2012年7月23日月曜日

2012.07.14 Junpei KATARIBAKO SR M-AQUA+ Support Tomi Project 終了報告

2012.07.14 Junpei KATARIBAKO SR M-AQUA+ Support Tomi Project 終了報告

はじめに。
入学して3ヶ月、あまりにも早い現場経験かとは思います。
「やらなければ解らない」とか、「やってみたことがないからやってみたい」とか、いろいろな意見があるけれど、結果としてこんな答えが時々出てくる。

「結局自分でやらなければ解らない」
それもよく解る、私自身もそうやってきた。
しかし、それだけじゃあ、あまりにも無責任すぎるよ。

音響の歴史が何年だか知らないけど(ほんとは知ってますが)、自分でやるしかわからないのなら、どうやってその技術やこころを継承していくのでしょう。

視覚や聴覚、嗅覚に触覚、そのお客さんが、その演奏家がどう音を聞いているのか、エンジニアには解らないし、つまるところ、自分が聞いている音しか解らないのだ、他人の聞いている音は、人間のからだのしくみとして、解らないのは重々承知しています。

他人が聞いている音を、自分のこころで感じることってすごく難しい。
けれどね、その感じることが、すごく楽しいのです。

音や音楽は、人と人のこころを繋げることができるすごいものなのだけど、それはものすごく繊細でもあり、ものすごく残酷でもある。
目は目を閉じれば見ずに済むものでも、耳は耳を塞がなければ常に存在して、とてもこころにストレートにくる。

だから、音や音楽が素晴らしいし、わたしの人生になくてはならないもの。
おっと、話がそれましたが、「やってみる」の過程で、私自身がとてもとても今回勉強になったことが沢山沢山あり、ここには書ききれないのです。

前書きはこれくらいにして、本題です。
今回ライブを行った千葉純平さんは、わたしが大事にしている、Dreamers Union Choirのメンバーなのです。
場所は、埼玉県志木市のスペースMという、アートスペース。
ふだんはこんなところ。


M-AQUAのポリシーとして、『わたし自身が行くこと』これを9年間守ってきました。
時々現場の丸ぶりもあるし、他のエンジニアの方の代打で登場する時もあるけど、『代わりができない仕事の仕方』がそもそも、退職→起業のきっかけだったので、これを貫いてきた。

自分自身に振り返ると、『自分でやりたい気持ち』と『どうせ伝わらない』といった、グレーな気持ちといつも戦ってきた。そして、それと向き合ってきました。

もちろん、演奏家の皆さんや、サウンドエンジニアの皆さんが、どうにかわたしの存在を許してくれているから、仕事をさせてもらっている。

だからM-AQUA STAFFが卒業して、M-AQUAを離れていくとき、いつも悔しい想いと嬉しい想いが交錯していました。これは、初めてこんなところに書いたけれど、ある意味本音なのです。

でも、『伝える』ということはね、そんなことじゃない。
目の前でやってみせて、目の前で彼等がやることを、じっと黙って見ていること。
別にさ、この先どこで仕事をしても、どのような環境で仕事をしても、辞めてもまた始めても、ここでやったことを覚えていてくれればいい。

会社とかね、立場とかね、全く関係ないと信じたいのです。
その時どんな立場でも、そこにいる人や音や音楽を守ること、これが大事なのだと思う。
技術だとか、演出だとか、演奏家だとか、お客様も含めて、学生だろうが先生だろうが、人じゃん。ひと。

だんだん書いていて、いつもどおり訳が解らなくなってきましたので、このProjectの中で担当したSTAFFに伝えたことを、まとめてみるとこうだ。

・人のやっていることをよく見る。
・人のやっていることをよく見ていてあげる。(富の課題)
・人の話をよく聞く。時には聞き耳を立てる。
・人の話をよく最後まで聞く。(富の課題)
・人に対してよく話す。
・人がよく話せる環境をつくる。(富の課題)


・安易に答えだけを求めない。
・安易に答えだけを教えない。
・あたり前の理由をまず考える。(定番が定番たる理由を考える)
・あたり前でない理由を考える。

・言葉に出さずとも、常に感じること。
・言葉に出して、きちんと伝えること。

・自分がやりたいことだけをやるのではない。
相手がして欲しいことをする、サービスの基本。







純平のあげた動画がありますのでこちらをご覧ください。





最近思うこと。
その情熱の強さ・深さ・大きさなんて、誰にも解らないのだ。
そんなの目に見えないし、言葉にしたって、理由なんかつけられない。
自分自身だって解りえない涌き上がる情熱はいつ枯れるか解らない。

20代中盤の時、意を決して送ったMixingコンクールがあった。
あるMixingに対して、エンジニアのFさんがこう講評を書いてくれた。
『あなたの音楽にかける情熱が・・・(なんとかかんとか肝心なとこ忘れた)』
あー、あの時、あの一言にどれだけ救われたものか、いまその15年くらい前のMixを聞くと、なんだか解らないけど、その時にしか作れない音にね、なってる。

今度はわたしがいろんな一言をいう機会なのだ。
御成門でも、溝ノ口でも、もちろん現場でもね。

依頼〜下見〜2回のリハーサル〜DUCでのリハーサルでの音だし〜7/7風の駅ライブでのAssist〜前日仕込み〜ライブ当日、とにかくとことんやってみることを、見ていました。

実は、ここで肝心な種明かしをします。
当日私は、現場にいませんでした。

2人のM-AQUA STAFFで、やりきったのです。



Musician
Main Vocal:千葉 純平(From 春風の町志木)
Keyboard:木島 タロー
Guitar:渡辺 裕太
Guest Vocal:Mao(From 神戸)

カタリバコ:吉田 亜紗美



純平さん、そしてMusician及び関係者の皆様、素晴らしい機会・経験をありがとうございました。
例えその場に居なくても、Staffを信じて、その音を信じれば、その音楽や人から救われるということを、改めて考え直す良いPropjectでした。



機材を引き取ってからの空です、なんも言葉なんかいらない。

M-AQUA STAFF
日下南 (Stage Support)
嶽下 あい (Mixing Engineer)
おつかれさまでした。

0 件のコメント: