2005年6月27日月曜日

2005.6.26 GOSPEL LIVE SR STAFF REPORT 33RP

2005.6.26 GOSPEL LIVE SR STAFF REPORT 33RP
「Brown Blessed Voice ~GOSPEL LIVE Vol.Ⅵ~」SR研修について
日時:6月26日(日)15:00開演
場所:栃木県総合文化センター

 先日、宇都宮にて行われたゴスペルグループ「Brown Blessed Voice」
のコンサートに音響スタッフの研修生として参加させていただいた。
その時のことについて簡単に記録しておく。

① セッティング
まずスピーカー、卓等の機材を搬入する。すべての機材を運びこんだ後、
客席にハウスミキシング用の卓を、舞台下手の舞台袖にモニター卓をセット。
卓まわりの結線等は担当の方がいらっしゃったので、私が主に担当したのは
舞台上のマイクとマルチボックスのセッティング及び結線であった。

今回、60人近くのゴスペル・コーラスをカバーするために27本、
(ソロ用のワイヤレスマイクも含む)、バンド演奏のために15本
(モニター用も含む)、合わせて42本ものマイクを使用した。
まず、コーラス用マイクだが、縦4列に分かれたマイクのケーブルを
2つのマルチボックスにまとめようとしたのだが、ケーブルが長くなってしまい、
舞台上で邪魔になってしまう上に見栄えが悪いため、
それぞれ延長して4ヶ所にまとめることになった。

この延長したマルチのことをローカルというらしい。
ちなみに、段の側面(客席から見て正面)に、
横長の照明が設置されることになっていたようだが、マイクケーブルに
その照明の熱が当たってしまうのを避けるために、
照明担当の方が照明器具の下に小割のようなものを置いて、
ステージ上から浮かせるという工夫をしていた。

次にバンド楽器用のマイクセッティングだが、今回は舞台下手側の
バンドスペースの中心にドラムがあり、ピアノ用のマイクへのかぶりなどが問題となった。

コーラス隊との間にはアクリル製の遮音版を置いたが、
ピアノとの距離は近く、モニター用のピアノの音が取りにくい。
そこで、モニターミキサー担当の方が、隠しマイクとして、S
HURE58のウィンドスクリーンを外してグラスウールなどで包んだものを、
ピアノ内部の低音側の側面にはりつけていた。
ドラムのTOMやブラス楽器に使用したC‐419はクリップ付きの小型マイクで、
取り付けが非常に便利だが、ウィンドスクリーンをつけるとヘッドの向きが
わからなくなるので注意である。

その後、それぞれ回線チェックを行い、結線とレベルの確認を行った。

② リハーサル・モニターチェック
 リハーサル中は主に舞台上でマイクセッティングの直し、進行の確認、
モニターSPの音量バランスの確認などを行った。
 特に難しいのはモニターバランスの取り方である。演奏者の要求が多いため、
 それを逐一聞きながら、その都度バランスを自分の耳で確認しなくてはならない。
確認をする時、つい演奏者に遠慮しがちだが、SPの指向性を確認し、
その範囲内で聴くことが大切である。ちなみに、例の隠しマイクのおかげで
ピアノの音がなかなかの音質でしっかりモニターできるようになっていた。

 リハーサル中、何度かハウリングが起きていた。多くはギターアンプなどが
原因であったが、どの部分の音域がハウリングしやすくなっているのかを、
確実にチェックするために、補助的にスペクトルアナライザーを使用すると便利である。
もちろん、耳でチェックするのが最前提だが。

③ 本番
 リハーサル通り幕が開き、順調に進んだ。
 途中、マイク移動のために何度か舞台に出て、セッティングを行った。
リハーサル、調整をしっかり行っておけば、本番は非常にスムーズに進むのだという、
当たり前のことだが実は難しいことを改めて実感した。
 舞台と観客席が一体となった非常に熱い舞台であった。

 感想
 リハーサルの時間が十分に取られていたので、その間に私も様々なところを
観察することができた。 研修ならではある。
やはり、周囲を万遍なく見ておかないと、とっさの時に動けないし、
演奏者やスタッフの意図するところを読み取れない。
特に、モニターミキサーは演奏者に常に注意しておかないと、
彼らの要求に応えられず信用を失ってしまうから怖い。
 以前、音響スタッフは照明などの他の舞台スタッフの中で孤立していることが多く、
それを改善すべきだという話を聞いたことがあるが、
 今回の現場はそれぞれスタッフ同士が以前からの知り合いだったこともあって、
コミュニケーションが良くとれていたように思う。
 また、このスタッフの方たちには非常に親切にしていただき、
照明のスタッフの方には色などについてのお話も伺うことができた。
 今後、このようなコミュニケーションのとれた舞台づくりを目指していきたい。