2007年6月25日月曜日

2007.6.16 Japanese Pops Singer Live Recording STAFF REPORT 35RP

2007.6.16 渋谷 Duo Live Recording レポート

・今回、会場がライブハウスでのレコーディングということもあり、
 事前にライブハウスさん所有の機材をチェックすることができました。
 しかし、日本の輸入代理店のサイトにはブロックダイヤグラムすら載っておらず、
 ヨーロッパのサイトを見ることで解決しました。

・事前の打ち合わせにおいて、ハウス卓のスプリッターアウトから各chの回線を
 頂くことになりました。もし録音側が何らかのトラブルに見舞われた場合にも、
 PA側に影響を与えないためです。
 また、PA卓の目の前にあるマルチからの回線を使うとなると、
 どうしても12c~12cのケーブルが必要になるためです。

・録音システムはハウス卓の横に組むので、マルチを長く延ばす必要は無く、
 8ch大蛇のケーブルを使うことになりました。PA回線全32chの回線のうち
 24ch分を8ch入力の3台のH.Aに入れ、
 残りの8chはDM1000に、DM1000のアウトを002に、
 さらにオーディエンスの4chを002のH.Aに入れるというシステムでした。
 その上で、特に重要な回線に関しては、8ch大蛇のケーブル、ADATにしても、
 少しでも長さの短いケーブルや質の良いケーブルを使用する。

・録音機は24chのデジタルハードディスクマルチレコーダーを使用しました。
 3台のH.Aの出力の24ch分を本線用に一台、予備としてもう一台使用。
 ハードディスクの容量としましては、ステレオで1時間で約1GB、
 今回の場合ですと24chで2時間で約24GBの容量が必要であること。
 また、このレコーダーは容量が無くなると自動的に停止してしまうため、
 容量に余裕を持たせることが大切であると感じました。
 残りの回線はProtoolsに録音することに。

 ハードディスクに記録する場合は、一度停止することでファイルが記録される。

・モニターは予備の回線をモニタリングすることとなりました。
 予備用の回線をアナログインプットに入力し、モニタイングしましたが、
 信号のループからなのか、時折「プツッ」といったノイズが聴こえ、
 本番中もノイズが起きた時間を記録しました。
 後日、話を伺った所、本線は大丈夫だったが、予備はノイズが乗っていた
 とのことでした。
 正直なぜこのようなことが起こるのかわかりませんでした。

・サウンドチェックの時にも、Keybordの出力が大きかったために、
 録音側でしかもレコーダーの前に、-20のPADを入れました。
 リハーサルの合間にPADを外した時にも、ハウスからノイズが出るという
 事態も起こり、電気的な影響があったのかわかりませんが、疑問の残る
 出来事であったと思います。

・今回オーディエンスに立てたマイクに使うケーブルを、
 2Fの手すりに沿わせて引く際には、一カ所で抑えている間に素早く
 引き延ばしてケーブルを引く。
 また撤収の際には、絶対に階下へケーブルを落とさずに、貯めていた
 8の字巻きを生かして効率よく巻く。
 そうすることで、いち早く撤収することにつながると思います。

今回もお疲れさまでした。
また機会も宜しくお願いします。


以下富の投稿です=========
・スプリッターですが、著名なスプリッターメーカー『クラークテクニック』の
 サイトを見た所、アウトの取り方によってはノイズが出るみたいです。
 インピーダンス的に、スプリットされているだけで、同じトランスアウトから
 出すと抜き差しノイズはあり、駄目なようです。

 経験的に、T社、S社、そして、Nの音声中継車を見てきましたが、
 ほとんど、トランスで構成されていました。
 重いですが、トランスならば、影響は出なかったはずです。

 ただし、どの回路がDirectでどの回路が、Trアウトで、
 どのTrアウトと、どのTrアウトが回線的にコモンになるのかは、
 調べておいた方が良いと思った。

 また、ハウスのエンジニアさんは、スプリッターと言っても、
 ファンタムの関係もあり、その精ではないか?といってました。

 真相はわかりませんが、いずれにせよ、単純なトランスで、
 いろいろ試す事が必要だと思いました。
 入力のオペアンプとの関係もあると思うので・・・・。
 
 特にダイナミックマイクでは大丈夫でも、コンデンサーではどうか?
 等も注意点です。

 もしかしたら、モニ卓の問題もあったかもしれません。

・D2424のプツッノイズについて。
 プツッと言ったノイズは、プレイバックすると、一つもありませんでした。
 予備系に乗っていたのは、変調かかった様な(トラック無線)ノイズでしたが、
 本線には乗っていなかったので、リカバリーでしました。
 今の所ノイズは1カ所だけです。

