2012年9月27日木曜日

2012.08.18 Shibuya Idol Event Live Recording 41RP STAFF REPORT

2012.08.18 Shibuya Idol Event Live Recording 41RP STAFF REPORT


こちらが、富がアップした投稿です。
http://m-aquastaff.blogspot.jp/2012/08/20120818-shibuya-idol-event-live.html


渋谷WOMBアイドルライブレコーディングについて

当日2ステージ目後半~撤収まで参加させて頂いた。
まず感じた事は人の多い事!お客さんが、という意味ではなくスタッフさんの人数に驚いた。このようなテレビ収録の現場には普段見ない大きいカメラやそのスタッフさん、関係者の方がずらっと並んでいた。もちろんライブでもあるのでそのスタッフさんも。
単純に自分が普段見ているテレビ番組って、こんなに多くの人の手がかかって作られているんだという事に唖然としました。一度のコンサート・1枚のCD・1つの番組...多くの人が携わって1つの作品を作り上げる、多くの人がそれを仕事として生きている、という事を改めて気付かされた。

今回は収録のみという事でステージからPA用として使っている回線を借用。
ライブを見ていて、なぜ収録とPAを分ける必要があるのか?という事を考えていた。
音を聴くとPAと収録は全くの別物。そもそも目的が違う訳だから同じミキシングではいけないのだと。
解釈が間違っていたら申し訳ありません。PAは常に過ぎ去って行く、その一瞬にしか存在しないものを追いかける。収録は残るものであり、なおかつライブレコーディングという事もあってその瞬間にあったありのまま(LIVE感)を収めるもの。

その点でオーディエンスマイクとは収録のみに絶対的に必要な要素なのだと思った。
(今回はダイレクトミックスはR-44への録音だったのでしょうか?)

それと、聴いていて気になった事がワイヤレスマイクの音色について。
SM58の音色に耳が慣れているからか、少しスカスカした印象があった。

これを機にワイヤレスマイクについて勉強してみたのだが、
ワイヤレスマイクは電波を使用する物と赤外線を利用する2種類あり、PAでは一般的に電波を利用。カラオケ店などのマイクは赤外線を使っている。
電波を利用するワイヤレスマイクは3つの周波数帯域の違いによってタイプが分けられる。
A帯 797~806MHz 無線免許を持っている人でないと使用できず、予め申請も必要な為混信する確率が低い。使えるチャンネル数も多く、高音質。
B帯 806~810MHz 免許は不必要で誰でも簡単に手に入れられる事からあらゆる場所で使われて混信する確率も高くなる。ステージイベントではこのB帯が使用される事が多い。
C帯 322MHz
・ワイヤレスマイクは音声信号を圧縮してから送信することで、低電力かつ安定した送信ができるように工夫している為、ワイヤードの音色に近づける事は難しい。コンパンダ(圧縮)→送信→エキスパンダ(拡張?)
・デメリットとして、混線・電波の途切れ・電池切れなどがある。(反射の多い環境の方が電波が届きやすい→屋外は途切れやすい)
・ケーブルがない事による利点は多い。ワイヤードのマイクでは不可能な演出もある。しかし細心の注意が必要。(予備マイクを用意する事も)

この学校に入ってから、色々な音をよく聴く機会が増えた。改めて感じる事は人の声は千差万別であるという事。
性別や年齢によって変わり、全ての人が違う特徴を持つ。今回アイドルの方は私の期待通りのアイドルの声をしていた。
またPAする機会が一番多いのも人の声だと思う。そんな様々な声を同じ1つのマイクロフォンに通すのだから、よくその声を聞く事・自分なりに分析する事が必要だなと感じた。

撤収からの参加でしたが、熱いライブにとてもドキドキしました。
ありがとうございました。

tomi解説
収録はマルチ18ch収録での、マルチデータでの納品。
ダイレクトミックスはあくまでも、編集ガイドのために必要なのですが、HD24にダイレクトミックスを収録しなかったため、別途録音機にダイレクトミックスを作りました。

ただし、あくまでマルチ収録メイン。
それぞれ個別のマイクの収録状態を確認する為のバランスで、作業を行う。
その都度歪んでないか、音が出なくなっているマイクは無いか、個別にWL12本+Orch2ch+Aud4ch別々のトラックに収録しているとはいえ、混ぜて聞かなければいけない。
混ぜて聞かないとだめだというのは、ヘッドフォンを18個用意するわけにいかないからだ。
この仮に『混ぜて聞く』ということが、マルチトラックレコーディングではとても大事なはず。
『混ぜて聞いている音』の中に『今録っている音』&『前に録った音』どちらも同じMixの中で聞くということだ。今回はライブレコーディングなので、特に前に録った音はないけれども、音楽録音やMAでは、『この音がどういう状況の音なのか』がだいじ。

