートでも良いかも。
ブームが、人に当たる。しかし、よりオンでとりたいために、
仕方が無いか?

WWにステレオバーで4006を使用したが、今後メインマイクに次ぐメインマイク?
として、高砂のMF230か、フレキスタンドの整備を考慮。
また、DPA4011を本当に欲しくなった。

ハウスは会館にEAW650が片側で4/2と、
十分すぎるほどでした。
サイドは、固定のものは802が可動プロセに吊ってあるようでしたが、
反響板を使うと、何も用を足さないので、自前で花道に立てました。
スタンドはなるべく足が細くなるように工夫した物を使用。
このあたりも、クラシックの演奏会といえども、
ソロマイク&WLのためだけであっても、返しが重要と感じた。





会館のワイヤレスには電池の残量が受信機で確認出来るようになってました。


ハウスのミックスは鳥居君が行いました。




以下は下見時の画像です。