 ライブレコーディングには、トラブルがつきものですが、
 いずれにせよ、総録音トラック、60チャンネルにしては、うまく行ったかな、
 と思っています。

・アシスタントのS君が細かく、キーボードや持ち替えの楽器を
 書いてくれたので助かりました。
 こういった、香盤表的な物も、授業内で説明した方が良いと思いました。

 現在ミックス中です。

2007年6月15日金曜日

2007.6.9-10 GOSPEL CONCERT SR STAFF REPORT 35RP-1

2007.6.9-10 GOSPEL CONCERT SR STAFF REPORT 35RP-1

6月9,10日のゴスペルコンサートのレポートです。

・『当たり前の事を当たり前に』、がまず最初の一段階…。
 一つの具体例としてあったのは、モニ卓にリクエストを伝言する時に、
 ただ言われたことを言っただけで、具体的にどういうことなんだという、
 自分の中での思考をすっ飛ばしていたということ。
 ギタリストの方が「全然音が来てない」とおっしゃった時に、自分はそれをただ
 言葉のまま伝えただけでした。
 モニターについての話なので、問題は何の音が来てなくてどのくらい欲しいかに
 あるわけで、それを考えていなかった。
 慌てて伝えたけれど、もちろん、慌てて二度手間よりは落ち着いてスムーズに
 進行する方がよっぽど良いわけで。

・上述の事ともつながりますけども、やはり音響もチームとして動いている訳で、
 アシスタントとしてそ こに参加しているならば、その中のリーダーの考えてい
 ることを理解しサポートする事で、より質の高い「アシスタント」としての意味
 があるのだと感じました。
 その中で、自分個人として見て聞いて、吸収していくこともできるわけなので。

・物事の緊急性の判断、例えば、たまたま問題は無かったけれど、
 「本番中はどういう時、出て行くのか」とか、結構不安でした。
 マイクの高さは大体皆さんご自分で修正されていた、けれど見ていて
 「ネジの締めが緩そう」とか感じていて、曲間で行っておいた方が良いのかなー
 どうしよっかなー、とか本番中も考えていました。

・ゴスペルという音楽は、自分の中で今まであまり親しみのなかった音楽でしたが、
 今回はバンドの編成・アレンジがかなりポップス寄りだったこともあって、
 すんなりと入っていけました。
 しかし、例えアシスタントとして参加するとしても、音楽そのものに対する理解が
 浅ければ、その分わからないことも増えるし、ましてや音作りの部分からは離れた
 ところにしか居ることができないのかなと感じました。
 知らない・理解の浅いジャンルを手がけることになったら、
 前もって勉強して入らないと、当日の仕事量・成果は少なくなってしまうと
 思いました。

・自分は今回初めてM-AQUAのお仕事に参加させて頂いたので、例えば機材のしまい
 方、何がどこに入っているとか、わからないことだらけでした。
 でもわからないことだらけの中でこそ、一般論をどれだけわかっていて推測できる
 かが問われるわけで、 そう考えるとやはり自分は当たり前ながらまだまだなのだ
 と感じました。

・搬入、搬出時、一生懸命なつもりでしたが、行動の能率があまり良くなかったよう
 に思います。
 「何をしたら良いんだろう→とりあえずこれかな…」といったような、
 迷いを含んだ行動があったのが良くなかったのだと思います。
 「はじめて」でももっと事前に考え確認してから始めれば、もう少し自信を持っ
 て効率よく動けたと思います。

・ケーブルの長さがピッタリのところがいくつかあって、案の定うち一つに、
 1部と2部の間の休憩中舞台スタッフの方が足を引っかけてマイクスタンドを倒
 してしまいました。
 倒れたマイクはSM57。さすがシュアのダイナミックマイク、問題は出ずホッとし
 ましたが、これがコンデンサーマイクだったらどうだったでしょうか…。
 使えなくならずとも音色に影響が出ることも考えられます。
 SRの現場で頑丈なマイクが好まれる理由を体感出来ました。
 長さに余裕があれば、もしくはケーブルを固定していれば起きなかった事故でした
 ので、気を付けておかなければならなかったと反省しました。


以上、レポートとして提出いたします。
お世話になりました。またよろしくお願いします。

2007年6月11日月曜日

2007.6.9-10 GOSPEL CONCERT SR 終了報告










2007.6.9-10 GOSPEL CONCERT SR 終了報告
日時:6月9日(土)
   6月10日(日)
場所:栃木県総合文化センターメインホール
内容:ゴスペルコンサートSR