9/28現在TVK系列などの『D☆D誰でも大好き』という番組でライブ映像がON AIRされたようです。

2012年9月23日日曜日

2012.08.31-09.02 Kenji Miyazawa Dance&Leading&Vc Event SR Project終了報告

2012.08.31-09.02 Kenji Miyazawa Dance&Leading&Vc Event SR Project終了報告

15年近くのお付き合いになります。栃木市のダンスの先生、安藤さんのお仕事です。
初めてM-AQUAとして(内職だったけど)、お仕事としてお引き受けしたのが安藤先生のお仕事でした。

ただの、発表会ではなく、一回一回テーマを作り、それに向けていろいろと教えていただきました。
たしか、第一回のお仕事も、『ネイティブアメリカン』(アメリカインディアン)から、テーマを検討した、『自分探しの旅』タイトルは『Vison Quest』だった。

そんな、安藤先生とのお仕事の中で、何回か出てきた人物がいます。
宮沢賢治です。
2009年3年前には、注文の多い料理店から『どんぐりと山猫』を、8月と11月に2公演行いました。
http://m-aquastaff.blogspot.jp/2009/11/20091115-dance-event-sr.html
http://m-aquastaff.blogspot.jp/2009/07/2009718-19-soccer-event-sr-staff.html

ダンスと音楽、朗唱等、手作りながら、テーマに向かって作り上げていく。
録音でもライブでも、意味を大切にするようになったのは、こんな出会いからでした。

今回はいよいよ、賢治の作品でも、金星音楽団、『セロ弾きのゴーシュ』をやることに。
タイトルは『星月夜の幻燈会』セロ弾きのゴーシュと雪渡りの2作品の公演、画像はありませんが、スクリーンに映像を投射しながらの、いろいろな要素の詰まった作品でした。




会場は、栃木市文化会館小ホール。



もう何回ここで、音響をやったかわからなくなりました。
たぶん、栃木県総合文化センター・宇都宮市文化会館と同じ位やってるのかも。
卓周り、相変わらず汚いが、配置はよく考えた。
上手よりなので、下手を見ることが多い。
だから、再生系は下手側。
肝心のチェロは、SRでは久々に使った、SCHOEPS CMC64Uxgtです。
『ああーーー、やっぱいい、いい』そのまんまだ。
もちろん、チューニング&調整するんだが、なんだか違う。やっぱちがう。


こちらは台詞を拾うマイク。
Vcモニターには、Naを返す。前後の位置関係上聞こえにくいため。
電池の管理、大切。
素舞台こんな感じ。

Main SPはいつものところに。



アンプは上手、いつも通り平行一口。
WLは結局2波借用。2波持ち込み。
卓電源は、今回音響室から引き下ろした。インカムも。

これプラン。



パピコとモナカ。




Technical Point
ナレーションの出演者は表の音を聞いている。
場所によって、ディレイの感じ、音色の感じにとても気を使う内容でした。
どうしても音が抜けにくい原因は、Sideを奥まったところに配置した関係で、いろいろ試行錯誤しました。
最初に音が出ているところは?
演奏家・演者は何の音を聞いている?
見た目の問題。
ダンスで踊れる?
次は、何をやるのだろう。


STAFF:
大橋 麻理、嶽下あい、富 正和
舞台監督:橋本さん
会館対応:猪瀬さん

ひとのこえ、身体表現、いろんなこと考えました。
『雨にもマケズ!』自分探しだ!

