2025年10月22日水曜日

2025.10.19 Kuroiso Jazz festival Vol.19 STAFF REPORT

2025.10.19 Kuroiso Jazz festival Vol.19 STAFF REPORT

20251017.18黒磯jazz festival 2025 ライブレポート  刈谷悟聞

黒磯jazz festival についてまとめていきます。

本番前日、朝10時に最寄り駅へ行き富さんの倉庫にてスピーカー(サブ)の積み込みをしました。届いたばかりのスピーカー (サブウーファー)のピンを一つ一つ外していき、ネジに接着剤(本当はネジロック)をつけて固定。電源やケーブルなど沢山の機材をハイエースパンパンに詰め込み、出発。こういう地道な作業からライブは始まっているのだと改めて認識しました。電源が足りないだけで卓もMacも使えないってかなりやばいです。


道中、富さんの宇都宮エピソードを聞きながらあっという間に黒磯に到着。会場の下見へ。

会場付近は都会とはかけ離れてて、のどかで綺麗な田舎で風がとても気持ちよかったです。ステージには屋根があり、裏には電源もあり、ステージ横にそのまま車をつけられるという素晴らしい会場でした。

車がパンクしないように転がっている木の枝などを回収し、たまたま会場に来ていた主催者の佐藤さんに挨拶をしホテルにチェックイン。その後、蕎麦屋でご飯を食べ、佐藤さんのお店へ行きピザを食べました。食べている途中、先生や先輩の話についていけないことや、話題を振れないなど、、もっと会話をできるようにならなければと反省しつつ、当日に向けてしっかり休みました。



これは雨対 

黒磯ジャズフェスティバル当日、機材車から大まかに降ろしたあと、まず電源から引きました。ステージの裏から電源が取れるところがあり、そこから下手の卓側に電源を引き、卓やRio、DA6400、Ampなどを起動しました。

次に、スピーカーを設置しました。メインはラインアレイ2/2でサブ2台、ハイボックス2台です。ラインアレイを組むのにもだんだん慣れてきて、作業の工程などもスムーズに理解できるようになりました。モニタースピーカーなども楽器の位置に配置して、スピコンを引きました。

スピコンでややこしいところは、普段学内では使わない2chを一本で送れるスピコンを使い、 ±2、±1の信号を送っているということです。メインのサブでは±2の信号の音が出るようになっていて、1本の線で入ってきてサブからハイボックスにパラったとしても、ハイボックスは±1の信号が流れるので、サブとハイで別々の信号が送れるということです。この仕組みをこの現場で理解するまでは、何をやっているのか全く分かりませんでしたが。普段あまり仕込むことのないパワーアンプについて少し理解できた気がします。

また、2ch先バラのスピコンもあり、ドラムとギターなど、位置が近いモニターに一本で引き、先バラで別々の信号を送れます。

アウトプットを仕込んだ後に、マルチを引きました。マルチの位置決めはとても重要で、位置によって仕込みやすさやバラしやすさ、転換などに影響します。今回はドラムの前にAマルチ、フロント下手モニター横にBマルチを引きました。Aマルチでは、ドラム、ギター、ベース、キーボードなどのステージ後ろ側の楽器類のインプット、Bマルチでは、フロントのマイク(最大6本)のインプットです。Bマルチをフロントのすぐ横に配置することで、今回のようにフロントの転換が多い時などに分かりやすく、差し間違えが少なくなり、とても楽になりました。


マルチが仕込めたらマイク類を仕込みました。今回の会場は野外だったため、風の問題がありました。なので距離の遠いドラムOHなど、音の小さい楽器のマイクには風防をつけました。学内現場で風防をつける機会などはなかったのでとても勉強になりました。


マイクを仕込めたらすぐにアウトチェックなのですが、一瞬で確認した後、楽器のサウンドチェックをする時間もなくすぐに本番でした。こんなにも早くやることが変わっていって、すぐに対応しなければいけない。富さんがipadとワイヤレスマイクで一瞬でメインのチューニングをし、すぐに楽器全体のバランスを取っていました。おそらく卓側の楽器類のEQ、コンプ、HAなども事前に大体決め打ちしておいてすぐに始められるようにしていたと説明してくれました

1バンド目は、SAXの予定でしたがバイオリンに変更されていて、それも本番前にすぐに対応。演者さんがマイクを持ち込みされていたので、マルチ1番にバイオリンとすぐ繋いで対応していました。そして本番中に表でipadで音作りをして音を整えていました。


その後は大きな問題もなくスケジュール通りに進んで行きました。

今回の現場で、卓を触らせていただける時間があり、袖から演者をみて、次にどの楽器が出てくるか、誰が歌うかなど考えることが沢山ありました。MC時にはフロントマイクをDCAグループでミュートにして、ハウりにくくしたり、Voフェーダーから手を離さず、瞬時に対応できるようにしなければならないと思いました。


叩きがあるフラダンスの時には、PC側で止まったとしても対応できるようにプレイヤーをもう一つ用意していました。他にも、ドラムのOHの音が石の床を反射した音を拾っていて、OHマイクを少し斜めにすることでなるべく無駄な音を拾わないように工夫をしていました。SAXのマイクなども、ソプラノとアルトの持ち替えによってマイクの位置が変わってくるので、マイクスタンドにアームを取り付けて位置を調整していました。


また、演者さんをちゃんと見ていないといけないと思った場面がありました。トランペットの方が、演奏中にMCをする場面があり、MCマイクをスタンドにうまく戻せず持ったまま吹いていて、その時はたまたま見ていたのですぐに走って取りに行けましたが、こういう些細なことに気づくためには常にステージの中に集中することが大切だと思いました。


最後のバンドの演奏中に雨が降ってきました。幸い屋根があったので機材などは濡れることはありませんでしたが、後ろの電源には屋根がありませんでした。そこでビニールを使い、上から雨が入ってこないように雨対策をしていました。やはり電源が一番大切なので、しっかりとやっておくべきだと思います。

本番が終わり、バラシ作業に入りました。バラシの中で、たくさんの反省点が見つかりました。マイクを片付けるような簡単な作業をゆっくりやっていた、ケーブルのゴムをしっかりとつけること、次にやる作業を考えながら動くなど、です。

自分が何か作業をしているということに安心していて、次にやることなど考えていませんでした。すぐに作業を終わらせて次にやることを考え、わからなければ聞くということが大切だと思います。富さんに、わからないことや聞いていなかったことはそのままにせずに聞けと言われました。わからないことが恥ずかしかったり、聞いていなかったことを怒られるのが怖いという気持ちよりも、ちゃんと聞いた方が良いと思いました。あとは、機材を積む際に力がないなといつも言われています。重い荷物を安全に運べるように体づくりなども課題だと思います。


他にも、状況によって優先順位が変わってくること。例えば、雨が降ってきた時、最も優先するべきは上にも書いたが、電源の雨対策。これをしないとライブができないし機材が壊れたり、誰かが感電したらほんとにやばい。あとは、休む時には休むべきで、バラしの時も3人と少ない人数だったからあまり無理をせず定期的に休憩をした。僕なら早く帰りたいって気持ちが先行して無理やりやって怪我とかしちゃいそうです。オンとオフの切り替えはとても大事だと思う。


あとは雑談も大切で、作業以外のなんでもない話でもそこから始まってどんどん音響の技術的な話とかに繋がってくるのだと思う。先輩にも自分から話しかけるのってすごい気遣うし、すごい緊張するけど、でも向こうから話しかけられるってことは自分が気を遣われているってことで、その人がなんで音響をやっててどんな音楽に影響を受けたのかとかを聞いて共感したりすることが雑談ってことなのかなって思いました。雑談から学べることはもしかしたら普段のレッスンよりも多いかもしれない。(普段のレッスンで学べることが少ないって意味じゃなく)


バラシも終わり、味噌ラーメンを食べて帰りました。やっぱり現場終わりのラーメンはめちゃくちゃうまいです。黒磯ジャズフェスティバル、とても楽しく、勉強になりました。

以上が黒磯ジャズフェスティバルのライブレポートでした。