モニター卓を組んで行う、ゴスペルコンサートでした。
エムアクアで行うホールコンサートでは、最大の規模です。

以下 富の終了報告です。
今回で、エムアクアが関わるようになって、
4回目のBrownBllessedVoiceコンサートです。

昨年度と大きく変わったところは、
ステージ上のバンドセットは昨年と同じだが、反響板がなく、
東西幕で、下上の袖が塞がれているので、音響的にはデッドでした。
舞台スタッフに感謝です。

バンド編成は、
Dr、EB、EG(AG)、KEY、SAX、TP、TP、TB
です。
クワイヤは51人です。

インプットから、振り返ります。
クワイヤのマイクは32本
ソロ2本ひも付き、ワイヤレスはMCで1本としました。

ソロ2本は、より音質の安定を目指すのと、やはり15dB近くのフォローを考え、
Beta58のひも付きにした。このあたりは、このグループのシンガーでは、
SM58でもよかったかもしれない。クワイヤのマイクの音質を考えると、
Beta58は、クワイヤの中に入れてもいいかもしれない。
テナーやアルトに、Betaのマイクを今後入れたい。

ワイヤレスは、当初使用を予定したマイクに、原因不明のノイズがありました。
電界不足でもないので、他の無線、電波の漏れ込みだと思いますが、
実態わからず。これは、ホールの方に後ほど報告しておきます。

クワイヤマイクは、マルチABの16本を、モニターにも送り、マルチCDの16本は、
ハウス単独とした。

ABは、満遍なくとれていたが、
Cの遅番は音が遠く、DはTPのかぶりが大きかった。
ABは、全てマルチ収録、CDは、パートに分けてマルチに収録した。
ABの中のパートについて、テナーよりに、1〜2本修正しても良かった。

マイクはSM58を8本、BSとケーブル付きで使用したが、
やはりありもの(ホールや、手持ち、PA屋さん)であれば、レンタルで十分だと思います。
かわりに、コンソールの入力は、入力増の必要性を感じた。

今回も、トラブルがあったら、会館のマイダスベニスを借りようと思っていたが、
クワイヤの音作りの根幹である、デジ卓として、LS−9を検討したい。

かわりに、MG16の弱点が今回わかったので、後述したい。
バンドは入力増を見越して、マルチを16→24Pにしてもらった。

今回マルチに関して、左右の可動壁の操作板の、大外をまわす事が多く、
モニター卓からは、20m程度が必要と感じられた。

ドラムのマイクは、スネアATM25、ハイハットKM185等が変わったところだったが、
スネアは太い感じ、ハットはかぶりが軽減できてよい感じだった。
タムが今回歪みをだしていた。
これは、MG16の9、10チャンネルのヘッドアンプが、
歪みやすく、原因としては、1〜8に対して、14dBもヘッドルームが狭い。

結局OHのマイク414に−10dBパッドを入れて、
タムの2本を入れ替えたら、良い感じになった。
マイクのパッドも、より安価なコンソールを使うときには便利だと思った。
タムは419より418の方が良い感じです。
撤収時にケーブル長過ぎて、スパゲティになりました。
4本くらいは短くしようと思います。

ベースは、出口が大きい人が多い。
今回アバロンの出口がでかかったので、−20dBを入れて対応した。
1176を使用した。

キックとベースは、ポップスでは76必須だとおもった。
もう1台欲しいです。

キーボードも、出口が大きいので、BOSSの入力でパッドを入れた。
キーボードミキサーの出口は、アンバラだったり怪しいので、
やはり、安心して使うにはDIが必要です。
オルガンの演出的な歪みは、判断に迷うところでしたが、
音量差もあり、その音色のみのフォローで対応した。

管は、全員419でした。
サックスのマイクにスネアがもろかぶりでしたので、
EQ等で対応した。

今回、アクリルパネルを、ベース&ギターの前においた。
照明チーフにはご迷惑をかけてますが、音的には非常に好評であった。

TP&TBのためには、ドーナツ型のフレクターパネルを持ってきていれば良かったと、
後悔した。

ブラスサックスの少人数のときには、かぶりの対応も含めて、
今後の課題としたい。
フレクターパネルを使用する事によって、自分の音も返ってくるし、
他の楽器のマイクへの直撃も、軽減できるはず。

バンド全体としては、モニターエンジニアの小川さんと、フロア2名の素早い対応により、
非常にうまくいった。

アウトプット系のまとめです。
ハウスはいつもの通り、EAWの650の2/1、水平角度が60度だそうです。
やはりウイング向けの、QRXとの併用が望ましい。水平は75度です。
ハウスは他に、プロサスにフライングしました。
ウイングと、フライング、そして会館のプロセには、ソロとクワイヤのみしか送らず。
これがうまくいった。
今回、ステージがデッドなので、なるべく切り過ぎないように心がけた。

本番中、客席でも、106dBspl程度に抑えて、スピーカーを分散させた形になる。
感想であるが、やはり、安心してハウスミックスに打ち込めるスピーカーだと思いました。

うちの1/2もこのくらいならしこめるように、今後ユニットやアンプ、ケーブル等も含めて、
トータルで修正したい。

ハウスはDriveRack→MX800(EAWのプロセッサー&C/D)で、
約5〜6ミリは遅れていると思います。

1部の休憩中、友人のクワイヤの方が、卓のところに来て、
2階もよく聞こえていますよ!とのこと。 うれしかった。

撤収の方法について、検討の余地あり。
機材の収納・使用方法を検討します。

6月8日(金)
18:00 横浜発 川崎 板橋

6月9日(土)
 8:35 ホール到着 搬入
15:00 バンドリハーサル
18:00 クワイヤリハーサル
22:00 ビジネスホテル宿泊

6月10日(日)
 8:30 ホテル発
 9:00 リハーサル
14:00 Open
15:00 開演
17:20 終演予定
19:30 宇都宮発

22:30 都内、自宅近くまで送迎
24:00 mikimix機材返却の後、横浜到着

宿泊費をこちらで、負担いたします。



2007年6月5日火曜日

2007.3.21 Brass Band VTR収録 STAFF REPORT 35SA

2007.3.21 Brass Band VTR収録 STAFF REPORT 35SA

遅くなって本当にすみませんでした。
内容は、中学校吹奏楽演奏会のVTR撮影でした。

自分の役割は舞台裏からインカムで、「あと5分で1ベルだそうです」などの、
進行状況を伝えることでした。

ビデオ撮影を客席の真ん中で行っていたということもあって、
ノイズなどが入ってはまずい客席側のインカムの電源は、基本的にオフでした。

もしもの時の備えも、必要以上はメリットにもなり得るのだろうと思います。
舞台裏を通って客席側へ回るルートを調べておくなどの会場の把握もまた、
備えとして欠かせないことだと感じました。

ステージ上は吊ってある板が降りてきて、それが連結されて壁が出来上がる。
という仕組みになっていました。
その壁は相当の重さがあり作業中は危険なので注意が必要でしが、
当日自分は遅刻をしてしまい、朝のセッティングを見ることが出来ませんでした。
その日の作業で、どのセクションのどの作業の時どこが危険なのか。
そういった方面への視野を広く持つことはやはり、身につけるべきことだと思います。

しかし休憩中のビデオテープ交換などで、やや出遅れてしまった節があるので、
まず自分のやるべき事の為に進行をしっかり見ていること。
そこを確実に行ってこそだということを体感しました。

あの規模のホールの舞台裏を見ることが出来たのも、いい経験になりました。
実際に行ってみなければわからないことが、いくつもあったからです。

しかしまだまだ自分には、見る目と考える頭が足りません。
どこを見るべきなのか、どういう視点でそれを捉え、
どういう方向に考えを巡らせばよいのか。
日々養っていかなければならない、自分の一つの課題です。

以下富のコメントです===================
本来、ホールでのSR業務は、多くの人や機材が動いていて、
慣れないと、周りの状況がとても見えにくい物です。
しかし、今回はメインの業務が撮影という事で、
普段は、自分たちが行っている音響作業や、舞台機構について、
いろいろ見るチャンスであったと思います。

スタジオにせよ、ホールにせよ、ライブハウスにせよ、
我々の仕事場は、そのプロジェクトがうまく行く為に、
よく考えられているのです。

特にホールでは、江戸時代の芝居小屋から、また、欧米の教会から、
はたまた、場末のバーから、音楽をより楽しめる工夫と、演出が
あるわけです。

舞台の機構は、既に様々な資料で配られているはずです。
板は板ですが、
天板(てんはん)、正板(せいはん、しょうはん)、側板(そくはん)
から成り立っています。

音響のマイクチェックにしても、あのやり方では駄目です。
駄目なやり方も、目にしないと覚えません。

遅刻は誰にでもあるでしょう、しかし、その日の内に、その遅刻の分を
自分の中で挽回し、前向きに出来なければ、この仕事には向きません。
落ち込んでいられていては困るのです。

ホントに、そのスタッフが必要なければ排除します。
しかし、怒鳴っても、何しても、『自分がやるんだ、どうにかするんだ』
という、前向きで、上向きな思考回路が必要です。

まだ、必要な物と必要で無い物を分け過ぎだと思います。

せっかく、音響を少し引いた位置で見れる良いチャンスが、
在学中はいっぱいあると思います。
そう、就職してしまうと、もう、何もお手本も無く、
自分自身がすぐやらなければ行けない日が、もう迫っています。

常に前向きでいて下さい。