2012年9月21日金曜日

2012.08.13 School Live in NIKKO SR 41RP STAFF REPORT

2012.08.13 School Live in NIKKO SR 41RP STAFF REPORT

コチラは富の書いた終了報告であります。
http://m-aquastaff.blogspot.jp/2012/08/20120813-school-live-in-nikko-sr-project.html

8月13日の日光高校生バンド大会についてのレポートです。
まず始めにお話を伺った時は、どんなステージになるのか想像できなかった。高校生の時にホールで演奏できる機会ってなかなかないと思う。素直に素敵な企画だなと感じた。

頂いた資料にはバンド数、パート数にあった仕込み図。当日分かる情報もあるので、臨機応変に対応する事。

ただこの企画を伺った時に絶対やりたい!と思った。会場に到着後は出演者の方が搬入搬出・セッティングなどを手伝って下さった。私が高校生の頃はこんなにしっかり働けなかったなと思くらい礼儀正しく素晴らしい学生さん達だった事が印象的。

今回は富さんと二人の現場だったので、特にセッティング時自分の作業内容を伝える事や相手のしている事を見る事(把握する事)・またそれを伝える、といった情報共有は大切だと実感した。声を出す!元気良く!

何も進めないのも勝手に進めてしまう事もリズムが乱れる要因。たまにふっと手を止めて周りを見渡す事も必要。

私の場合目の前の事に夢中になり過ぎて周りがみえなくなってしまう傾向があるっという発見にもなった。また手伝って頂く際、的確に説明する事が難しかった。今回手伝って頂く事にも意味があったので、安全に配慮しお手伝いして頂いた。


なんと今回は全てではないがミキシングをさせて頂いた。沢山の事を学んだのだが、1番自分の中にズシンときた事は、「なんの為にツマミを・フェーダーを触るのか?」という事。今回の出演者さんの中にはステージに上がる事・人前で演奏する事が初めてだという方もいた。その時私は「ヴォーカル小さいな、あげよう」「ベースの音がモヤモヤしてるな、EQで調節してみよう」そんな事ばかり考えていた。でもそのヴォーカルをPFLでチェックした時、ふと私がかつて立ったステージを思い出した。緊張や不安、期待や興奮など。どうにかしたい!彼らが造る音楽を届けたい!と心から思った。その時手が動くんだ、と。音響の技術は全く無いがこれこそ私が理解し共感できる、私にしかできない仕事なのではないかと感じた。

声があまり出ないのは歌いにくいのかな?モニターに原因があるかもしれない→実際ステージに上がってヴォーカルポジションで音を聞いてみる。ステージ上で生の音を聞いてみる。出演者の鼓動を感じ取る。違和感を感じても、こういう音作りに目指しているのかな?自分の物差しを押し付けない。相手の意思を理解し共感できるフラットな耳を持つ。時には自分の正しいと思った方向を突き進める事も必要。ただ、良い音を沢山聴いて自分の耳の肥やしにしよう!と思った。まだまだ知らない音ばっかりだなと日々痛感しています。ミキシングエンジニアとは出演者とお客様との中継役。当たり前の事なのかもしれないが、出演者の伝えたい音・お客様の聴きたい・心地良く聴ける音をどう繋げるかという部分の発見だった。

突如アコースティックギターがでる事になったのだが、ピックアップが付いておらずダイナミックマイクでとることになった。そのバンドはアコースティックギターの伴奏に女性ヴォーカル。アコースティックギターをあまりあげる事ができず、その時はできる限りの事はやったように思えたが、もっとできる事は無かったのか勉強しつつ考えたい。

また、私に余裕がないというのも原因だが客席中央でオペさせて頂けた事に本当に助けられた。メインの音を聴きつつ、プリフェーダー・ソロの音を聞き、ステージ上で何が行われているか常に見て、お客様の反応も近くで感じられた。他にも、リハーサルでとったデータがこんなに重要なものになるとは思わなかった。自分のリハーサルに対する考え方も改められた。


転換内容も間違いのないようメモ。・同じヴォーカルマイクでも人によってGAINが結構変わる
ヴォーカルの音域の少し下の周波数をEQを使って下げるとヴォーカルが浮き立つ。
・極端なEQは危険・不自然。
・ダイナミックス系エフェクターの概念・使い方。
・ギターのパート・奏法によってバンド全体からのポジションが変わる。
やはりベースやドラムのキックがバンド全体の土台を作っているという事。安定感を作る。
・3dBの違いは大きい。
・GEQ、チャンネルEQ、エフェクター、フェーダー、HA常に変えたその先の音を想像してから触る。
・チューニングをしっかりやれる時間を作る→効率の良い仕込みをする。
・メーターもすごく参考になる。どの部分のメーターを表示するのか、その都度必要なレベルを目で耳で確認。





