1:配置に関すること
まず、録音というのは、楽器の位置を決めることで成功の⚪️⚪️%が決まる!ともいえるでしょう。(⚪️⚪️中はご自身でどうぞ)
また、録音エンジニアの仕事のひとつとして、録音場所の選定=Booth割りの責任がある。
だ話だが、映画の世界では、照明1st 撮影2nd 音声3rdだと、ドラマの先輩に教わった。
役者が演技して立つ位置というのは、その演技よりよく魅せるためのもの。
だから、とても重要で、まず役者の立ち位置が監督などと決まり、そこに明かりをあてる。記録要素である撮影や音声はアト!
数少ないドラマブームマン経験のなかで、ドラマスタッフから教わったことだ。
話は戻るが、音楽を演奏するために、その物理的な位置がどれだけその音楽に影響するか。この位置決めに本当はかっこいい言葉があればいいのだが、それくらい配置が大切。
2/6のテスト録音記事に書いていないことだが、実はこのテスト録音位置決めを実際の録音会場で同じようにやったら3-4時間掛かっていたと思う。
そして、大切な3/1のFirst Takeを逃していたのかも。
今回のCDほんとに、First Takeが採用される曲もあります。
ものすごい勝負か、ものすごい団結力か、こんなに配置決めの試行錯誤に演奏者の皆さんが本気でご協力にいいただけたこと初めてでした。
配置を決めることに気をつけるべき点
a:アイコンタクト(よく言われることなのだが、目線が合い向かい合っていると音がよく聞こえる、聞こえすぎるということもあるが)
b:音の大小
c:楽器の発音範囲
d:地面や天井、壁の構造物(地面が一番だよ!人は皆二本の足で立っているからね)
e:その楽器の要素で大切なのは、リズムか和声かピッチかアーティキュレーションか?
f:そして、そもそも何の電気音響も使わないとき、その演奏家が自分の音や他の人の音をどう聴いているか?
RecでもLive Soundでも、私たちはマイクロフォンという大切な耳、もう一つの耳であり、音ための目を使うことができる。
2:録音手法に関すること
同時録音でしかも同Boothの良い点はなんだろう?
Isorate録音(別Booth)の良い点はなんだろう?
師匠から、『かぶり』を利用するとならったが、もう一つ付け加えると融合感。
これもよくわからないから、言葉で単純に説明する。
『ドラムの音は、ベースの筐体でも振動している!』
だから、音楽というのは本来耳に届く時に、混ざり合うもの。
この混ざり合わない感は、演奏者やエンジニアの技量不足かと。
もちろん、演奏上のダイナミクスもあるし、そもそも1:でも語ったけれど、ドラムの人がベースの音をどう聴いているのか?
ボーカルが、ピアノの左手をどう聴いているか?
リスナーは混ざった音を聞きたいのだ!
混ぜるため、音楽がより音楽的に混ざるためのお手伝いを透明になってやる。
これがMixing Engineerの仕事と私は思う。
だからRecordingはもちろん、PA-Live Soundでも私は仕事の中身をMixing Engineerだと思って常に耳を澄ましています。
今回の挑戦、12月に初めてライブハウスで聞いたとき、2月のテスト録音、既に混ざり合っていた。
素晴らしい演奏家達という表現より、おなじ舟に乗り、おなじ海を漕いでいるようなそんな4人だからこそできる録音手法かと。
こちらでもだ話をひとつ。
前職の5階食堂(わかる人ならわかるst505)に、公開スタジオがあった。天井が20mくらいか、キャパは300人くらい。
ここで、ある番組のための録音が行われた、アレのオケである。(アレは直接聞いてください)
Big Bandに弦編成、同時録音の後に、ピアノのトラックを全部塗り直す(弾き直す)。
全く同じことができるスタジオミュージシャンだからこそできる技。
この手法は失われるものもあるが、得られるものもある。
クリックがあろうが無かろうが、出来るスキルが求められるが、一つだけポイントが。
音というのは時間を於けば置くほど、どんどんどのフィールを忘れてしまうので、1曲録ったら、バンドの休憩時間にさらっと通して塗り直していました。
やはり『音は記憶』なのです。
パンチインをするときも、『記憶』なのですよ。
3:マイクセレクトとマイキング
楽器類のマイクセレクトに関して
Piano:DPA4006が私には必要です、これは今のところの1st Choice、とはいえ心配なのは、かぶり。朝一からの仕込み11時過ぎの調律アップ後、いろいろマイキングを試せたし、蓋の開け閉めもやった。セッティングは弦と並行、かなりONだが、ONでもOFFでも変わらないのがDPA、いなたい(わかるかな)単一指向性のマイクでは得られないものがある。
反面OffというかFarのMicには、KM184。これはある意味その単一指向性というのが音の選択性がキャラクターであるという証拠。ちょっとOnとは、角度を変えてるのもねらいです。
Drums:Over Head×2にKM184 and HHにもKM184、同じマイクを使う意味がある。
KickはATM25、Snare F.Tom H.TomにはそれぞれBeta57。SnareのBottomやKickのFarは無し。
画像の通り、Live Recordingのような様相のなか、コントロールできるのはこのくらいの本数かと。ただ、床が築何十年のホールのステージ、落ち着いた反射で、Drumerの表現を感じることができた。
Wood Bass:CMC64UとATM25
あえて角度が変えてある理由は、低域の波長に対しての平均化、ただ録音時のモニターはCMC SCHORPSだけでした。
そして、今回初使用、アクリルディスクをWbのマイクに使いました!!!!
これ、衝撃的な画像かと思います。
ここで、アクリルパネルとアクリルディスクの使い方について。
・完全に遮蔽などされない。
・音符の中の比較的早いアタック、初期波動、が緩和される。
・反面、回り込んで音は遅れてくることもある。
・見える。
・ドラマーさんが、自分のドラムを反射して聞くことができる、生音をコントロールできる。
・もちろん、どのみち初期反射の影響はある。これも加味しての音作りをおすすめします。
Vocal:e965 予備でC214
これは、完全にテスト録音の効果が出ている。
ただ、例えばアクリルディスクの有無を比べてみる。
ハンドマイク 口(固定されていない)→マイク(固定されていない)
スタンドマイク 口(固定されていない)→マイク(固定されている!!!)
テンポの速い曲がハンドがいいのかというとそうでもない。
これも、何を聞いているのかが問題なのかも。
余談ですが、白いケーブルを使うと、音がクリアになります。(冗談)
でも、見やすい!汚れたらわかる!(だめじゃん)
マイキングとセレクトのまとめとして、昨今様々なLive Sound現場、Recordingでいわゆるレーテンシー(Signal Delay)をどのように扱うかが、Engineerのセンスでありスキルとされる。
でも、そもそもその音源とマイクの距離こそ、一番考えなければいけない、レイテンシーでは無いのか。マイクを離せば遅れる、近ければ早い。そしてそもそも、電気(光や視覚も)は、早いのだ。
4:モニタ手法