2016年2月5日金曜日

2016.02.05 Multi Channel Sound Consideration

2016.02.05 Multi Channel Sound Consideration

芸大北千住 音楽環境創造科の卒展に行ってまいりました、今までアートパスや各種ワークショップなどは訪れたことがありましたが、卒展は(たぶん)初めて。

メモとして残しておきます。

・Multi ChannelのMic
このところ、様々な手段で音を聞くことがあった、無指向性はやはりいい。
主に2chのA-Bでは、位相や低域についてのキャラクターばかりが目立つが、そもそも、2ch以上のMulti Channelでは、位相もへったくれもない(言い過ぎか)。というか、認識すべきその音源が多いほど、位相差についての認識量が少なくなってくるのか?
日頃、RecordingでもLive Soundでも単一指向性のマイクばかり使っているが、どうなんだろう?と考える。
そして、このところDPA4006のステレオ収音の幅について、意見を交わしているが、かなり幅の狭いものから、1200mmくらいまで、実は無指向性であれば、左右をミックスした時の混ざり方について自然な感じがする。

・Rear Speakerについて
10年前20年前は、サラウンド環境というと常に、後方の音Sur-Rear-L.Rなどが、不自然だということを思う場面が多々あった。
今日感じたのは、音は後方にも、上方にも、下方にもあるということだ。
ステレオは両耳が左右に水平についていたから、スピーカーを左右に置いてみただけのこと。Speakerの配置も、Micの配置も、しいては音は空気があればどのような方向にも存在している。

・ハース効果について
『音は早く来た方向から感じる』だから、それがMulti Channelになっても同じ。上からこようが、下からこようが。
ただ、周波数帯域によってはその知覚については差異があり、その特性を知っていてMixingを行うのと、知らないで行うのでは雲泥の差だ。

方向性が解りにくい音について、慣れることも大切だし、万人にとって、解りやすい音がなぜ解りやすいのか、分析も必要。

・音のどの部分を聴いているか?
演奏家とエンジニア、そもそも個々ひとりひとりが、楽音や音のどの部分について語っているのか、興味深い研究があった。

総括して展示類はほとんど回れなかったが、稀有な体験をした。
22.1ch→5.1ch数作品→22.1chと、サンドイッチで聞くことができたのだ。
無論試聴場所は違ったのだが、理想とする多チャンネルと、現行規格である5.1、どちらも難しさと基本となる収音技術(モノ、ステレオ)、空間知覚、中低域の定位の曖昧さをどのように処理するのか、いずれも耳で聴いて決めているのだ。
耳で聴いて。
あと一点、『音は記憶のたまもの』
各作品を聴くときに、時間をある程度置いて聴くのがいいと思いますよ。
『人間の耳は記憶に左右される』

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