一ヶ月ちょっとが経ち今このようにレポートを書いて思う事は技術的な面はもちろん、その時の衝撃や感動などすぐに忘れてしまうものなんだなという事その時感じた事、聴いた音をもっと大切にしようと思った。この現場も特に私にとってとても衝撃的でとてもおもしろかったです。しばらく興奮が冷めやみませんでした。貴重な経験をさせて頂きありがとうございました。


富 追記<来年は8月12日です!(昨日のアップだと間違ってた)and改行修正して読みやすくしました。

2012年9月20日木曜日

2012.08.30 High School Public Event KITAKOU SAI Opening SR Project終了報告

2012.08.30 High School Public Event KITAKOU SAI Opening SR Project終了報告

昨年から担当している、北高祭開会式。昨年は、本番終了後にコンクール用録音をリハーサル室に移動して行いましたが、今回は本番のみ。
ただし、7:30入り・・・、必然的に前乗りになりましたとさ。



コチラがプラン。

とにかく、流動的なことに臨機応変に対応出来るように、袖オペは変わらず。
WL(Hand&Pin)でのチューニング&確認、再生系の音量チェックなど、嶽下に卓を変わってもらえたおかげで、いろいろ卓を離れて、オモテの音を聞きにいけたおかげでうまくいった。

課題は・・・
・ポン出し機器の増設
・WLの把握がしずらい。
・袖モニ、モニモニなど、もう少し下がってオペした方がよいのかも。
MS101を卒業したいです。6301Bを買うのか???


卓に向かって、左側が再生系、右側がEQ。
そうそう、CD一台しか無くて心もとなかったので、CD450をホールから借りました。

いっつも、記録をわすれちゃうんだけど。
こういうSR優先で、録音は優先度が低い時に、どこからアウトをとって録音するかが迷うとこ。
01Vだと、SPDIFのCOAXIAL OUTはSTEREOしか出ないので、必然的にSTEREOが録音系、AUXがSR系になるわな。

もちょっと、コンパクトにしたいねん。
あと、Main Micの位置だが(画像なくてすみません)今回は、照明を学生さんが対応したため、ピンスポが2階席最前列。これなら、ピンスポとかシーリングの照明の兼ね合いを気にせず、いくらでも3点吊りを降ろせるのだが、SCHOEPSもう一本買って、3点のMainの単一指向性の選択肢も増やそうかなと思います。

内容は昨年と変わらずです、エンディング及びダンス部で暴れ回るので、Sideは固定プロセがよい。
搬入は搬入口。駐車場がいつもの通り自転車で埋まるので、撤収は地下駐車場。

17時には撤収完了できていたのがよかったです。
来年単発だったら、前乗りの当日帰りがいいかもです。



2012年9月18日火曜日

2012.09.10 Yama No Uta Project Recording 41RP STAFF REPORT

2012.09.10 Yama No Uta Project Recording 41RP STAFF REPORT


20120910山の歌レコーディング

 いい音を生かす。ん?と思う音ばかりに気をとられすぎずに、そのミュージシャンのはなつ、いい音を伸ばす。人に響くというか、人に訴えかける音楽、音は、エンジニアがそういう自然な熱い心持ちでいることで、初めてそのミュージシャンの本来のパワフルな音を記録することができるのではと感じた。
 初めてスタジオでのレコーディングの現場に入らせていただいたが、ミュージシャンはもちろんのこと、レコーディングエンジニアも共に、力を注ぎ込み、長い時間を共有する。その間エンジニアはつねに、いろんなところに目が届かせながら大量に飛び交う情報を敏感につかまえて、行動しなければいけない。ミュージシャンの直接の要望もそうだが、ミュージシャンの様子、独り言、ミュージシャン同士の会話のなかにも情報が詰まっている。
 今回は、Isolationがないスタジオで、また曲目によって登場する楽器が異なり、合わさる楽器の組み合わせがたくさんあった。その中でも、先を読んで行動しなければいけないと強く思った。
 ピアノソロの曲のレコーディングのあとに、ピアノ、バイオリン、ハープ、フルート、トロンボーン、チェロの合奏の曲があった。その直前に「今日の楽器のなかでいちばん音の小さい楽器は?」と富さんに聞かれた。最初その質問の意図が全くわからなかった。富さんの意図していたことは、あとに控えたこの合奏の楽器の配置位置だった。
 Isolationがないために、マイクは楽器にそれぞれの楽器へマイキングしていても周りの楽器の音が確実に入る。かつ、全体の音を集音するステレオのメインマイクの位置関係も考慮する必要があるからだ。楽器の生の音の理解がいかに大事かわかった。
 レコーディングの現場は、常に緊迫した空気感のなかでおこなわれるというイメージがあったが、そうではなくいかにミュージシャンと言葉でのコミュニケーションを積極的にとるか、いかにミュージシャンの挙動をよみとるか、そしてミュージシャンを不安にさせずにいいパフォーマンスをしてもらえる環境をいかに整えられるか、提案をいいタイミングで投げかけられるか。思いと思いが強く結ばれながらいい音楽がレコーディングされていく、繊細だけども人間の体温を感じる仕事だとすごく思った。
 今回も、このような貴重な現場の経験をさせていただき、本当にありがとうございました。

富 解説
今回のスタジオは、小さなサロンコンサートのできるような小ホールでした。
20人も入ればいっぱいのところでしたが、後ほどこちらもブログアップします。

Isolation=音の分離を意味しています。
それぞれの楽器が、ガラス張りの別々の部屋に入って録音することが、一般的なスタジオと思われますが、エムアクアの出張Styleの録音、Classic Styleの録音では、こんなこともあります。

2012年9月17日月曜日

2012.09.15 Utsunomiya Jazz Piano Trio SR Project終了報告

2012.09.15 Utsunomiya Jazz Piano Trio SR Project終了報告
2012.09.18 25:24ちょいと更新。

何から書けば良いのか、興奮がまだ冷めやりません。
そして、きちんと伝わるのかどうかも疑問ですが、このだいじなものをいち早く皆さんとシェアしたく思い、アップしました。

そして、演奏家の皆さんやエンジニアの先輩達から、学んできたことが間違っていなかったことを本当に感じたセッションでした。

The Vanguard Jazz Orchestraで学んだこと→Comfort Zone 居心地の良い場所から、一歩踏み出すこと、本当にチャレンジでした。

内容や個人名等大きく書くことは出来ませんが、これからのLive Soundがより良いものになっていく為に、書いていこうと思います。

ピアノトリオのコンサートです。場所は慣れ親しんだ、栃木県総合文化センターサブホール。シューボックススタイルでいながら、客席の勾配が、スピーカーのサービスエリアを考えるのに、いろいろ試行錯誤しました。
また、左右の壁の反射も大きく、アコースティックな楽器ならちょうど良い初期反射なのだけれども、Side SPの扱いに注意しなければいけない会場です。

画像をご覧ください。
舞台上の地がすりと大黒が、適度な音響条件になっていました。
そして、この配置上の問題として、FOH Main Spの位置が悩みました。
ハウリングマージンを稼ぐ為には、プランで考えていた3×3の平台があればらくなのですが、そうすると、SP同志の間口を狭められなくなるし、音源から離れて、SPが
前すぎてしまう。

もう少しSPの間口を狭めても良かったかもしれないが、音像的には、ちょうど良かったのかも。




今回、仕込み10時からの前に、栃木県福祉プラザというところで、高橋雅人君の演奏会のセッティングをスタッフ3人で行ってきました。
これがよかった。
ちょいと体を動かしてリセット出来たし、現場モードになった。
実は、搬入してすぐFOH Main Spを組む時ってほんとは、もっともっと慎重になってもいいんだね。



そして、搬入から仕込みまで、かなり丁寧にできたのもよかった。
昼食後、スタッフ三人と、照明奥村さんとで、ピアノのマイクについてかなりかなりトライアルができたこともね、すごく貴重な体験だった。

Piano
・楽器をもっと知ろう。
・スタンダードなマイキングから、得られることだいじ。
・『こう動かしたらこうなる』これは、ピアノと友達にならないとできないし、好きにならないと出来ない。
・Pf Hi Lo KM184はスタンダードなマイクセッティング(ふたが閉めれる程度の高さに)
・Mon用 Beta57のHallは、必ず穴を選ぼう。ここで余裕が生まれる・・・はず。
 そして、スポンジよりも、ミニマル皿を使い、マイクの振動板を半分くらい突っ込んだのが良かった。
・そして、最近録音でも必ずやっている、Super Lowは安定・安心感、そしてPanがきも。
・Pianoに限らず、密接した相関関係のあるマイキング(近いマイキングってこと)についてPanはほんとに気を使う。『位相が悪い状態』←これなんかいい表現ないんかね、解りにくい。

・Lo-EndのHPFの処理について、いれっぱはいけない。
・Monの定番マイキングのあれもやってみたが、これは今回うまく行かなかった。

Bass
・Bassistの音作りを教えてもらう=サウンドチェックの時のコミュニケーション
・Lineと楽器に仕込んだマイクのバランスの表現。
・必ず一つづつ、中音と外音も含めて一つづつやること。

Drums
・かなり、横を向いたセッティングなので、R側のOHはハウスでハウンナイか気になった。
・Top Cymの関係。
・エフェクティブなフロアに、深い海の底みたいなリバーブ。キットが離れていたので、GATEもうまくかかる。
・Tomをあまり広げすぎず。HAをあまり絞りすぎないようなセッティングをこころがけた。


ピアノのマイキングを見て、ポンタさんが、『完璧なマイキングだね』これで、さらに緊張。

サウンドチェックは、Bass Drと続いて、3人のアンサンブルについては1分程度で終了。

とにかく印象的であったのが、直前までピアノと話をしていた山下さんの姿です。
『Sensitive』ポンタさんもMC中でおっしゃっていましたが、繊細で大胆で、Wetでした。

私自身もそうありたいなんて、おこがましいですが、『Sens』に敏感で丁寧でありたいし、Wetはもちろん、Warmで落ち着く音が好きなのです。
ただ、その音に固執するわけでもなく、どっかーんと、反対の個性にも向き合えて、透明になれるのが良いのだと思っています。

どちらかのアプローチから始まり、いろんな色合いを、いろんな演奏家の色合いを感じたいです。

MONのオーダーについて。
・Piano→WBのLineをちょっと
・Bass→WBのMicを全開まで。自身のAmpでLine
・Drums→Piano,WB,Kick

Sideは、MCのみで、楽器は出さなかったというか、出さないでくださいとオーダーありました。



本番は、同じくど緊張ながらも感動的でした。
先生、やっとここまできました。

東日本舞台の山田さん、奥村さん、皆様いつもありがとうございます。
そして、宇都宮のドラマー、小久保さん貴重な機会をありがとうございました。

STAFF:
大坪 宏昌(戸田音響)
嶽下 あい(M-AQUA)
富 正和(M-AQUA)

画像追加。2012.09.26

 この画像からも、ピアノの位置がね、結構ステージ真ん中にぎゅっと寄っているし、お客さんに近いね。

2012年9月16日日曜日

2012.03.02〜03.20 moment 10th Aniversary Cello Recording Project終了報告

2012.03.02〜03.20 moment 10th Aniversary Cello Recording Project終了報告

だいぶまえ、春先の話になりますが、日頃お世話になっている、映像集団momentさんの10周年企画、Vcの郷田 祐美子さんのFirst CDおRecordingを担当しました。

http://www.moment.gr.jp/105/special.html 
詳細はそれぞれのブログに解りやすく載っています。
http://ameblo.jp/yumi-610923/entry-11346668571.html

そうそう、あと日付がせまっているこちらを先にお知らせします。

このCD発売記念ライブが、目黒はBlues Array Japanで9/23行われます。
CD参加のアーティスト他、momentに近しいアーティストさんとの共演、もちろんmoment String Quartetも出るのかな?

はい、本題です。
今回の録音のスタジオなんですが、長年音響を仕事にしていて、高校生のころ音響の道を目指そうと思って出会った音楽家の方のホームグラウンドでした。

これ、だいじょうぶかな。
あこがれの作曲家、日向敏文さんです。

『東京ラブストーリー』『一つ屋根の下に』『愛という名の下に』など、学生時代にのめり込んだドラマの劇伴作曲家・ピアニストです。

スタジオ


コントロールルームはこんな感じ 

























つーせんこー。










音響プランです。































チェロ や弦楽器はやっぱり、SCHOEPSだね。
何かが違うし、何か絶対的な音がする、ほんとだよ。
 うまくいえないし、長年DPA(B&K)信者なのだが、ここのところ、ClassicのOn MicはSCHOEPSさまさまです、1本しか持ってないけど・・・。

楽器の特性、共振周波数(モードの問題)今回の録音で学んだこと沢山あったのですが、もうすでに身になってしまっています。

Mac Pro 3.3Ghzのパフォーマンスもさくさくでした。
この夏に、同じスタジオで、プログレCDを録音しました。
しかし、Pianoもいい音してました。

秋か春先の気候の良い時に、良い録音が残せそうです。

STAFF
日下 南、佐藤 翼、岩松 慎平、加藤 匠、とみー